2006年1月19日 (木)

すごいぞ!ミズキ号〜犬と働く人

戌年の今年、やっとお正月気分が抜けた頃、麻薬探知犬初手柄のニュースを知りました。

麻薬探知犬「ミズキ号」初手柄=大麻密輸で男逮捕−成田空港 東京税関の麻薬探知犬で昨年12月にデビューした「ミズキ号」が、成田空港で男が持ち込もうとした大麻をかぎつけ、初手柄を立てた。男は横浜市中区弥生町の無職神場忍容疑者(32)で、現行犯逮捕され、18日に大麻取締法違反と関税法違反の罪で起訴された。 ミズキ号はジャーマンシェパードの2歳の雄で、12月12日にデビューしたばかり。 同税関成田支署などの調べでは、神場容疑者は同月28日、ドイツから航空機で成田空港に到着した際、大麻草約700グラム(末端価格約280万円)を持ち込もうとした。ミズキ号は同容疑者のスーツケースに反応。調べたところ、袋に小分けした大麻草を腹部や尻に密着させ、スパッツをはいて目立たないようにしていた。 (時事通信) - 1月18日19時1分更新

でかした!ミズキ号。
世の中には、犬にも劣る人間がいるもんだな・・・。

私は犬が大好きだけど、犬を訓練する仕事ができるかと言えば、多分できないと思う。
人間で言うなら『親ばか』なタイプで、動物に厳しく接することは苦手です。
アニマルセラピーの取材で、セラピー犬の訓練をなさっている人に取材をした時、「犬好きだけでは駄目だ」と聞きました。
叱る時は心を鬼にして接しなくてはいけないし、引退していく犬を見送る時もある。好きだからこそ辛い仕事だったりしないのかなと思うのですが、仕事を続けているモチベーションは何なのか聞いてみたいです。

もう一つ、絶対にインタビューしたいと思っているのは、捨て犬などを薬殺処分している人。
彼らの行為は仕事であって、決して好きでやっていることではないと思うのに、職業差別を受けることもあるのではないかと思います。

実は、数年前ジャーナリストを目指そうと思った時に東京都動物愛護センターを取材したのですが、その時は施設の中を見せていただくのが精一杯で、職員の方の心の内までを聞くには至りませんでした。
その時わかったことは、収容された動物たちは、闇雲に薬殺されてはいないということ。
里親を探したり、動物ふれあい活動やしつけ教室などのイベントを開催するなど努力をしていますが、動物を捨てる人はゼロにはならず、正直「これが限界なのかな」とか感じました。
おそらく現場で働いている人は、無力感だったり怒りだったり、いろいろな感情を押し殺しているはずです。
あの時、職員の感情的な言葉を聞き出すことはできませんでしたが、今なら仕事上の言葉ではなく、人としての感情を聞き出せるかもしれません。

デビューしたての麻薬探知犬ミズキ号に、『Grip Blog』デビュー前の自分を思い出させてもらった気がします。

<文責/泉 あい>

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2006年1月17日 (火)

ふるさとを想う気持ち・日本を想う気持ち

上京してから10年以上経ちます。
私は東京の人を冷たいと感じることはないし、何でも揃っている東京を心地よいと思っているけど、ふるさとで過ごした光景や想い出たちは、いつも心の片隅で強く主張し続けています。
だから、毎日の繰り返しの中で『山口』と聞くと敏感に反応してしまう。
そして、今日も体が静止してしまうニュースを見つけました。

外相と山口県知事、米軍再編で会談…午後は広島県でも麻生外相は16日、山口県の二井関成知事を訪ね、在日米軍の再編問題に伴い、米海軍厚木基地(神奈川県)の空母艦載機部隊を米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)に移駐することが盛り込まれた日米両政府の中間報告について理解を求めた。麻生外相は「抑止力の維持に米軍再編は必要。協力いただきたい」と述べた。二井知事は「現時点では、騒音がどうなるかなど疑問点があり、移駐は容認できない」と改めて表明、「地元の事情をしっかり聞いてほしい」と要請した。

 麻生外相は午後、岩国基地を視察後、岩国市の井原勝介市長らと会談。その後、広島県を訪れ藤田雄山知事と会談する。
(2006年1月16日13時35分 読売新聞)

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2006年1月15日 (日)

自殺者の多い社会

昨日の夜、
「29歳で死にたいと思ってるの」
と話している若い女の子をテレビで見かけました。
KinKi Kidsの光一くんや俳優の宇梶さん、お笑い芸人のふかわりょうさんにまちゃまちゃさん、シンガーの中村あゆみさんなど、有名人と普通の女の子がディスカッションする『ジェネジャンSP』という番組で、自殺をすることがどういうことか大人はいろいろと説明するわけです。
極め付けが、かつてこの番組に出演していた奥山貴宏さんというライターのVTR。肺がんのため33歳で亡くなった彼が、余命2年と宣告されてからの記録です。
「作家として死にたい」
と、彼は残された人生を小説を書くことに費やし、見事にその夢は叶いました。しかし、奥山さんの小説『ヴァニシング・ポイント』という本が、書店に並ぶ光景を奥山さん自身見ることが出来なかったそうです。

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2006年1月12日 (木)

北海道新聞と北海道警察

ヤメ記者さんからトラックバックをいただきまして、今取材ができない自分に苛立ちを感じています。
北海道新聞が道警の裏金問題を私たちに伝えたことは、裏金問題を考える提起をくれただけでなく、報道とは何かであったり、記者クラブに在籍していても記者の意思でその殻を破ることだってできることなど、いろいろなことを見せてくれたような気がしています。

私は、個人的に北海道新聞で裏金問題を取材していた記者の方々を知っています。
そりゃあ皆さん男気があって、人として惚れちゃうくらい素敵な方たちです。そして何より、報道に信念を持っていらっしゃる。新聞を愛している。
新聞を愛するということは、読者を愛しているということで、新聞という紙を通して、読者に伝えるべきことは何かを常に模索し、自分の信念を貫いて来た人たちです。
だからこそ、様々な賞を受賞できるほどの評価を得られたのだと思っていました。

ところが、今になって北海道新聞が道警に謝罪するですって?
取材をしていないので、何が起きているのかはわかりませんが、私も報道する者の端くれとして、一連の流れに注目したいと思います。
北海道新聞の幹部に圧力は加わってないか。数週間前に雑誌に書かれたような乱暴な取材が本当に行われたのかなど、取材したい。
そして、私の立ち居地を明確にし、何かできることはないのか一日も早く模索できる形にしたいと思います。
取材対象者と容易に連絡が取れる環境を一年かけて作ってきたのに、その人脈を今こそ使う時なのに、活かすことができない今の自分の状況が本当に本当に歯がゆくてたまりません。

<文責/泉 あい>

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2006年1月11日 (水)

4本指のピアニスト

韓国の20歳の女性イ・ヒアさんは、先天性四肢奇形で両手に2本ずつ、全部で4本の指でピアノを奏でます。
ショパンの幻想即興曲を弾く彼女の姿をテレビで見た時は信じられませんでした。指10本でも右手と左手を合わせるのが難しい難易度の高い曲です。
彼女は、この1曲を仕上げるためにどれだけの時間をかけたのでしょうか。

音大卒の私は、一日8時間以上ピアノに向かうことが普通だってことや、弾けない箇所があれば、たった2小節を何時間でも練習することが当たり前だということも知っています。
私はクラシックとは、人間の限界の境界に存在する音楽だと認識しています。指が10本あったとて、1曲を完全に仕上げるためには、それくらいの努力が必要なのです。
「体が弱いからピアノを習ってるの」なんてセリフを何かのマンガで読んだことがあるけど、ピアノはそんなにあまくない。1曲弾き終えた時には、肩で息をするほど体力を要する曲もあります。1音1音神経を注ぎ、張り詰めた中での作業になるのです。
身長1メートルの彼女のどこにそんな強さがあるのでしょう。

音大生の頃、とても小柄な私の友人が、
「この曲を弾くために、指の付け根を切る!」
と思いつめたように話したことがありました。彼女の手は小さすぎて、いくら指を伸ばしても1オクターブに届きませんでした。結局メスを入れることはありませんでしたが、目にいっぱい涙をためて、
「努力をして1オクターブ届くようになるのなら、私はどんな努力だってするよ」
そう言いながら、彼女なりの落としどころを探し、大きな夢をあきらめようともがく彼女と学生時代を一緒に過ごしました。
友人の中で一番の努力家だった彼女に、人の努力の限界を知った私にとって、イ・ヒアさんは衝撃の人です。

4本の指で夢を手に入れたイ・ヒアさん、ご家族、ピアノの教師に会ってみたいです。

<文責/泉 あい>

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2006年1月10日 (火)

産み分けで中絶

こんなニュースがあります。

女の胎児、年間50万人犠牲か=産み分けで中絶−インド 

インドでは伝統的に男の子を欲しがる風潮のため、超音波による出生前診断が産み分けに利用され、推定で年間約50万人の女の胎児が中絶の犠牲になっていると、カナダ・トロント大などの研究チームが9日、英医学誌ランセットの電子版に発表した。超音波診断が普及した20年前からの累計では、犠牲者は1000万人に上るという。 
(時事通信) - 1月9日15時0分更新

インドの出来事を私はとても身近に感じています。
と言うのも、私は丙午の生まれです。60年に1度、「男を食い殺す」という星の下に生まれ、子どもの頃からことあるごとに、
「あ〜」
と、回りの大人たちにちょっとだけ斜めに見られながら育ちました。
人数が極端に少ないので、
「受験の時は得ね」
とも言われていましたが、結局定員は例年よりかなり減らされたし、お嫁に来てからは、舅が酔っ払うとどれだけ悪態をつかれたことか。
丙午に生まれたというだけでマイナスなことって意外と多かったと振り返ります。

中でもショックだったのは、他人に、
「丙午ってわかっていたら普通産まないよね」
と面と向かって言われたこと。その日帰宅してすぐ母親にそのことを話すと、
「だってハネムーンベイビーだったんだも〜ん♪
長崎の・・・あの夜に・・・あなたは長崎できた子なのよ」
と能天気だけれども衝撃的な告白をされ、立ちすくんだ記憶があります。

今生きている私も産んでくれた母に感謝をしていますが、長男の嫁だった母は、親族の中に丙午の赤ちゃんを産むことを反対する人がいたかもしれないと想像し、もしかすると誰よりも感謝しているのは、産むことができた母なのかもしれないと思っています。(それなのに親不孝でごめんなさい)

日本では、60年に1度のことなので、その年に子どもをつくることを避ければ済みます。しかし、インドでは20年前から続いていることだといいます。
急成長を遂げているように見えるインドでも、実際には経済的な理由がそこにあるのでしょうか。
何を以って、男ならハッピーで女なら不幸だとされるのか。また女の子だとわかって中絶を決心する母親の想いを聞いてみたい。

<文責/泉 あい>

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2006年1月 9日 (月)

鳥インフルエンザ

私の中では、鳥インフルエンザは突然現れたという印象があります。
過去にチャボやインコの飼育経験のある私は、かなりの鳥好きで、初めて鳥インフルエンザに感染しているかどうかもわからない鳥達が処分される映像を見た時にはショックを受けました。
でも、ここ最近のニュースを見て、鳥がかわいそうと同情してられる状況ではないという気がしています。

トルコでは死者を含めて14人が感染(asahi.com)、インドネシアで17人(ロイター)そして日本では養鶏関係者約40人に感染の可能性が強まっていると報道されています。(東京新聞)

私が時々覗くペット屋さんでは、極端に鳥が減っていたり、取り扱いがなくなってしまったお店もあるのですが、インコや文鳥を飼うことが危険なのかどうなのかもわからない。鳥に触っただけでも危険なのか、近寄っただけでも危険なのかとか、また食べる時に気をつけることはないのかという疑問もあります。卵、鶏肉、カモ肉、ハトetc..みんな同じように考えていいの?産地は?安全な調理の仕方ってあるの?

動物衛生研究所のHPには、

鳥インフルエンザが発生した場合には、発生農場を中心とした半径5〜30Kmの区域にある農場の生産物は、ウイルス検査陰性でないと出荷できなくなりますから、原則として市場に出回ることはありません。ウイルスは適切な加熱により死滅しますので、もし心配な場合は加熱調理してください。

とありますが、本当に出荷していないのかをどこがどうやって検査しているのか気になります。

感染しても発症しなかったり症状が軽い型もあるようだし、じゃあいつ自分が鳥インフルエンザに感染していると判断できるの?と思ってしまいます。

日本をはじめとする各国の状況や対処に関する情報を集めてみたいです。

<文責/泉 あい>

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2006年1月 7日 (土)

孤独な老人の心

1月7日朝、目覚めて地元山口県の下関駅が全焼というニュースを見て愕然としました。
下関駅には一度くらいしか行ったことはありませんが、建物は古くてちっともかっこ良くなんかないけど、ふぐのモティーフがあちこちにあるあったかい駅舎だったと記憶しています。
天井が高くてどこからか光が差している下関駅の光景を思い出している時、容疑者逮捕のニュースが飛び込んできました。
「空腹でむしゃくしゃし、うっぷんを晴らすためにやった」
と供述したという。

どうしてそこまでうっぷんを溜め込んでしまったのでしょう。
74歳で住所不定無職という容疑者にとって何が問題だったのか気になります。
環境、孤独、高齢

中でも高齢は、生きている限り誰もが経験することで、他人事ではありません。
もう一つ個人的なことですが、ひとり暮らしをしている私にとって、ひとりでどうやって年を重ねていくかは、今からの課題です。
年金だけでは生活できないので働きたいけど、お金を稼げるだけの体力はない。体は思うように動かないけど、ひとりでいるから生活のことは自分でやらなきゃいけない。ヘルパーさんが来てくれるけど気を使うし。そして、さみしい・・・。そんなことを想像してしまいます。

年をとっていく不安と孤独感の両方を抱えた高齢者の心と、彼らを取り囲む人々や問題点について取材をしてみたいです。

<文責/泉 あい>

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カテゴリー『取材してみたい事』について

取材したいのに経済的な問題で、今は取材できない状況です。
そんな中で、毎日エントリーをUPしようと書いてはみるものの、納得いくものが書けず、なかなか更新できません。どうやら私は、人に会って取材をしないと文章が書けないようです。

日々のニュースに注目してみると、疑問に思うことがたくさんあり、「早く取材を再開したいなぁ」と積もるのはため息ばかりです。ニュースについて思うことはたくさんあるものの、それについていざ書きはじめても、データや資料を探し出すことに時間がかかるばかりで、結局中途半端。明確な記事が書けないのなら、UPしない方がいいやと結局更新できずに日々苛立ちばかりが募っていました。

ちゃんとしたものを書くためには取材が必要だけど、今は取材ができない。
それで、「こんなことを取材したい」と思うものを『取材してみたい事』というカテゴリーにメモとして書き溜めていこうと思います。
ここに書くことは私のメモですが、将来取材をする時のためにも、私の疑問、視点に対する皆さんのご意見をお寄せいただけるとうれしいです。

<文責/泉 あい>

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