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2006年3月18日 (土)

元気になりました〜反省など素直な気持ち

いろいろとご心配をおかけしていますが、少しずつ日常生活へ戻りつつあります。応援のお言葉をくださった方々、手を差し伸べてくださった方々、今私がここにいるのは皆さんのお陰だと言っても大袈裟ではありません。ありがとうございます。

今、迷いながらこのエントリーを書いています。
またどうせいろんなことを言われちゃうんだろうけど、私自身の中にやましい部分はないので、あまり気にならなくなってきました。

「松永さんを取材すべき」というコメントも拝見しておりますが、オウムについて取材するにはまだまだ力不足ですし、個人の過去についての興味は全くありません。何より取材するだけの環境も今はないということを何度も言っています。

松永さんと出会った経緯についての説明が遅かったのではないかというご意見を多数いただいて、あの時を振り返ると、格闘していた自分しか思い出せません。
しかし、「オウムとは無関係です」というエントリーで私がはっきりと説明をしなかったために、実害を被る人まで出てしまい、この数日間とても悩みました。もう一度足りない部分を補足するべきだと思いますので、今更と言われるかもしれませんが、改めてご説明します。

松永さんはとても知識が豊富な方で、民主党の懇談会の後、私は報道サイトのシステムのことで知恵をお借りし、umeさんを紹介しました。(報道サイト立ち上げについては、もちろんこのお2人以外の方からも多数ご意見をいただいていますし、umeさんもいろいろな方へご紹介しています)
そして今回、雑誌『FLASH』に記事を書かれた野田さんから届いた取材申し込みのメールにより、初めて松永さんの過去の経歴について知り、その後松永さん本人から電話で事実を聞きかされました。その時私は、聞きづらいことではありましたが、民主党懇談会での責任がある思い、
「今はオウムとは関係ないのですか?」
と確認したところ、
「関係ありません」
と回答をいただいています。

これらの経緯からおわかりいただけるように、「オウムとは無関係です」のエントリーを書いている時、既に松永さんが元オウム信者であるということを私は知っていました。
でも、ジャーナリストを目指す立場として、取材ではなく、個人的なやり取りで得た情報を公の場に書いてはならないと考え、書いたエントリーが曖昧だと批判される表現になってしまいました。
今反省するのは、松永さんへ「事が事なので全てをエントリーに書いてもいいですか」と許諾を得なかったことです。松永さんにお世話になっていることや信頼していることで、必要以上に頑なになってしまい、「これ以上書く必要はない」と判断してしまったのは、私の弱さでありずるさだと深く反省しています。

その結果、多くの方へご迷惑をかけてしまうことになってしまい、umeさんに至っては職を失うという最悪の事態を招いてしまいました。これからumeさんの名誉回復のために、私は惜しみなく努力をするつもりです。
取材活動をする上で協力を得た場合、私があらぬ疑いをかけられるとプライベートなつながりで協力してくださっている方へも、同じように疑いをかけられ、多大な迷惑がかかることがあると今回学びました。
だからこのままこのサーバーで取材活動を続けることは、私の方からお断りすることにします。今後は、今の状況を全て理解した上で私を受け入れてくださる企業さんの元で活動することを検討しています。うれしいことに、この状況の中でも複数の方から声をかけていただいております。

私のスタンスで変わらないのは、個人的なやり取りで知り得た情報を無断で公表することはしないということ。取材の場合でも、取材対象者の個人情報については、どこまでを公表していいかを厳密に打ち合わせをします。
今回一連の騒動の中で、私とのメールや電話のやり取りについて、何人かの方が書かれていますが、事前に「書きます」というお断りをいただいておらず、私は当然書かれるということは想定していません。公の場に個人的なやり取りを突然公表されたことに疑問を抱いております。
mixiの登録者数やブログを書く人が増える中で、この様な問題はもっと神経質になってもいいのではないかと私自身は考えています。

松永さんとの関係ですが、本音を話しますね。
これまで松永さんは懇意にしてくださっていて、大変お世話になっています。一方、オウムとは全く接点のなかった私の中のイメージは、サリンや熱いお風呂に入ることを強制していたという報道や、狭い場所で何人もの信者が修行をしている姿であったり、個人の資産を吸い取られるというもので、教団自体は「こわい」ものでしかありません。松永さんはいい人だと思うけれども、私にとってはテレビの中のものが突然リアルに目の前に現れたわけで、気持ちがかなり混乱しました。
今回の騒ぎを見ても、未だにオウムは終わっていないと感じ、それだけに松永さんの苦悩も計り知れないものがあるとも思います。松永さんというリアルを知っているだけに、その苦悩を頭では理解できるのですが、同時にオウムという真っ黒い闇のようなものも重なってしまうのです。
松永さんと今まで通りにお付き合いをさせていただきたいと考えながら、今もまだ混乱しているというのが正直な今の気持ちです。

それから、今回私のプライベートなことについて詮索されたり、口を出されたことをとても不愉快に思っています。
菊池直子説を唱えた方を訴えるべきだというお電話やメールを多数いただいており、流石に指名手配犯に仕立て上げられたわけですから、経過を見ながら今後どうするかを検討しています。
また、OL時代にアブノーマルサイトを運営していたことは、過去のプライベートなことで取材活動とは全く関係のないことだと考えています。そのサイトを運営していたことを恥じてはいないので、一部のジャーナリストの知り合いには話していますし、エントリー内で自分の性癖については触れています。
今後もタブー視されやすい性的なテーマ、例えば障害者の性や高齢者の性について、また、以前取り上げたテーマ「性癖を矯正すれば犯罪は減るの?」のような性犯罪についても、いつか取材したいとずっと考えています。
ですから、現在運営していない過去のサイトを誹謗中傷目的で持ち出すようなことは今後一切しないでください。また、菊池直子説と同様、OL時代に運営していたサイトとオウムを結びつけるのは事実無根であり、非常に不愉快ですのでそのような中傷をする書き込みも止めてください。

いろいろと辛い想いもしましたが、人間のいろいろな面を見ることになり、ますます『人』に興味を持ちました。悩ましいことや解決しなければならない問題も残っていますが、ちょっと踏ん張ってみます。
(『絶対』という言葉を信用していない私ですが)今回皆さんからいただいたコメントやトラックバックなどは、私にとってはひとつひとつがどれも重いもので、絶対に忘れることはありません。

<文責/泉 あい>

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