社会見学
数日前、近所のホームセンターへ買い物に行き、探し物の置き場所を尋ねようと店員さんを呼び止めました。
「ちょっと待ってください」
とだけ言った頬の紅い店員さんは、他の店員を捜し求めて、くるりと向きを変え消えて行く。
友人と私は、
「今の店員?子どもじゃん」
と、不安になりながら目を合わせていると、その横をまた別の店員がふにゃふにゃとハタキを振り回して通り過ぎよていく。さっき私達が声をかけた店員同様、どう見ても中学生くらいにしか見えません。
買いたい商品の売り場へ行くと、その少年のような店員はいなくなり、どこのホームセンターにもいるエプロンのよく似合うおじさん店員が応対してくれて、スムーズに買い物を終えることができました。
ヤレヤレと店の外へ一歩出た時、友人が、
「ねぇ、これ見て見て」
と私を呼び寄せ看板を指差します。
その看板には、今日は地元の中学の生徒が職業研修に来ているとの説明がありました。
「どーりで!」
と私たちふたりは、ニコニコしながら店を後にしました。
いつもは客として訪れているホームセンターで、今日は自分が店員として客に接する研修だったわけですね。いつもは親切にニコニコ接してくれる店員も、今日だけは上司です。
私もそんな体験を中学時代にしていたら、今頃どうなっていただろうとふと考えました。
「大きくなったらスチュワーデスさんになりたい!」と思えなかったのは、旅行をあまりしたことがなかったから。客室乗務員に会う機会が皆無だったために、夢みる機会を逃したかもしれないと残念に思います。
他の職業もそう。若い頃に、その世界を少しでも垣間見ることができれば、将来は大きく変わっていたかもしれません。
私が中学生の頃の社会見学と言えば、観光地を回ってみるのが関の山で、何かの職業を実際に体験してみるなんて、当時は考えてたこともありませんでした。実地研修を行っている今の中学やホームセンターを素敵だと思うし、中学生をうらやましいと思います。
こういう研修がどんどん増えればいいのに・・・と思うのは、自分が大人になっているからで、当事者である中学生は、めんどくさい以外のナニモノのでもないのかもしれませんね。
高校生の頃、自分の将来をリアルに考えた時、いろんな大人の言葉を聞きました。でも、どんなアドバイスよりも実際に体験してみたことが、今の私の中で息づいている気がします。
若い時の経験や失敗は、どんな偉い人の言葉にも勝るもの。
若者よ、こわがらないで、どんどん踏み出しておくれ。
私もまだまだ踏み出せるしぃ♪
<文責/泉 あい>
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コメント
おー、久方ぶりの取材記。お待ちしておりました。ご無事で何より。
/たぶん同じ気持ちだと思いますよ、みんな
投稿: 「ゆ」の字 | 2006年2月 5日 (日) 05時52分
初めまして。
私には、高2と、中2の
息子がいます。
二人とも職場体験というのを
経験しましたが、
確かに、親が期待するほど、
何かを学んだということはなかった、
という印象。
それは、親の意識というか、
子への接し方のせいで、感じとれないのかも。
本人たちは、
小さくても、確実な何かを
つかんでるのかもしれませんから。
投稿: クンタキンヤ | 2006年2月 5日 (日) 08時31分
はじめまして。30歳の独身男です。 もちろん、初めてコメントさせていただきます。 全く同感です。職場経験をすることによって、自分の適性を知ると言うことも出来るし、また、自分の可能性が広がると言う意味でも、是非中学生や高校生にこういう機会をドンドン与えるべきです。 しかも、働くということを知ることによって、親の大変さを知ることにもなるでしょう。そして、親を感謝するってことを知ることが、多少でもできると思います。その為にも私たちは、そういった環境づくりをしていってあげるべきですね。
投稿: ゆた | 2006年2月 5日 (日) 19時04分
「ゆ」の字さん
無事ですょー。
投稿: ぁぃ | 2006年2月 5日 (日) 23時14分
クンタキンヤさん
いずれにしても、職業体験って無駄ではないと思うんですよ。
地域の中に受け入れてくれる企業が増えてくるといいですよね。
投稿: ぁぃ | 2006年2月 5日 (日) 23時17分
おかえりなさいませーv
また、泉さんの新着記事が読めるなんて
幸せです♪
職場体験と言えば、一昨年だかに、小鳥屋さんに行った時、近所の中学生が体験学習中なのか、ジャージ姿で
店内を掃除しまくってました(笑)
でも、コンビニぐらいの狭い店内に10人以上は
ちょっと窮屈では。。と思いましたよ。(^^;
体験してみないと中々想像出来ない分野もあるので、
中学生も雇う側も大変だろうケド良い学習方法
だと思います。
投稿: nosuma | 2006年2月 5日 (日) 23時17分
ゆたさん
本当ですね。
子どもたちは、私達みんなの宝もの。
学校任せ、親任せではなく、社会全体の問題として考えていかなくてはいけないと思います。
投稿: ぁぃ | 2006年2月 6日 (月) 00時10分
nosumaさん
受け入れる側にもメリットってあると思うんですけど、どうでしょう。
投稿: ぁぃ | 2006年2月 6日 (月) 00時18分
経験というのは、本当に何にも勝る宝ですよね。
私自身も、体験や経験から小さい頃になりたかった職業とはまったく別の職業につきましたし。。。
実際に社会に出て、子供達が経験する『お仕事』。
その時すぐに、感謝や努力なんて気づきはなくても、近い将来の何かのきっかけにはなると思いますね。
そして、私たち大人は、その芽を摘まない努力をしないといけないと思います。
投稿: なえ | 2006年2月 6日 (月) 10時24分
なえさん
良いこと言うなぁ。
>そして、私たち大人は、その芽を摘まない努力をしないといけないと思います。
これって意外と難しいと思うんですょ。
特別な存在の子どもであったりすると、かわいさでいろいろなことが見えなくなることもあり、そのつもりがなくても結果的に芽を摘んでしまうこともあるかもしれませんよね。
そういう意味では、子どもって本来皆で協力し合って育てていくものなのだろうと思います。
貴重なご意見ありがとうございます。
投稿: ぁぃ | 2006年2月 6日 (月) 12時03分
>受け入れる側にもメリットってあると思うんですけど、どうでしょう。
ん?ああ、そうか…(^^;
わたしは子育てとかの経験が無いため、”育てる”と言う
感覚での視点があまり無いのかも知れませんネ。(汗
ただ、現場の本音として、例えばパートさんなんかの間で、
夏休みや冬休みに、臨時で高校生バイトさんなどが、
ぶわーーと入って来たときに、カワイイなー、助かるなー
と思う反面、足引っ張らないでよ。。と、言う本音の部分を
横で見聞き垣間見てた所為もあるかも知れません。
これは、大人、子ども間だけでなく大人と大人でも起きる
問題でもあると思うのですが。(正社員と派遣など)
なんにしても小さな派閥意識だけでもみ合うだけでなく、育てる、分かち合う視点が職場に付けば
良くなりそうかなー(^^;
投稿: nosuma | 2006年2月 7日 (火) 01時07分