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2006年1月10日 (火)

産み分けで中絶

こんなニュースがあります。

女の胎児、年間50万人犠牲か=産み分けで中絶−インド 

インドでは伝統的に男の子を欲しがる風潮のため、超音波による出生前診断が産み分けに利用され、推定で年間約50万人の女の胎児が中絶の犠牲になっていると、カナダ・トロント大などの研究チームが9日、英医学誌ランセットの電子版に発表した。超音波診断が普及した20年前からの累計では、犠牲者は1000万人に上るという。 
(時事通信) - 1月9日15時0分更新

インドの出来事を私はとても身近に感じています。
と言うのも、私は丙午の生まれです。60年に1度、「男を食い殺す」という星の下に生まれ、子どもの頃からことあるごとに、
「あ〜」
と、回りの大人たちにちょっとだけ斜めに見られながら育ちました。
人数が極端に少ないので、
「受験の時は得ね」
とも言われていましたが、結局定員は例年よりかなり減らされたし、お嫁に来てからは、舅が酔っ払うとどれだけ悪態をつかれたことか。
丙午に生まれたというだけでマイナスなことって意外と多かったと振り返ります。

中でもショックだったのは、他人に、
「丙午ってわかっていたら普通産まないよね」
と面と向かって言われたこと。その日帰宅してすぐ母親にそのことを話すと、
「だってハネムーンベイビーだったんだも〜ん♪
長崎の・・・あの夜に・・・あなたは長崎できた子なのよ」
と能天気だけれども衝撃的な告白をされ、立ちすくんだ記憶があります。

今生きている私も産んでくれた母に感謝をしていますが、長男の嫁だった母は、親族の中に丙午の赤ちゃんを産むことを反対する人がいたかもしれないと想像し、もしかすると誰よりも感謝しているのは、産むことができた母なのかもしれないと思っています。(それなのに親不孝でごめんなさい)

日本では、60年に1度のことなので、その年に子どもをつくることを避ければ済みます。しかし、インドでは20年前から続いていることだといいます。
急成長を遂げているように見えるインドでも、実際には経済的な理由がそこにあるのでしょうか。
何を以って、男ならハッピーで女なら不幸だとされるのか。また女の子だとわかって中絶を決心する母親の想いを聞いてみたい。

<文責/泉 あい>

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コメント

インドでは結婚のとき女性が持参金を持っていく風習だそうで、持参金目当ての結婚で結婚相手に殺される悲惨な事件もあるそうです。そんなことも女の子を産みたくない原因かもしれません。

投稿: ヘリオトロープの小部屋 | 2006年1月11日 (水) 00時27分

ヘリオトロープの小部屋さん
殺人事件が起きているなんてかなり深刻な社会問題ですね。
産み分けからいろいろなことが見えてきそうな予感がします。
情報ありがとうございます。

投稿: ぁぃ | 2006年1月11日 (水) 10時30分

こんにちはvお正月セット引っこみそこねたので、いっそ
旧正月までそのままにしておこうかなんて思ったりしてます。(^^;(鏡餅が、かわいいから。)

インドの問題もそうですが、女性差別に纏わる事項は、
それこそ生老病死に渡って満遍なくありますので、
それだけ一生分ありますが、私が今、個人的に気になって
いるのは

、日本における治験での女性身体の取り扱い
問題です。治験はあまり、大々的に広告が出ていない
ため、目に付きにくいですが、ここ数年ほど、治験の斡旋をしている業者のメルマガを見ていました。
その中での募集は圧倒的に男性に限られていて、
たまに女性の募集があっても、更年期障害関係の薬や
乳がんのクスリなど(露骨ですね。。(~~;)、
ほんとに限られたものばかりでした。

前にどこかの記事での取材で、ごく稀な薬の中には、男性には薬でも女性には毒になるものがあったそうで、
しかし、医療の現場では今もって、治験=男性体
が基本のままに見えます。
女性は小さな男性体としてしか取り扱われず、
このカテゴリー事態、乱暴なところがありますよね。
体が小さな男性もいますし、大柄な女性だっている、
まあ、その辺の相対的なところはともかく、毒になるかも
知れない薬なんて恐ろしい話です。(薬は毒で、毒は薬ですけど(^^;)現在の治験制度そのものにも、問題はありますが、
ここまで露骨に排斥されてたら流石に危機感、
感じざるをえない状況では、、と思います。
ちなみに募集の項目には、何故男性のみ(女性のみ)
なのかは一切書かれていませんよ〜。

投稿: nosuma | 2006年1月16日 (月) 19時15分

nosuma さん
治療試験の斡旋ですか・・・知りませんでした。
単純に乳がんの検査で傷つく言動は普通にありますけどね。
医療の現場って、知らない問題がまだまだあるのでしょうか。

投稿: ぁぃ | 2006年1月17日 (火) 02時10分

そうなんですよねー、医療のことなんか、もしカルテ覗けても一般人には判らないし。(何故ドイツ語?)
私も、3食昼寝付きで高時給?なんて、謳い文句が
なかったら、何だろう?って思わなかったかも知れないですし(苦笑。)

乳がんの検診ではマンモグラフィー?(名前合ってましたっけ(^^;)が一般的と聞きましたが、なにやらマンモスの足と
プレス器かけたみたいなので胸の辺りをギュウ~ギュウ~っと
押しつぶされる勢いで挟まれるそうですね。私は受けたことが無いのですが、胸の大きさに関係無く、かなり痛いらしいと聞きました。
年に一回、乳がん検診を薦めるために、yahoo!とか
ピンク色に染まる日がありますが(何故にピンク?何故に
リボン?(^^;)
東京タワーをピンクに点灯(去年やりましたよね?)
する暇があったら、もっとマシな検査機械を開発しろよ~!
って思いませんか?
きっと関東圏の女子高生たちもアレ見て砂吐いてそう。。
(大人になったらきっとピンクで脅迫?される?なんて。)

あと、インドの産み分けのデータなんですが、
ちょっと古い文献ですが、こんなのがあります。

タイトル:試験官の中の女
出版:共同通信社

確かこの本にその辺のレポートがちょっと
収録あったと聞きました。
私もこの本欲しいのですが(^^;(オイ)
まだ、新書も中古本も手に入りそうなので、買ってみようかと思っています。

ではまたv

投稿: nosuma | 2006年1月17日 (火) 23時03分

女児が1000万人中絶ということは逆に言えば男児が1000万余るということです。
中絶以外の間引きも含めるともっと多くなります。
彼らが適齢期を迎え嫁不足が顕在化するのはこれからです。一説では2020年に15歳〜35際までの青年3000万人が花嫁をみつけられないそうです。

投稿: | 2006年2月25日 (土) 20時54分

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