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2005年10月 3日 (月)

インタビュー全文掲載します

選挙が終わってから、インタビューを掲載できていないことを読者の方には申し訳なく思っています。
そして、またお詫びしなければなりません。

今、記者クラブの追取材として、ねつ造ヤラセの再発防止策を各主要メディアがどのように取り組んでいるのか質問状を送り回答をいただきました。その回答を現場はどう見ているのかを知るために、現場で仕事をしている人たちへ取材交渉を行っています。
今回、あるテレビ関係者の方が「実名を書いてもいいですよ」ということでインタビューをすることができました。
しかし、インタビュー内容をエントリーする段階になって、お互いに意思の疎通が不十分であったとわかり、不本意ながらエントリーを断念する結果となりました。
読者の方に、テレビ業界で働く人の内情を理解していただける証言をいただけたと、私自身喜んでいただけにお蔵入りするのは惜しいですが、ご理解ください。
今後このようなことがないように、ここで「Grip Blog」の記事をどのような形で書いていくのかを変更内容と共に宣言しておきたいと思います。

以前はインタビューを全文で掲載していましたがとても長い文章であることもあり、私の主観で主要な部分を元に記事を書く今の形に変更しました。
その後、メールやチャットなどから、全文を読んでくださっている読者の方が、意外に多いことを知りました。
インタビューの全文を読むことで、読者ひとりひとりがインタビューを解釈し、自分の意見を持つことができること。
インタビューを文章で残すことでアーカイブとして利用できること。
だから、インタビュー全文を掲載することには大きな意味があると、読者の方たちから強いご要望をいただいております。

既存メディアは、読者が理解しやすく読んでもらえる記事はどういうものなのかを長い間検討し、要約するという形を取ったのだと考えています。
しかし一方では、既存メディアが自分の都合の良い部分だけを切り取ってつなぎ合わせることに不信感を持つ人も多いと認識しています。
そこで、今後はインタビューを元に私の主観で書いた記事に加えて、資料としてインタビューの全文を掲載していくことにします。
インタビューは長い文章になると思いますが、私が汲み取れなかった取材対象者の微妙な心理を、読者の方が読み取っていただけるということもあるかもしれません。
ぜひ読んでください。

今日からまた心を新たに取材交渉を行って参ります。
ただ、今取材しているテーマ「ねつ造・ヤラセ」は、報道関係者にとってとてもナイーブな問題で、私からの取材を受けることで、今後のお仕事や人間関係に差し支えるようなことがあってはならないと考えています。
取材対象者への配慮から、取材記をエントリーするまでに時間がかかることがありますが、全力で取材交渉・取材活動を行っておりますので、ご理解ください。
読者の方へ一日も早く情報をお届けできるよう努力しますので、よろしくお願いします。

<文責/泉 あい>

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コメント

 インタビューの全文を読むことができることは、すごく興味深いです。
 インタビューの会話の中に、ストーリーというか、流れがあるし、そこまで解釈できることは、新聞などではなかなかできないように思います。

 記事をたのしみに待っている一読者として、応援しています。

投稿: chiharu | 2005年10月 3日 (月) 15時11分

ひとつだけ・・
国民投票法案の件の時、しまうまさんも仰ってましたが
扱うフィールドが広がることで
意識が離散して焦ってしまう可能性は確かにあると思う・・。
(このセリフ、きっかけをつくってしまった私が言うのはすごく抵抗あるんですが・・)

だから焦ることなく、マイペースに1コ1コ納得いくよう仕上げてくれたらとても嬉しいです。
いい記事が読めたら、それはとても嬉しいことだし
それによって、例えしばらく離れてても読みにこようと思ってしまうわけですから。。
今回のエントリの内容
他の人はどうかわからないけど
私にとっては、あいさんの方向もバランスも判断も、むしろ好印象でした。

あいさんの納得のいくもの、ぜひ読ませてください。わたしはそれが一番楽しみです。

投稿: ぼこ。 | 2005年10月 3日 (月) 19時23分

chiharuさん
ブログには、スペースでの制限はありませんから、文章の量は気にせず掲載することができます
ただインタビュー全文を掲載することは、決して良いことばかりではないと考えているんですょ
いつも難しいと悩んでいるのは、その場にいないとわからない雰囲気をどう表現するということ
もちろん、口から直接出た言葉をそのまま載せたのではわかりにくいので、順番をひっくり返したり、接続詞を付け加えたりということはします
だけど、微妙なニュアンスってあるんですよね
話してくれている人の表情や目線、手の動き
それを全て含んた上で、この言葉になるという時がある
それがきちんと表現できなければ、読者の方が勘違いして受け取ってしまうのではないかと、正直私自身ものすごくこわくなります
でも、インタビュー全文掲載を要望してくださる方が多いので、やはり掲載する意味があると思い、最大限表現に注意を払い、掲載しようと思います

投稿: ぁぃ | 2005年10月 4日 (火) 01時47分

ぼこ。さん
正直焦っていますし、空回りしているのも自覚しています
ここで取材記をエントリーできないのは、何もやってないのと同じことです
私ができることは、情報を取って来ることですから

>私にとっては、あいさんの方向もバランスも判断も、むしろ好印象でした。
自分を見失う時があります
それが何よりこわい
我を通すこと(主観)も大切で、だけどいつも客観的な目線を持っていないといけない
私の納得のいくものって何だろうと考えた時に、主観と客観のバランスが保たれたものがそうなのかなと改めて気づきました
焦らず、今やるべきことをひとつずつやって行こうと思います
ありがとうございます

投稿: ぁぃ | 2005年10月 4日 (火) 02時38分

あいさん

そうだったのかぁ・・・私も毎日焦っては空回りしてます・・・辛いっすよね、そういう時・・・

前述の通り、他の誰がどう思おうと、わたしはのんびり待ちますから。 
(そ、そんな読者も1人くらいはいるっていうことで・・・。)

あ〜・・どうも字足らずでスミマセン・・・。
ではではまたきます!

投稿: ぼこ。 | 2005年10月 4日 (火) 20時38分

あまりエントリーと関係ないような気もしますが
http://www.soumu.go.jp/daijin_column/column_050915.html" rel="nofollow">http://www.soumu.go.jp/daijin_column/column_050915.html
参考までにどうぞ。

投稿: 某S | 2005年10月 6日 (木) 19時40分

  泉さん、ご無沙汰しています。全文掲載と要約掲載、どちらも特性があり、どちらがいいというものでもないように思います。全文掲載で、語尾まで細かく字にしたほうがニュアンスよくわかることもあるし、順番を入れ替え、表現を補足したほうが、本人の言い分に沿った内容になることもありますよね。インタビューされたほうが、実際にはここまで言ったけれども、カットして欲しいと要望することもあります。というか、やりとりしている時に「ここはオフレコにしてく欲しい」と条件をつけることがあるのだけれど、この条件、なかなか難しくて、インタビューする側が同意しないまま、話が進んでいったりすることもあります。後でもめる理由にもなる。今回のテレビの人は残念でしたね。でも、取材先との信頼関係は大事ですから、実名全文掲載で折り合わなければ、一時撤退することも必要でしょう。それでも、泉さんの頭の中にはその蓄積があるのだから、必ずや今後の取材にプラスになると確信します。

投稿: 上昇気流なごや | 2005年10月 8日 (土) 21時58分

はじめまして。
インタビューの内容の取捨選択を行うと、一番問題になるのが、インタビュアーの主観がでてくることですかね。その辺のところで、思い出すのが、筒井康隆の断筆宣言です。めちゃ好きだった作家が、マスコミに自分の意見をゆがめられて伝えられ、それでも取材は殺到し、結果断筆したということ、思い出すだに腹立たしいです。作家的に一番脂の乗った時期に断筆宣言せざるを得なかった本人が一番つらかったと思いますが。かなりブログの内容とずれてますね。ごめんなさい。

投稿: ゆっきー | 2005年10月 9日 (日) 22時51分

某Sさん
興味深く拝見しました

麻生さんは、日本の新聞はあまり読まないで見るようにしていて、テレビもあまり見ないということですが、CNNとBBCは見ると書いてありますね
CNNとBBCってそんなに信憑性があるもんなのですかね
日本のテレビや新聞とどこがどう違うのかもっと詳しく書いて欲しい

子供に見せたくないテレビ番組について書かれていますが、インターネットはどうお考えなのかしら??

投稿: ぁぃ | 2005年10月10日 (月) 23時45分

磯野さん

いつもお世話になります
確かに、インタビューしてエントリーにUPできなくても、私にとってはとてもプラスになります
でも更新できないと、私が一体何をしてるのか読者の方には伝わらないのです
かと言って、いちいち「できませんでした」と言うのも、読者の怒りを煽りはしませんか


インタビューを全文掲載についてですが、もちろん取材対象者と打ち合わせをして行います
福祉に関することの取材では、一般の方へ取材しましたが、ここまでシビアに言われることはありませんでした
やらせ・ねつ造問題を語ることが当事者にとってはそれだけナイーブな問題だと言えるのかもしれません

投稿: ぁぃ | 2005年10月11日 (火) 00時07分

ゆっきーさん
筒井さんは、差別に対する抗議を受けたための断筆宣言だと思っていましたが、そこにマスコミも絡んでいたのですか・・・
私も反省し、最大限の注意を払います

投稿: ぁぃ | 2005年10月11日 (火) 00時17分

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