« HELP! トラックバックの文字化け | トップページ | 選挙の取材への反省〜取材方針 »

2005年9月13日 (火)

記者クラブの表と裏 【取材記26-1/追取材】

コメントにも書きましたが、主要メディアのねつ造やヤラセに対する姿勢を知るために、具体的な再発防止策の取材をします。
今日、主要メディア各社へ電話で取材申し込みをし、質問状を送りました。
送ったメディアの一覧と質問状の概要は次の通りです。

<テレビ局>
・NHK
・日本テレビ
・TBS
・フジテレビ
・テレビ朝日

<新聞社>
・朝日新聞
・毎日新聞
・読売新聞

【目的】
朝日新聞のねつ造にはじまり、フジテレビのやらせ、選挙での誤報と大手メディアによる不祥事が続いています。メディアと言えども、それを動かしているのは人であり、間違いを起こすのは当然のこと。では、組織として具体的にどのように再発防止に努めているのか。主要メディアの回答を比較し、各社の姿勢を見る。

【質問】
ねつ造やヤラセに対する具体的な再発防止策を教えてください。
社員教育、社内規定・罰則、チェック機能、等々できるだけ具体的にご回答くださいませ。

回答状況については、コメントで随時報告します。回答内容は、比較しやすいように各社の回答をまとめて、ひとつのエントリーにUPするつもりです。

<文責/泉 あい>
GripForum - 記者クラブの表と裏スレッド

|

« HELP! トラックバックの文字化け | トップページ | 選挙の取材への反省〜取材方針 »

コメント

報道は、使い方によっては世の中を扇動する大きな力に繋がります。以前のプロ野球界で起こった1リーグ阻止の動きなんかはその良い例ではないでしょうか。
しかし、捏造によって間違った方向へ世論を動かすのは下手すると国家を傾けることにもなりかねないので、マスコミ関係者はそういうこともしっかりと自覚をして報道に関わるべきであると思います。

投稿: ショウ | 2005年9月13日 (火) 18時34分

 「ふと思う」のエントリーは長くなりすぎたので投稿を控えました。この取材はなかなか実のあるものにするのは難しいかもしれませんね…。

 「再発防止」とは言っても、そんなに架空記事だのねつ造だのってあっちこっちの新聞社でしょっちゅうやってるわけじゃありませんしね。少なくとも世間にばれちゃったのは。

 銀行員がお客さんのお金を横領したとして、「お金の横領は悪いこと」なのは分かりきっているのだから、改めて「やってはいけませんよ」なんて研修で念押ししないでしょう(たぶん…)。
 新聞記者にとって誤報やねつ造は誰でも分かるやってはいけないことだから、改めて「やるなよ」というのも何だか変な話です。

 やってしまった人は「魔が差してそれをやってしまうくらいに追い込まれていた」わけでしょう。彼を追い込んだ背景にも問題がたぶんあるわけですよね。

 記者教育は各社熱心にやっていることとは思いますが、「ねつ造記事の再発防止」と言われても、冷静に考えると「?」という気もしますね…。
 

投稿: しまうま | 2005年9月13日 (火) 19時20分

 毎日新聞・磯野です。ショウさんの書かれた「捏造によって間違った方向へ世論を動かす」という部分ですが、世論を動かそうとして捏造するケースはほとんどないように思うのです。ずっと昔の伊藤律独占架空会見記も、今回の偽造メモも、これらは記者としての「功名心」が原動力になっているように思えます。世論を動かそうという意図の下に捏造したのであれば、「国家を傾ける罪」というか、そういうものが適用されるのかなぁと、思ってみたり。プロ野球の1リーグ阻止のキャンペーンは「捏造」ではありませんよね。「煽動」とも違うように私は思います。紙面を借りて記者個人の考えが前面に出たということはあるかと思います。しまうまさんが書かれたことは、確か私も前に書いたことがあるのですが、そうだよなぁと思います。捏造も盗作もあってはならないことで、例えば記者研修で「あなた方は取材メモを捏造してはならない」とか、「他人の文章を盗作してはならない」とかは、どこかでいっぺんぐらいは言及するかもしれませんが、あまりに当たり前すぎて、研修にならない。銀行の新入行員研修で、横領の再発防止のために「汝盗むなかれ」と言うような研修をするのかどうか。取材メモのチェックとか、誰と誰が会ったと書くのだったら、必ずもう一方の相手に当たって裏を取る、といったことはあると思いますね。再発防止策として。

投稿: 上昇気流なごや | 2005年9月13日 (火) 23時24分

しまうまさんと磯野さんのコメントを見ていると、具体的な捏造再発防止策を社が講じる必要はない、又は出来ない、が答えにみえるのですが・・・

投稿: 亀 | 2005年9月13日 (火) 23時34分

もう一つ、お二人のコメントを読んであることを思い出しました。
個人情報保護法案の時に当時の福田官房長官が、公務員は悪いことをしないから罰則は不要だ、という趣旨の発言をしました。

捏造をしないことは、あたりまえのことだから再発防止策を具体的にすることはしない(又は、出来ない)、とよく似てませんか?

投稿: 亀 | 2005年9月13日 (火) 23時53分

 亀さんへ。そのような印象を持たれるとしたら、私にも責任があると思うのですが、これまで私が書いてきたことを読んでいただければ、防止策はない、何もすることはない、とは言っていないことはおわかりだと思います。私は社外秘の「取材記者入門」ハンドブックのことを持ち出してまで、ネット検索の落とし穴のことを書きました。正直、ここまで指導しなければならないのかと思うのですが、新人記者に「ネットで調べたことを移してはいけませんよ」と教育しなければならないほど、現場はおかしくなっている。対策は必要です。今回の朝日新聞のケースでも、「メモに登場する人物に対して、できる限り裏を取る」という防止策はあると思います。しかし、一線の記者から上がってくるメモをもとに、東京の政治部記者が原稿をまとめるという手法をやめたらいい、ということにはならない。外部からは、そういう意見はあるかもしれませんが。サンゴ事件や伊藤律架空会見記を教材に、こういうことはしてはならない、と新人記者教育をする、ということは必要でしょう。毎日新聞だって不祥事をいくつも起こしています。具体的な例を挙げて、こういうことは二度と起こしてはならないのだと教える。ただ、繰り返しになりますが、銀行員の新人研修で「お客さんのお金に手をつけてちゃいけませんよ」というような表現で教えるのだろうかと思うのです。こういう反論の仕方は私は好きではないのですが、では、亀さんは、どのような対策があるとお考えですか。外部から見ていると、こういうことが考えられる、というような。新聞社が事件を起こしたのだから、再発防止策を考えるのは新聞社の責任だろう、何を開き直っているんだ、と言われてしまうと、何とも言えなくなります。少し話を戻します。以前にも書きましたが、毎日新聞中部本社では、組織上、私のもとに、朝日新聞長野総局の数倍の記者がいます。今回のことが表面化した直後、私は一線の記者に「選挙報道は功名心や冒険心とは無縁である」という趣旨のメールを送り、デスク会や、社内の紙面審査会の場などで、繰り返しこの問題を取り上げ、言及しています。このようなことが私が所属する場所であってはならないと考えるからです。そういうことも、ささやかではあるが、対策の一つと考えます。福田長官発言のことは私は覚えていません。もしそのような発言をしたとして、そういう論調が通用するとは誰も思わないでしょう。
 もうひとつ。泉さんへ。質問項目を拝見しました。正直、このような質問に対しては、新聞もテレビも回答しにくいと思います。どう言ったらいいかな、うまく説明できないのですが、とても答えにくい。何をどこまで答えたらいいのか、戸惑ってしまうところがあります。その結果、質問用紙を送ったが、こことここは無回答だった、答えてきたところもこの程度のことしか書いていない、彼らは誠実に答えるべきなのに、まともに再発防止策に取り組んでいるとはとても思えないーーというような総括になってしまうことを少し心配しています。記者クラブ問題で私が約3時間にわたって泉さんのインタビューに答えたように、じっくり時間をかけた取材が行われるのがいいのですが・・

投稿: 上昇気流なごや | 2005年9月14日 (水) 01時04分

毎日新聞・磯野様へ。
私の言葉が足りずに不快な思いをさせてしまったことを深くお詫びいたします。私が何を言いたかったのかというと、プロ野球の1リーグの話の時に、オーナーの間でバファローズとブルーウェーブの合併を前提とした話がファンを無視して進み(ライブドアからの買収話があったにも拘らず)、まず1リーグありきで進んでしまったことに対しての各誌の記事が、ファンと選手会を一つにまとめ、結果ストに突入したという事実。しかし、張本人といわれたナベツネさんのインタビューとかコメントでは本当に彼が「諸悪の根源」であることを決定付けた記事ばかりが目立って、ことの本質は細かく書かれていなかったこと。これに疑問を抱いたことも事実なのです。
もちろん、報道の命は「スクープ」だと思うのですが、そのスクープを追う余り、本来報道しなければならないことが見落とされ、派手に見出しを飾ることの出来る「コトバ」が一人歩きしてしまっている事もあると思うのです。
私は、その点を伝えたかったということは分かっていただきたいと思います。
報道の仕事の大変さは、知人にも報道関係者がいますので分かっているつもりです。その上で、「真実のみ」の本来のスクープを期待しています。頑張ってください。

投稿: ショウ | 2005年9月14日 (水) 08時16分


 >亀さん
 ちょっと違うんじゃないですかねえ…。福田官房長官の話って、個人情報保護法の関係で、公務員が情報漏えいした場合の罰則は必要ないという趣旨の発言じゃなかったですか。

 「言われるまでもなく悪いと分かっていることを『悪いことだからやっちゃ駄目だよ』というのは改めて言わないかもしれない」というのと、「(公務員は)悪いことをするはずがないから罰則は作らない」ってちょっと違うでしょう。

 記者が記事をねつ造したら、間違いなく最低でも担当を外されるし、ヘタをすると記者職でいられなくなると思いますよ。もちろん、実害があったら免職になるかもしれない。
 別に社内規定に「記事をねつ造したものは○○とする」なんて明文があるわけではありませんけど、普通の会社だって、「社内で痴漢をしてはならない」なんてわざわざ書いてないでしょ。

 再発防止策についてですけど、「再発防止策ができない」と「再発防止はできない」はちょっと違うと思うです。
 で、再発防止はやっぱり「できない」ですよ。ちょっと突き放した答えですけど。だって、公務員の汚職だって、銀行員の横領だって、なくならないでしょ。再発防止策はいろんな会社でこれを契機に考え始めていると思いますね。

 磯野さんの書かれたことで、すとんと胸に落ちた言葉。記者が記事のねつ造をやる時は別に「世論を誘導しよう」なんて動機でなく、個人的な功名心やあせりから起きる、ということです。うまく書けませんけど、この辺に答えが隠れてるような気がしてきましたね。

投稿: しまうま | 2005年9月14日 (水) 10時40分

テレビ局のやらせと、新聞記者の捏造をひと括りにはできないと思うのですが。
どちらも私欲に端を発した暴走だけれども、テレビの場合は、業界全体に視聴率競争という暴走を後押ししてしまう風潮があるわけで。
……と書いて気がつきました。ショウさんのおっしゃるとおり、新聞社にもスクープ合戦があるとすれば同じか?!

>記者が記事をねつ造したら、間違いなく最低でも担当を外されるし、ヘタをすると記者職でいられなくなると思いますよ。もちろん、実害があったら免職になるかもしれない。

しまうまさんのご指摘は、悪事がばれた企業としては当然の足きりなわけで、だからといって銀行員の横領とはいっしょにできないでしょう。
銀行は横領されたら損するだけだもの。
公務員の汚職は……微妙ですね。

社員の暴走を(そうとは認めないながら)後押しする、民間とはいえ公共性の高い企業。
これってむしろ、オンブズマン制度ができるという生命保険会社の問題と似ていませんか? 参考にできるかどうかは無知で解りませんけれど、ちょっと思ったので。

投稿: 美也子 | 2005年9月14日 (水) 12時10分

 >美也子さん

 ? 横領は犯罪だから警察に捕まりますけど、記事のねつ造は犯罪…とまでは行きませんよね。警察は女性のスカートの中を盗撮した身内を書類送検にして諭旨免職(もちろん発表は匿名)にしましたけど、朝日新聞はねつ造した記者を実名公表して懲戒免職にしましたよ。

 今回の田中知事のコメントねつ造はスクープへの功名心じゃないと思います。記事はいわゆる読み物記事でしたから。じゃあ、何で無理したのか。そこらへんですよね。
 地方から本社へ記者を登用するシステムが問題なのか、あるいは問題があったとしてそれは朝日の体質なのか。新聞社ってそういうもんなのか。何をもって記者の仕事を評価するのか。

 ねつ造とはちょっと外れてしまうけど、よく問題になるマスコミの過熱取材とかメディアスクラムの問題って、根っ子の部分は今回の問題とも近いような気がしますね。

投稿: しまうま | 2005年9月14日 (水) 12時30分

>警察は女性のスカートの中を盗撮した身内を書類送検にして諭旨免職(もちろん発表は匿名)にしましたけど、朝日新聞はねつ造した記者を実名公表して懲戒免職にしましたよ。

朝日は犯罪とはいえないことに対しても厳しく望んだ、とおっしゃりたいのでしょうか?
世論や社会的信用から企業利益を考えて、最善の策をとったに過ぎないでしょう。
会社が不始末のお詫びの手土産として、下っ端サラリーマンを切るのは昔からあることだもの。民間企業と警察とを同じ土俵にあげるのは無理がありますよ。

>じゃあ、何で無理したのか。そこらへんですよね。

同感です。ただ、朝日の体質としてしまうのは危険だと思います。

>マスコミの過熱取材とかメディアスクラムの問題って、根っ子の部分は今回の問題とも近いような気がしますね。

これも同感です。業界全体の問題として考えてほしいし、「読者が求めているから」といった責任転嫁はやめていただきたいですね。
でも結局はモラルの問題となると、内部からの再発防止は難しいと私も思います。
外から何ができるか、ってことですよね。

私は正直言ってネットは諸刃の剣だと思うので(別エントリで自民党のブログ懇が、ブロガーの意図を越えた宣伝効果を持ったというご指摘があったように)、ネットで何か……ということにはあまり期待していないのですが……。

なので私はこの辺で口を閉じますね(笑)。

投稿: 美也子 | 2005年9月14日 (水) 12時54分

http://www.excite.co.jp/News/society/20050914140300/20050914E40.083.html" rel="nofollow">http://www.excite.co.jp/News/society/20050914140300/20050914E40.083.html
他にも買春したりして逮捕されたりと、お騒がせなブン屋さん多いですね。

投稿: 某S | 2005年9月14日 (水) 14時41分

 毎日新聞・磯野です。某Sさんへ。どのような意図でこのコメントを書き込まれたのかわからないのですが、新聞記者も人間ですから、世間を騒がせたり、事件の当事者になる(逮捕される)こともあり得ます。新聞記者は聖人君主じゃありませんから。日頃えらそーなことを書いているのだから、事件など起こすなよ、と言うことであれば、うーん、それもそうかなとは思いますが。
 話は変わりますが、捏造・ヤラセ防止も重要ですが、正直、これは100人記者がいて、1人出るか出ないか、いや、それよりも確率は低いでしょう。それよりも、今、私にとって頭の痛いことは、お詫び・訂正問題です。意図してやるものではないが、結果的に、商品価値が下がり、読者の信頼も低下する。現在、お詫び・訂正の撲滅運動を展開中です。社外秘もあるので、詳細にここでは書けませんが。
 話は戻りますが、今回の問題で、朝日新聞の信用はかなり失墜しました。大変なことです。当然、再発防止策は立てます。他社もそれを見ているから、うちでは絶対にないようにしようとする。何もしないということは有り得ないと思います。

投稿: 上昇気流なごや | 2005年9月14日 (水) 16時49分

磯野さま
こんにちわ。お考えのような、深い意味はないです。ここで真面目に議論している間にもノー天気な人が居るんだなと伝えたかっただけです。

あ、名古屋といえば、ナナちゃん。

投稿: 某S | 2005年9月14日 (水) 18時49分

磯野さんのコメント中でも触れられていましたが,取材手法と記事の表記方法についてのコメントです.

記事の最後に質問の<概要>が記されていますが,実際にはどのような質問の文面ならびにそれに関する情報を取材対象に送られたかを明示する方が良いのではないでしょうか.同じような質問でもその書き方がわずかに違うだけでその答えは大きく左右されます.
#常にそのようにする方が良いということではなく,以下に述べる理由により,
#今回のような微妙な表現の差が大きな意味を持つ場合には,ということです.

今回は短く要約したためにこのような文面になったのだと思いますが,もし,ここに書かれたものとさほど変わらない質問を投げかけられたのであれば,かつての失敗と同じ轍を踏みつつあるのではないかという危惧を覚えます.

「ねつ造」「ヤラセ」に対しては今回の取材対象は非常に神経を尖らせているはずです.また,たとえそのような話題でないとしても,個人でなく,組織が公式の回答を出すに当たっては非常に慎重に対応を行うというのは容易に想像ができます.それに対して投げかける質問としては,この記事にある質問(の概要)はあまりに雑であるように思われます.
#例えば,<捏造>と,<捏造と呼べないこともない言い換え,まとめ>
#の違いに関するコメントがあった直後に,このような十把一絡げの質問
#(の概要)があるのはどうかと思います.せっかくのコメントを生かして
#より突っ込んだ取材ができるのではないでしょうか.

もし,<このblogでの議論をずっと追ってきた人が>,<個人的に>,さらに<好意的に>回答を行ってくださるのであれば適切な答えが得られるかもしれません.しかし,現実には(他にもblogのURLなどの情報は入れてるにせよ)突然このような質問を投げかけても,適切な回答,そして将来にわたる前向きな議論に繋がるような回答を得られる可能性は低いと思います.
#かといって,このblogの議論をそのまま提示すれば良いとも思いません.
#中には感情的な反発を招きかねないコメントも含まれている以上,そのまま
#提示すればより強く反発を受ける可能性も高いと思います(これも読者が
#からんでくる,泉さんの手法がクリアすべき課題の一つかもしれません).

取材を受諾した対象(この,受諾した時点で少なくとも拒絶はされていない)へインタビューを行うのに比べ,取材の形式も,被取材者のスタンスも全く違うということは強く意識しておくべきだと思います.

---
(今回の概要(あるいは要約)のまとめ方に関連した余談)
他の記事を読んでいて思うのですが,泉さんは話の内容を短く,分かりやすく示す力は優れていると思います.しかし,それは両刃の剣で,分かりやすく,インパクトのある言葉への言い換えは,たとえば発言者の言葉の選び方や微妙な表現に込めたものを切り落としてしまっているかもしれません.多分,メディアの取材を受けた人の「間違ってはいないのだけれども,言いたかったことが表現されていない」(一般論です.念のため)といった感情も,こうしたことから来ていると思います.言葉を丁寧に読み解いて,数多く隠されたニュアンス,本当に述べたかったこと,を掬い上げる作業は常に必要かと思います.老婆心ながら.

投稿: hiro_s | 2005年9月14日 (水) 19時09分

ダンナの従姉妹がアン○リー○ボーに統計を取る為に出演しましたがヤラセがあったって言ってたよ。

投稿: miho | 2005年9月14日 (水) 19時43分

hiro_s さん

以前よりお世話になっているhiroさんでしょうか
最近、コメントをいただけないのでお元気なのかなぁって気になっていました

さて、コメントいただいた件ですが、質問状はエントリーに掲載したまんまです
あえて簡潔に書きました
その理由は、各社共1回の回答だけでなく、追取材をする覚悟をしての質問状だったんですよ

でも、hiro_Sさんに言われてはっとしました
私は、各社ともおそらく追取材が必要な回答を出してくるだろうと決め付けてたように思うんです
気づかせてくださってありがとうございます
進歩しなくて、本当に恥ずかしいです
久しぶりのhiroさんからのコメントがこんな言葉とは私にとっては不本意ですが、すごくありがたいです(できれば「その情報ありがたい」と言われたい)

いろいろな方と記者クラブについて語る時、
「誤解されやすいんですけど、私は記者クラブの批判をしようとしているわけではないんですよ
現状を知りたいんです・・・先入観なしで」
と言っているのに、今回は主要メディアに対する思い込みが私の中にあったと思います
反省します

今回はもう送ってしまって後の祭りなので、追取材で結果を出せるように必死でやります

ありがとうございました

投稿: ぁぃ | 2005年9月14日 (水) 20時34分

 周知の事実かもしれませんが…。今朝の朝日新聞、ねつ造事件の検証記事を載せてますね。結構読み応えある分量ですよ。興味のある方はご参考までに。

 ただ…素直に読むと「政治部にも大きな落ち度があるのに、現場の記者だけクビにした」と読めるんですけど、そのことについて省みていない。
 もうひとつ。紙面で説明すればOK、というのもちょっと。そこまで必要ないのかもしれませんけど、記事の発表のタイミングに合わせて報道各社を集めて、掲載してる資料の公表と会見をやってほしかった。

 むかし、ある問題である中央官庁を取材していて、何を聞いても「省のホームページに出ていますから」としか答えなかった官僚を思い出しました。「じゃあ、次にこの問題について会見するのはいつごろですか?」と聞いたら、「ホームページに出ますのでそれを待ってください」と言われました。
 この対応、傲慢とみるかどうかですが、ちなみにその官僚の大義名分は「私は記者クラブの報道機関と国民を差別しない主義です」と言ってました。その人はその問題でついに一回も取材に応じませんでした。

投稿: しまうま | 2005年9月15日 (木) 13時53分

朝日は、検証記事をサイトに載せないのかと思って朝刊を買っておいたら、しっかりサイトに載せてますね。少し見直しました。

投稿: 某S | 2005年9月15日 (木) 15時24分

あいさん、皆さんはじめまして。
フリー記者・ライターをしております、浅利圭一郎と申します。

少し前から、サイトは存じ上げておりましてちょくちょくお邪魔して拝見させて頂いておりましたが、書き込むのは初めてです。

朝日の捏造問題の検証記事が出ていましたが、解雇された記者の、事の何かをいまいち把握しきれていないようなトンチンカン具合や、例え本社側のチェック機能が働いていなかった問題があるにせよ、自分がまぎれもない発端であるのに、そうした組織の不備に不満を漏らしたようなことも言ってるらしく、それは君が言うことか、反省してるの?と問いたくなりますね。こんな感覚の持ち主であるわけで、首になったし、すっぱり他の仕事をした方が良いと思いますが・・・。

それはさておき、
自分は、今地方におり東京に戻らないと、あらゆる現場に赴いての積極的な取材活動には限界があるなぁとも思っているのですが、というわけで、このことに限らずあいさんの積極的な取材姿勢には脱帽し、また刺激を受けます。

というわけで、今後とも宜しくお願いします。

投稿: 浅利圭一郎 | 2005年9月15日 (木) 15時45分

 >浅利さん

 そうですか。僕は組織が違うとはいえ、似たような立場を経験したので、記事読みながら何となく状況が想像できましたね。
 ファクスやメール一本で次々に手配を振ってくる本社、それとは全然関係なく起こるローカルでの事故や出来事。いろんなことがめまぐるしく動いて、脊髄反射的に目の前のことを処理しているうちに、だんだん頭がぼんやりしてくるような感覚。ぼうっとして、自分の書いてる原稿から現実感が失われていく感じ、何となく分かるような。
 実際にはそんなことないんでしょうが、東京の政治部が言ってくるんだから裏の取れた話なんだろう、と思う気持ちも分かりますね。

 ただ、あれ読んでる限りは「功名心」ってのはハズレかなと。目の前の上司に成果を聞かれて、ついウソをついてしまったのがドミノ倒しみたいに大きな結果につながってしまった、ということでしょうか。

投稿: しまうま | 2005年9月15日 (木) 18時09分

今日の朝日朝刊の記事「検証 虚偽メモ問題ー信頼される報道のために」を読みました。広告抜きの正味三頁という、かつてない大規模な記事です。東京からの取材依頼メール・捏造されたN記者の返信メール・記事化された本紙が並べられてまるまる載ったのに加え、N記者への退社後の取材が一問一答で紹介されています。

かなり病は深いという気がしました。

N記者の動機(というか、結果こうなってしまった理由)は、端的に言って、嘘の上塗りだったようですね。軽い気持ちで発した一言を糊塗するために、雪だるま式に嘘が広がっていったという。。
前のエントリーにコメントした「個人的には、他の業種でも最近増えている、多忙ゆえの判断力低下→問題行動という流れ、というか上の世代と比べてストレス耐性が低いがゆえの『プッツン』という、最近の二十代三十代の特徴が出ただけなような気もちょっとするんですが。。」というのは結構当たっていたかもしれません。

それとともに、今回の記事で分かったのは、長野の上司(総局長・総局デスク)と東京の政治部与党キャップというまわりの人間の明らかな思考停止ぶりです。チェック機能がまったく働いていない。これはたがが外れているとしか言いようがないのではないでしょうか。

しかも、それらの経過は詳細に報告されていますが、ただ垂れ流されているといっても過言ではなく、「検証」の名に値するものではないと思います。

「ご意見・ご提言をお寄せください」としていますが、なんか、その言葉だけ丸投げされてもなぁという気分です。

#これは批判というのとはちょっと違いますが、泉さんの「ねつ造やヤラセに対する具体的な再発防止策を教えてください」という質問は、この期に及ぶとちょっとズレているような感じがしてきました。

投稿: katshi | 2005年9月15日 (木) 18時57分

しまうまさん
>東京の政治部が言ってくるんだから裏の取れた話なんだろう、と思う気持ちも分かりますね。
ここ、今回の問題での大きなポイントですね。

加えて決定的だったのは、東京の与党キャップから電話があった時に、二回が二回とも、上司が状況をきちんと把握してなかったってことですよね。一回目はその場で電話を切らずにN記者に話しかけ「はい」と伝え、二回目はN記者への確認・事後報告さえせずにその場で「了解」したという。。

投稿: katshi | 2005年9月15日 (木) 19時17分

どうでもいいことですが「病は深い」「嘘の上塗り」って滅茶苦茶な言葉ですね。
「病根は深い」と「嘘の連鎖」に訂正します。orz

「『検証』の名に値するものではない」の部分も、記事自体を全面否定したものではありません。現時点での「報告」としては良いが、「検証」としては浅く、またそのことへの自覚がなく物足りないという意味でご理解ください。

連続投稿、すいません。

投稿: katshi | 2005年9月15日 (木) 19時56分

この記事へのコメントは終了しました。

« HELP! トラックバックの文字化け | トップページ | 選挙の取材への反省〜取材方針 »