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2005年8月12日 (金)

利己主義な人たち

電車に乗ろうと駅へ行ったら、掲示板に表示されている次発の電車の発車時間があさっての時間になっていました。ホームに立っている人の数もいつもより多いと感じるし、『こりゃあ電車が遅れてるんだゎ』と気づきちょっと気分が滅入りました。
この暑さの中、電車が混むのは勘弁して欲しい。体温の高い人の隣りに押し込まれ体が密着したら、その部分だけブラウスに汗が滲んで『この汗は誰の汗だょ・・・』と悲しくなってしまいます。
電車が来て、乗換えに便利な一番後ろの車両に乗り込んだら、予想していたほどの混雑ではなく、ほっとしながら自分の居場所を探し、車掌さんのスペースとこちらを繋ぐドアの前に落ち着きました。
隣りに立っている若い男性が無駄に近づくので、何かあるのかと男性の向こう側を覗くと、若い女性がお化粧中。コンシーラー(シミやクマを隠すためのもの)を右手に鏡を左手に大奮闘しているので、これじゃ近づきたくないしょうと譲ってあげる優しいぁぃさん。

電車のスピードはゆっくりで、やっと次の駅に着いた時、駅手前の踏み切りで大勢の作業員が工事をしているのが見えました。停車中に車掌さんが、
「今日は事故のためにダイヤが大幅に乱れています。ご迷惑をかけて大変申し訳ありません。」
という説明して、『やっぱり事故なんだ』と納得。乗客の数は停車した駅で更に増えたけど、私の居場所は確保できているから目的地まではぼぉっとしていようとのんびり乗ることに。電車も相変わらず緩やかなスピードだけど、着実に目的地へと進んでいるので、安心して揺れに身を任せていた、その瞬間!
「あなた何やってるのよ!電車の中でそんなことするの止めなさい!」
年配の甲高い声に私ののほほんな時は終わりを告げました。声のする方を見ると、これまた若い女性がマスカラと鏡を握っています。結構な混雑なのに2人の女性が化粧をしまくっていて『こっちでも化粧してるのかよ。』とちょっとうんざり。

今日の主役は、化粧をしている若い女性ではなく、注意していたおばさんの方です。おばさんは、
「ちょっとそっちに用事があるので通してくれる?」
と人を掻き分け掻き分け私のそばまでやって来ました。『車掌さんに用事があるんだね』と場所を空けようとしますが、混雑した電車の中なので限界があります。それでもお構いなしにおばさんは、猪の様に私に突進したので、私の方は軽く飛ばされ隣の背の高いおじさんに激突しました。軽く頭を下げるとおじさんは『あんたも大変だね』と言わんばかりにクスクスと笑っています。
猪おばさんは車掌室のドアをノックし、
「駅に着いたらあっち側のドアを開けてちょうだいよ。バスに乗り換えなくちゃいけないの。時間がないのよ。」
と、『そんなに大声で言わなくても聞こえるよ!』という声で交渉をはじめました。『そんなことできるわけないじゃん。それはわがままでしょう。』と思っていると、車掌さんは、
「それはできません。」
と当たり前に言う。それでも猪おばさんは、
「どうしてよ。そっちが悪いんじゃないの。だから開けなさいよ。」
と叫ぶ。
「安全にお客様を下りていただかなくてはなりませんので、私ひとりで両側のドアを開けるということはできないんです。申し訳ありません。」
と頭を下げる車掌さん。私の隣りのおじさんは、相変わらず肩を震わせてクスクスと笑っているけど、トラブルが苦手な私は居た堪れないんです。この場所から移動できる隙間を探してくるくると回ってみましたが、逃げ場はなさそう。それを見ておじさんは上から私を見下ろしてまたクスクスと笑うんですよ。
「駅で車掌に話してみてくださいって言われたのよ。あなたの名前なに?」
と猪おばさんは鉄道会社に抗議するつもりのようですが、そもそも事故を起こしたのは鉄道会社だったのかしら?自殺ということだって考えられるし、鉄道会社の方も被害を受けてるのかもしれないのに・・・。

しばらくやり取りをした後で、反対側のドアは開けないと決着がつきました。やれやれとほっとするけど、私の居場所は猪おばさんのせいでなくなってしまい、やっぱり居心地が悪いままです。その時、
「ちょっと通してくださる?時間がないんです。すぐに乗り換えなくちゃいけないから、ドアの前に立ちたいの。」
と猪おばさんが言うので、『よかった、私の元から去ってくれるよ』と息をついた瞬間、
「俺だって急いでるんだよ。俺も仕事なんだよ。みんな一緒なんだよ。」
と30代後半ぐらいの男性が声を荒げました。『こわいよ、嫌だよ』と思っていると、止めときゃいいのに猪おばさんも反撃に出ます。
「だってそこに空きがあったから言ったのよ!」
すかさず男性は、
「うるせぇな!ごちゃごちゃ言ってんじゃねーよ!ボケっ!!!!!!」
し〜んとしている中で、私の隣りのおじさんがクスクス笑っているのが響いていました・・・。
電車が目的地に到着して、ギャラリー一同がホッとした様に電車を下りる中、猪おばさんだけが小走りでした。(遅いけど)

今日の事故の原因が鉄道会社にあったのかどうかはわかりません。でも、車掌の行動は正しかったと思います。
電車が遅れたせいで次に乗り換えるはずのバスに乗れなくなった猪おばさんの気持ちはわかりますが、言ってることはめちゃくちゃだと思います。
猪おばさんとやり合った男性は、うるさいとは思うけど「ボケ」まで言う必要はないと思うんです。これ程まで車掌に噛み付くなんて、きっと何か事情があるに違いないとも思うので、猪おばさんが入れるスペースがあったかどうかは別として、少しずつ譲り合って入れてあげれば良かったのに・・・。
みんなそれぞれに事情を抱えていて乗り合う電車で、それを言いはじめるとキリがない。非常事態になると人間の本質のようなものが出て、とても興味深くはあるけど、隣りのおじさんの様にクスクスとは笑ってはいられませんでした。
そうそう、忘れかけていたけど、電車の中で化粧する女!見苦しいです。私も寝坊した時は『やっちゃおうか』と思わないでもないけど、あれ程迷惑で見苦しいものはないと思います。

それにしても、電車っていろんな人が乗っていて観察するには持って来いです。

<文責/泉 あい>

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