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2005年8月 3日 (水)

記者クラブの表と裏 【取材記21回目/七社会からの回答2】

先週、再度取材の申し込みをした七社会からの回答が来ました。
今までの七社会に対する取材の経緯をまとめましたので、ご覧ください。

■経緯

2005/7/1 七社会に取材申し込みとして主要な内容をFAXで送信。

  • 私のようなフリ−の記者が記者クラブへ加盟させていただくまでに、どのような手続きが必要で、どのような過程があるのでしょうか

  • 新規加盟者への対応を記したガイドラインはあるのですか

  • 記者会見に出席したいという記者に対するガイドラインはあるのですか

  • 今回幹事社の方へご連絡を取ることは容易ではありませんでした。なぜ各新聞社は、七社会さんの窓口を教えられないという回答をなさるのでしょうか。一般の方へ七社会さんへの窓口をお知らせすることにどのような問題があるのか教えてください。

2005/7/20 七社会からの回答

泉さま

当会には個人での入会はできません。
入会を希望する報道機関には入会手続き等をお知らせします。

七社会

2005/7/25 送られてきたFAXの内容が答えになっていなかったので、質問を変更して再度取材申し込み

  • 七社会は何を目的としている団体ですか

  • 「個人での入会はできません」と回答をいただきましたが、それはなぜですか

  • 「入会を希望する報道機関には入会手続き等をお知らせします」とのことですが、実際にどのような手続きが必要なのですか

  • 入会できる機関の基準や、入会までの過程などを具体的に示したガイドラインはあるのですか

2005/8/3 七社会からの回答
全部で7枚がFAXされてきました。

泉さま

記者クラブ制度については、日本新聞協会の「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」をご参照ください。

七社会

この1枚目に続き、「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」が新聞協会のHPに掲載されているまま印刷されて送信されてきました。
1枚目にに「参照ください」とあったことと、2枚目の冒頭に手書きで「(ご参考)」と書かれてあったことから、今回送られてきた7枚は、単なる参考だと解釈し、念のため電話をかけてみました。もちろん、取材申し込みの件はどうなったのかも確認するために。
しかし、これが今回の私への回答だそうです。インターネットでも容易に閲覧できる文章をそのままコピーした7枚が、七社会からの回答だということで、その参考文の中にどのような回答が書かれているのかを確認してみました。
参考資料:「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」

Q.七社会は、何を目的としている団体なのか。

という質問への回答と考えられる章は「取材・報道のための組織」の部分だと推測されます。

取材・報道のための組織

 記者クラブは、公的機関などを継続的に取材するジャーナリストたちによって構成される「取材・報道のための自主的な組織」です。

 日本の報道界は、情報開示に消極的な公的機関に対して、記者クラブという形で結集して公開を迫ってきた歴史があります。記者クラブは、言論・報道の自由を求め日本の報道界が一世紀以上かけて培ってきた組織・制度なのです。国民の「知る権利」と密接にかかわる記者クラブの目的は、現代においても変わりはありません。

 ネット時代を迎え、種々の情報発信が可能になっています。公的機関の中には、ホームページで情報を直接発信しているケースもあります。しかし、情報が氾濫(はんらん)し、また情報の選定が公的機関側の一方的判断に委ねられかねない時代であるからこそ、取材に裏付けられた確かな情報がますます求められていると言えます。そうした時代にあって、記者クラブは、公権力の行使を監視するとともに、公的機関に真の情報公開を求めていく重要な役割を担っています。

 記者クラブ制度には、公的機関などが保有する情報へのアクセスを容易にするという側面もあります。その結果、迅速・的確な報道が可能になり、さらにそれを手掛かりに、より深い取材や報道を行うことができるのです。

 誘拐事件での報道協定など、人命や人権にかかわる取材・報道上の調整機能も、記者クラブの役割の一つです。市民からの情報発信に対しても、記者クラブは開かれています。

この章では、インターネットの不確かさを唱えた上で、記者クラブの役割を「公権力の行使を監視するとともに、公的機関に真の情報公開を求めていく重要な役割を担っています。」としていますが、今回の対応から、記者クラブが言う「真の情報公開」とは一体何なのか疑問に思います。記者クラブについて問われた時、国民の知る権利から逃れようとするあなたたちは、本当は何のための団体なのですか。

Q.先日の回答で、「個人での入会はできません」と回答をいただきましたが、なぜ個人では入会できないのか、その理由。
Q.「入会を希望する報道機関には入会手続き等をお知らせします」とのことですが、実際に必要な手続きについて。
Q.入会できる機関の基準や、入会までの過程などを具体的に示したガイドラインについて

3つ質問への回答と考えられる章は「【解説】 2.組織と構成」の部分だと推測されます。

2.組織と構成

 記者クラブの開放性については、97年の見解で、「可能な限り『開かれた存在』であるべきだ」とされてきた。新しい見解は、この原則を引き継いだ上で、「日本新聞協会加盟社とこれに準ずる報道機関から派遣された記者など」で構成されるとしている。

 記者クラブの構成については、この見解が日本新聞協会編集委員会が取りまとめたものであり、はじめに新聞協会加盟の新聞、通信、放送各社を、次いで新聞協会に加盟していないがほとんど同じような業務をしている報道機関を「これに準ずるもの」として定義付けた。

 外国の報道機関については、すでに多くの記者クラブに加盟している実績があり「閉鎖的」との批判には当たらないと考える。外国報道機関の加盟基準としては、(1)外務省発行の外国記者証を保有する記者(2)日本新聞協会加盟社と同様の、またはそれに準ずる報道業務を営む外国報道機関の記者―の2条件を満たしていることが望ましい。

 また、報道活動に長く携わり一定の実績を有するジャーナリストにも、門戸は開かれるべきだろう。

 報道機関やジャーナリストが、新たにクラブに加盟する場合は、それぞれの記者クラブの運営に委ねるべきで、参加形態も、常駐、非常駐、オブザーバー加盟など、それぞれのクラブの事情に応じた弾力的な運用が考えられる。

 その場合、記者クラブは「取材・報道のための組織」であり、そこに加盟する者は、報道という公共的な目的を共有していなければならない。

 また、記者クラブは「自主的な組織」である以上、幹事業務などについて一定の責任を負うことを求められる。

 そして何よりも、報道倫理の厳守が強く求められる。日本新聞協会は、2000年(平成12年)6月に、新しい新聞倫理綱領を制定し、「自由と責任」「正確と公正」「独立と寛容」「人権の尊重」「品格と節度」を厳守すべき事項とした。新聞協会は、加盟する会員にこの倫理綱領を守ることを定款で義務付けている。

 このように、記者クラブを構成する報道機関やジャーナリストは、報道という公共的な目的を共有し、一定の責任と報道倫理の厳守が強く求められている。

実績のあるジャーナリストには門戸が開かれるべきだが、新たな加盟にはそれぞれの記者クラブの運営に委ねるべきだとここには書かれていますが、七社会として独自の回答はいただいていません。しかも、新聞協会は、加盟する会員にこの倫理綱領を守ることを定款で義務付けています。今回の2度に渡る回答は、これに反してはいないのか、新聞協会に問い合わせてみます。

竹内 謙さんへのインタビューで、
「新聞協会が出した見解は大分良くなっている。その見解通りにしさえすれば、そんなに問題はない。」
と言われたことを思い出します。
見解の中に書かれていることは誠に素晴らしいが、実際にはその見解通りには運営されていないということが明確にわかった気がします。
正直私は、七社会へ取材交渉をしようと決めた時、閉鎖的だと言われていても、実際には随分オープンへと改良されているのだろうと期待をしていました。私の勝手な期待かもしれないけれど、記者クラブが少しずつ良い方向へ変わっていることをこの取材から引き出したかったのです。
でも、今日「これが回答です」と言われた瞬間、私は絶句しました。
公権力を監視すると正義を振りかざしながら、特権意識を持つ記者クラブは、私たちに何を伝えたいのだろう。

七社会へは、引き続き取材交渉します。

<参考>
七社会の加盟社
・朝日新聞
・毎日新聞
・読売新聞
・東京新聞
・日本経済新聞
・共同通信

<文責/泉 あい>
GripForum - 記者クラブの表と裏スレッド

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コメント

酷いな
予想以上に酷い組織だとわかった
こいつらが事件について何を語るつもりだ?

投稿: | 2005年8月 4日 (木) 00時26分

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