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2005年6月23日 (木)

アニマルセラピ− 【取材記1/アニマルセラピ−ってなに?】 

「癒し」という言葉は、できるだけ使いたくないと思っています
テレビのスイッチを入れても、雑誌のペ−ジを開いてみても「癒し」という言葉が散乱して薄っぺらい言葉という気がするからです

私の家から最寄り駅までは、歩いて5分の道のりですが、みんなが大通りを歩く中、私ひとり1本内に入った狭い道路を選んで歩いています
それは、その道に沿って立ち並ぶ家の中に、犬を飼っていらっしゃるお宅があるからなんです
ほんの一瞬だけでも、犬の姿を見て声をかけるだけで、優しい気持ちになれる
私も「癒されたい」と思っているのかもしれません

癒しブ−ムとペットブ−ムの両方に乗っかってよく取り上げられるアニマルセラピ−
命のある動物を、まるでアロマテラピ−に使うハ−ブを扱うのと同じように、アニマルセラピ−をうたったペットショップの広告をたまに見かけます
動物に触れ合うことで、気持ちが和むのは理解できるけど、ペットを飼うこととアニマルセラピ−を同等にしてしまっていいのでしょうか
もっと具体的に「アニマルセラピ−」を知りたくなりました

先ずは、インタ−ネットであちこち見て回りましたが、「アニマルセラピ−」の定義は3つに分けられているようです

<アニマルセラピ−の種類> 鶴見緑地動物病院HPより
動物介在療法(Animal Assisted Therapy=AAT)
医療の専門家が専門的な治療行為として行なうもので、対象者の身体的機能、社会的機能、精神面の向上、回復等を目的とします
個々の対象者に合わせた治療目標を設定し、その目標に合わせて適切な動物とボランティアが選択されて実施します
治療後は効果について評価を行ないます

動物介在活動(Animal Assisted Activity=AAA)
動物とのふれあい活動です
対象となる方の、生活の質の向上、情緒的な安定、レクリエーション等を目的として実施されます
多くはボランティアとして行なわれます
実施するにあたっては必ずしも医療上の専門知識が必要というわけではありませんが、対象者が高齢者、傷病者、障害者等である場合が多く、動物と飼い主(ボランティア)には一定の基準が必要です

動物介在教育(Animal assisted education=AAE)
動物とのふれあいを持って、子供の情操教育に活かそうとするものです
子供たちは、動物とふれあうことによって、自分より弱い立場のもの、自分が面倒を見なければならないもの、また、命あるものとの接し方を自然に理解することができます

これら3つの活動を「CAPP活動」(companion animal partnership program・コンパニオン・アニマル・パートナーシップ・プログラム)と称して登録商標まで取得して活動している団体があります
それが、日本動物病院福祉協会(JAHA)で、その団体では、動物たちのことを「コンパニオン・アニマル」と呼んでいます
「goo辞書」には「コンパニオンアニマル」の中に〔動物と人間の精神的な結びつきに注目して,ペット(愛玩動物)を言い換えたり,ペットと区別する語〕と書かれていますから、動物たちがペットと明確に分けられている事が分かります
ペットとコンパニオンアニマルの違いについては、もっと具体的に調べてみたいと思います

では、そのコンパニオンアニマルたちは、どんな効果をもたらしてくれるのでしょうか

<アニマルセラピ−の利点>

生理的利点  ・病気の回復
         ・血圧やコレステロールの低下
         ・神経筋肉組織のリハビリ(特に乗馬療法において)

心理的利点  ・元気付け、動機増加、活動性、感覚刺激
         ・リラックス、くつろぎ感を増し、不安を減らす
         ・自尊心、責任感などの肯定的感情、心理的自立
         ・達成感(特に乗馬において)
         ・ユーモア、遊びを提供
         ・親密感情、受容
         ・感情表出(言語的、非言語的)、カタルシス作用
         ・子供においての教育的効果
         ・注意持続時間の延長、反応までの時間短縮
         ・回想作用、境遇との重ね合わせ

社会的利点  ・社会的相互作用(触媒効果、潤滑油)
         ・言語活性化作用
         ・集団のまとまり、協力関係の推進
         ・身体的、経済的な独立促進(盲導犬など)

メリットがあればデメリットもある
人間にとってマイナスなのは、動物嫌いな人に対しては適応しないということや、動物による感染症やアレルギ−が心配される場合です
動物にとってのマイナスは、動物虐待や世話の放棄などが心配されるときです

世話の放棄とありますが、アニマルセラピ−は訪問してもらうだけでなく、飼育する形もあるようです

<アニマルセラピーの分類>

・在宅訪問型
・在宅飼育型

・施設訪問型
・施設飼育型

・野外活動型
・他の治療の補助として

 

では、実際にどのような人がアニマルセラピ−の対象者になっているのかというと

<治療プログラムとしてのアニマルセラピーの対象者>

子ども
一人っ子、不登校、精神的・身体的・性的虐待児、親がいない子どもなど

高齢者
独居、老人ホームなど

終末期医療
がん、エイズ患者など

後天的慢性疾患
事故や病気など

先天的慢性疾患
精神遅滞、ダウン症、自閉症、脳性マヒなど

身体機能障害者
視覚・聴覚・言語障害者、手足の不自由な人、てんかん患者など

犯罪傾向にある人
囚人、医療刑務所など

精神障害者
痴呆、精神分裂病、躁うつ病など

逆にアニマルコンパニオンとして訪問活動に参加できる動物、できない動物は

<訪問活動に適している動物の種類> JAHA(日本動物病院福祉協会)HPより

犬・猫
子犬や子猫はストレスを受けやすいためと、感染症にかかっている可能性があること、また体力が十分ではなく感染しやすいため、参加は差し控えましょう
年齢は、一般的な施設の場合は8カ月以上、障害者施設等の対象者の行動が予測しにくい施設では1歳以上が望ましいです

ウサギ、モルモット
ウサギは後肢が強いので、抱き方や取り扱いには注意しましょう

ハムスター、スナネズミ等
飼い主が飼育を開始してから6カ月以上経過していて、健康状態が良好であると確認されている場合に限ります。ケージに入れた状態で、外から見て楽しんでいただくようにしましょう

小鳥類
飼い主が飼育を開始してから6カ月以上経過していて、健康状態が良好であると確認されていれば参加できます
ケージを清潔にして、ケージに入れた状態で、外から見て楽しんでいただくようにしましょう

<訪問活動には参加できない動物の種類>

× カメ、イグアナ、トカゲ等のエキゾチックアニマル
これらの動物は、行動が予測できないため危険が伴うこと、人獣共通感染症の恐れがクリアできないことから訪問活動には参加できません

× フェレット:
この動物は、動作も可愛く慣れているものも多くいますが、インフルエンザ等の感染や臭い、予測不能の行動が見られることがありますので、訪問活動には参加できません

ちょっと前には、鳥インフルエンザが騒ぎになりましたが、鳥はOKでフェレットがNGというのが、意外だと思いました
アニマルセラピ−の中で最も古いのは乗馬療法で、馬の他には、イルカやマナティなど水中の動物もアニマルコンパニオンとして活躍しているようです
他にも変わったセラピストを発見しました

人生のマトリックス 人生人語」より

障害となるハードルが高過ぎる場合、アニマルセラピーに代わって考案されてきているのがロボットセラピー(Robot Therapy)です。
現代のAI〔人工知能〕の技術革新とロボット開発の進展で、本当の動物と見分けが付かない動きをし、飼い主に心〔ロボットに心があるとすれば〕からなつくロボットが生まれてきました。
不思議なことに、こうしたロボットにも高齢者はビックリするほど愛着を持ち、あたかも本物のペットであるかのように接するという報告を受けています。〔考えていくと複雑な気持ちになりますが〕介護はロボットが担う時代が近付いていますが、心のケアもロボットに委ねた方が良いかも知れません。

ロボットに癒されるというのも味気ない気もしますが、アレルギ−などをお持ちの方には、それもいいのかもしれません
それに、動物を管理するには、継続して費用がかかります
アニマルセラピ−に取り組んでいるNPOのHPでも、いろいろなものを販売したり、訪問は1回いくらだとか、やたらと金銭面でのことが掲載されていて「経済的に苦労をしているのかな」と思える団体もありました
かなりの効果を上げられるアニマルセラピ−を広げるためには、資金が必要なのも現実なのかもしれません
「癒し」という言葉は聞き飽きましたが、癒し効果がきっかけになって、アニマルセラピ−を知る人が増えれば資金も集まり、もっと広くアニマルセラピ−の効果を知ってもらえることになるのかもしれません

明日からもっといろいろな資料を集めて、メリットデメリットを探ってみます

<その他に参考にさせていただいたHP>
「ねことつき」アニマルセラピ−
「healthクリック」アニマルセラピーをご存知ですか?動物と一緒に生きるということ

<文責/泉 あい>
GripForum - アニマルセラピ−スレッド

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コメント

私もその昔、近いことをしましたね。
会社等のストレスで、もうどうしようもなかった時期がありました。人間不信に陥ってた時ですね。
そのときに、知り合いが犬を飼っていたので、少しでもまぎれないかと、一時期通った時があります。
もともと、犬好きでもありましたし、とにかく優しい犬なので、自分の心の中を見透かしてるかのように、じっと自分のことを覗き込み、そばを離れようとしなくて、私が少しでもおかしなことを考えてたりすると、ずっと顔をなめるんですよ。
人間に言葉で話をするのも確かにストレス解消になるかもしれませんが、それだけではダメな時もあります。自分の言葉では伝えきれない時などは、逆にストレスがたまってしまったり。あいにく、そのときの自分には誰も助けてくれる人がいなかったんです。
病院に行っても、薬を処方する、本当にただそれだけです。おまけに私の場合は、薬の副作用までもらってしまいました。洒落になってなかったですね。3年以上経った今でも若干、その副作用は体に残っています。
言葉は通じなくても、ただそばにいてくれる、覗き込んでくれる、ちょっとした反応でも尻尾をふってくれる、顔をなめてじゃれてくる。それだけのことでも病んだ自分にとっては絶大な効果がありました。人によるでしょうが、私にはどんな薬より、一番効きました。本当に助けてもらった経験があります。
今では、馬を見に行くことが楽しみになってますけどね(笑)

投稿: ゆきぞう | 2005年6月23日 (木) 22時48分

ゆきぞうさん
何かつらいことがあった時、動物に救われたというご経験をお持ちの方は、多いかもしれませんね
私も毎週ほとんど欠かさず馬のところへ行きます
一緒に行ってくれているぉ友達は、いい加減飽きたようで、「たまには他のところへ行こうよ」と言うんですけど、今の私には、1週間に1度馬に会うことが必要なんです
私は、アニマルセラピ−の対象者には該当しませんが、必要としていると自覚していて、自主的に受けているのかもしれません

3年経ってもまだ副作用が残っているなんてつらいですね
お馬さんの強烈な鼻息で吹く飛ばしてもらえるといいですね

投稿: ぁぃ | 2005年6月23日 (木) 23時01分

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