記者クラブの表と裏 【取材記10回目】
5月28日取材
フリ−ジャ−ナリストの上杉隆さんにインタビュ−してきました
上杉さんは、ホテル、NHK報道局に勤務した後、衆議院議員事務所で政治家の秘書となり、その後ニュ−ヨ−クタイムズの東京支局取材記者という異色な経歴の持ち主です
政治家の内部を知り、アメリカナイズな感覚をお持ちの上杉さんは、日本の記者クラブについて、どんな考えをお持ちなのでしょうか
上杉さんのブログのタイトルは「東京脱力新聞」
私は、タイトル通り力みのないナチュラルなこのブログがお気に入りで取材を申し込みました
実際にお会いした上杉さんも、ナチュラルで気取りのない方だと感じました
ジャーナリズム賞企画賞を受賞されるなんて、自慢していいことだと思うのですが、そんな素振りは全くなく、
「たまたま書いたタイミングが良くてはじけるというのが連発しただけ」
と言います
最初の著書である「石原慎太郎『五人の参謀』」については、
「僕は鳩山邦夫事務所で秘書として選挙を経験した際
各局の討論番組や、市民団体の講演などで東京中回ると、他の候補者の秘書と同じ控え室で待っているので仲良くなります
選挙は、戦っている時は戦っている時で戦争だが、終れば仲良くなるもので
石原さんの秘書の方とも親しくなって食事をするようになりました
その方と食事しているうちに、都政の話が見えてきて、東京都政っておもしろいなと思うようになった
12兆5千億円の予算があるのは、カナダと同じで、国連の加盟国と並べても12位以内に入る巨大な自治体
そのお金の使い道とか、どういう人物が介在しているのかとか、政策決定過程はどうやってなされているのかなどに興味を持って取材に入ったのです
そしたら石原慎太郎がブレイクしたんです
提灯本はたくさんあったが、批判本はなかったので、たまたま・・・」
次に田中真紀子さんに関する本を2冊書いていらっしゃるが、そのことについては、
「田中真紀子さんもタイミングがよかっただけだと思います
記事を書くまでに2、3回会ってインタビュ−したが、1回書いたら怒鳴りつけられてもう会ってくれない(笑)
ある先輩の有名カメラマンが教えてくれたのは、『田中真紀子のことを活字にする場合に気をつけなくてはいけないのは、100あったうちの1でも批判したら、残り99をベタ褒めしても彼女は君のことを敵と見なすよ
書くなら100%きちんと相手に気を遣って書かないと、1つでも気に入らないと敵になるから』というアドバイスをもらいました
どうせ敵になるなら徹底的に書いてやろう(笑)
そしたら案の定目の仇にされて」
冷たかったのは田中真紀子さん本人だけではなく、読者からの非難もすごかったようです
「田中さんが小泉さんとくっついて総裁選の活動をしていく中で、真紀子ブ−ムが起こる
小泉・真紀子ブ−ムです
その時は、2冊目の本を書いている最中で、いろんなところから出演依頼とか執筆依頼が来て、それを受けて出るのだが、出れば出るほど苦情の嵐(笑)
今からでは想像がつかないと思うけど、田中さんは当時はヒロインでした
まだみんな彼女の正体をわかっていない時だから、『なんでそんな話をするの?』という感じで
外務省でいろいろあってから、今はまだわかっている人もいるが、彼女が外務大臣になる前の話ですから
最初に出した『田中真紀子の恩讐』の読者カ−ドは300通くらい戻ってきて、9割9分が批判でしたね」
世間の人が「ヒロイン」だと祭り上げている人を批判することは、バッシングの対象にもなりかねないことで、勇気が必要です
多くの読者の批判をも跳ね返す本を書けたのは、その取材の力によるものだと思います
その取材力について上杉さんは、鳩山邦夫事務所で秘書をしていたことが大きいと言います
「鳩山邦夫事務所で5年間秘書をやっていました
秘書同志の飲み会になると、ストレス解消で本当のことを言うこともある
その中にいると、いろんなネタがゴロゴロ落っこちているので、そこから拾ってくるのが多かった
秘書にとって地獄のような事務所があります
例えば、『小沢一郎事務所は犬の散歩でビニ−ルとスコップを持って、朝5時から糞を拾いながら走っている』とか『新井将敬さんのところは、月収8万円でよく椅子でぶん殴られた』とかね
秘書の世界って残酷物語じゃないけど、いろいろあります
同じ事務所の秘書でも、力を持っている人もいればそうでない人もいます
だから、そういうのを含めるといろいろな話を聞けるのです
マスコミと比較していろいろな人種の人がいました」
上杉さんは、ご自分がいらっしゃった2つの業界を対比して、マスコミの中にいる人が偏っていると指摘します
「欧米のマスコミと比較して、これはマイナス面だと思うけど、日本のマスコミって、基本的には6大学を卒業した人か、優秀な大学を卒業した人しか採らない
学歴で採用を決めるのは差別的なところだと思います
公務員ですら最終学歴を採用条件にしていないのに、日本のメディアはほとんど大学卒以外は採らない
結局同じ出身者ばかり採ることになるから、偏った人種で形成されてしまい
記者は特に同質の人間が揃ってしまいます。米国ではたとえばワシントンポストのバーンスタイン記者などは高卒のコピーボーイでした」
それに比べて、秘書の学歴は様々で、だからこそいろいろなことを経験している人が多いと言います
「ところが秘書は、東大卒の頭の良いヤツもいればMBAを取ったハ−バ−ドから来たようなのもいる一方で、ヤクザみたいなのもいるし、中卒もいる、元チ−マ−もいます
いろんな人種が混ざっていて、その中で生きていくから海千山千で
だからマスコミの記者なんてお茶の子さいさいで騙せるということになるのです」
政治家や秘書にとって、記者クラブに所属している記者は、ひよっこということなのでしょうか
「先輩秘書によく言われたのは、特に記者クラブにいるような記者は安全牌ですから、書かれたくない情報のコアな部分を守るために、回りの関係のない情報だけを出す
そうすると、記者はそっちに群がってきて、コアな情報は守れる
ただ、フリ−ランスと雑誌社には気をつけろと言われました
それは、秘書の多くが感じていることで『新聞とかテレビとかはなんだかんだ言って書かないんだ』と言っています
記者クラブに所属している記者は、記者クラブから出ろと言われれば終わりだから、当局と一体化しやすいのでしょう
取材対象とずっとべったりだから、変なことを書いたら、『こいつにはもう情報をあげない』とできるのです
そうするとその記者は、情報を取れなくて厳しくなるから、政治家のスキャンダルは書かない、こういった悪循環に陥ってしまっていると思います」
今までの取材記にも書いたことが、またここでも出てきました
一旦築いた人間関係を壊すことができないという現役記者の葛藤です
フリ−や雑誌は1回だけの取材で済むかもしれませんが、記者クラブへ所属している記者は、毎日そこへ通わなくてはなりません
私は、葛藤する現役の記者さんから話を聞いて「人間だからその気持ちは理解できる」と同情していました
でも、記者の葛藤を作り上げる記者クラブの空間がそもそもおかしいと気づきました
それは、上杉さんに海外でのメディアの話を聞かせていただいたからです
ニュ−ヨ−クタイムズの東京支局で記者をなさった経験のある上杉さんは、日本人の新聞記者でありながら、海外紙の記者という扱いを受けています
そのため、外から記者クラブを見ることができ、記者クラブだけでなく日本のメディア全体が世界に於いていかに異質であるのか話してくださいました
それは、ニュ−ヨ−クタイムズに採用された時、既に感じておられます
「議員事務所の後、日本のメディアに戻ろうと思ったが、最終面接で『鳩山という政治家の色がついているからだめだ、記者は公平でなければならない』と2箇所からも断られました
それでニュ−ヨ−クタイムズに入って暫くしたら、当時の支局長が働かないかと言ってきたので『いいのか?日本のメディアでは色がついているからだめだと断られたぞ』と聞いてみた
すると『何を言ってるんだ、うちは、色がついているから採ったんだ
君は少なくとも5年以上政治の世界にいたから人脈があるだろう
何かあった時にその人脈を頼って話を聞くことができる
それからもうひとつ、押すボタンがわかる
この問題は、このボタンを押せばここから引き出しが開くとか、いろいろな方法を5年間の経験で得られただろう
どうしてもわからなかったら、また昔の友達に聞くこともできる
そういう人物だからこそ採用したんだ
もし君に色のついていない新卒だったら、採るつもりはない』と言われのです
入ってわかったが、ニュ−ヨ−クタイムズなど米国のメディアにはにはほとんど新卒がいない
アメリカの新聞はそうだが、ある記者はNASAに関係している会社から、ある記者はアフリカの教授でした
また別の記者は、銀行関係から引き抜かれています
みんなそれぞれ専門分野があるから、詳しい記事が書けるのです
新卒なんて何も知らないから、誰も採らないというのが米国の新聞社の考え方なのでしょう」
それぞれの業界のスペシャリストが集まれば、少なくとも大学を卒業したばかりの記者よりは、情報を集めることはたやすいかもしれません
人脈もあれば、社会経験もあるので、文章力は後で身につけるとしても、情報を集めることに於いては即戦力になり得るでしょう
それでも、私は上杉さんに「ニュ−ヨ−クタイムズに入ってからジャ−ナリストとしての勉強をするのですか?」と聞いてみました
すると、
「もちろん、引用したらクレジットを打つとか、基本中の基本は日々の仕事の中で勉強します
だけど、日本では、新聞記者は立派な職業みたいなところがあるが、頭がいいのなら教授か何かになればいい
日本では訓練がどうのこうのって言うけど、元々はわからないことがいっぱいあるから、ジャ−ナリストをやっていて、それで面白いわけだし
日本はジャ−ナリストって言うと、全てわかっていなくちゃいけないみたいな変な歪んだ認識があるような気がします。海外の記者から見て驚くのはとハイヤ−に乗って取材する記者らしい。
ハイヤ−なんて海外のメディアから見れば信じられないこと
ニュ−ヨ−クタイムズの支局長が来た時に、日本の記者が黒塗りのハイヤ−に乗るのを見てびっくりしていました
『日本のマスコミの経営陣は、みんな若いんだなぁ』と言うのだが、
最初は意味がわからなかったのだが、ニュ−ヨ−クタイムズの東京支局は、朝日新聞のビルの中に入っているので、朝日新聞の記者たちがハイヤ−に乗るのを見て『みんな朝日の経営者は若い』と言っていたのです
『あれは経営者ではなくて記者だ』と説明すると、『みんな金持ちなのか?日本では大金持ちが記者になるのか?』と驚愕していました
『いや、そうじゃない、会社が支給する』と言ったらもっと愕然として(笑)要するに、感覚が違うんです
『あんな車に乗ってどうやって取材をするんだ』と言っていました
アメリカの記者は、電車やバスで移動して、その間にいろんな人と話したり、つり広告から情報を取ったりと、一般の人と同じ目線で自分も動き、取材活動を行う
ところが日本の場合、ハイヤ−を使ったりしているから政治家や経営者などと同じ目線になる
向こう側の世界に入っちゃっていることに気づかなくなり、知らないうちに洗脳されてしまう
だから支局長は、それをすごく危惧していました
最近は変わってきたが、日本では、他の職業を経験して新聞社に入った人はほとんどいない
アメリカは、基本的にどこか他の職業を経験して記者になっている人が多い
そうじゃなければ、小さい街のミニコミ紙、地方紙からどんどん上がって引き抜かれて、最後はニュ−ヨ−クタイムズ、ワイントンポストなどに辿りつく
日本はそういう過程ではなくて、最初からドンと例えば朝日新聞に入って、『朝日新聞』の名刺を持って取材に行けば、みんな『朝日の記者だったら』と言って会ってくれる
すると、だんだん勘違いしてきて、それは自分の名前ではなくて、会っている人は『朝日新聞』という名刺で会っているのに、自分の力で会っていると思い込んで、それが何十年も続いていくと誰でも勘違いに繋がるのではないでしょうか
さらにそれでハイヤ−に乗っていれば、悪意はなくてもそれに慣れてしまう」
洗脳されるのは、大量のプレスリリ−スに縛られている点だけではありませんでした
ハイヤ−も、大きな組織の名前が書いてある名刺も、記者にとっては必需品なのでしょうか
自分の力で得たものではないツ−ルを利用し、いい気になっている人がいたとすれば、その人こそ裸の王様です
大きな組織の中に埋もれた日本の記者たちを見て、上杉さんは、ジャ−ナリストの独立性について多く語ってくださいました
「外国特派員協会で記者会見をするが、日本の記者もアメリカの記者も質問ができます
これは文法上のことですがニュ−ヨ−クタイムズなら例えば『Takashi Uesugi for The New York Times』とはじめに名前と所属を言って挨拶をします
英語と日本語では文法上逆になり、日本の場合だと『朝日新聞の上杉隆です』と言います
ところが、急いで質問しなければいけない時、名前か所属のどちらかひとつを言って質問に入るが、外国人の記者はみんな社名ではなく名前を言う
だけど、日本人は例えば『朝日新聞です』と言って質問に入ります
これは象徴的なことだが、だから、それを見ると、アメリカのジャ−ナリストは個々でやっているという認識が強いが、日本は会社でやっているのかと思うのです
相対的に日本の記者は独立心に欠け、
自信がないのかなととくに記者クラブ所属の記者に感じるのです」
私は、個人主義でアメリカらしいなと思いました
組織に所属していても、まるでフリ−のジャ−ナリストと変わりがありません
それは、自分が書いた記事ひとつひとつに署名をするというところに原因があるのかもしれません
「アメリカの新聞では、署名記事以外有り得ません
例えば3行しか記事を書いていなくても、署名は入れます
どんな短い記事でも署名を外さないということ
これは、日本のメディアとの大きな違いで、日本では名前を出すことは売名行為のような変な感覚がある
アメリカは、名前を出さないのは卑怯だという感覚
取材対象者の名前は書くのに、自分の名前を書かないで『取材班』とだけ書くのは卑怯
名前を書かなければ責任も取れない
ブログを見ていても、海外のブログは名前も顔写真も全て出しているが、日本は、匿名のブログが多いようです
人間って、名前を出せばできるだけ間違えないようにしようとする意識が働くものだと思う
自己顕示欲とか、自分を良く見せたいというのがありますから」
なるほど
相手を批判しておいて、自分が誰だか名乗らないのは、本当に卑怯な話です
記事が間違っていても、誰に反論すれがいいのかわからない
毎日新聞は署名制度を取っていますが、記者個人の責任で書いているとは言えないと上杉さんは言います
「例えばアメリカだと記事を書くと、編集局長がチェックをし、その記事の事実関係が完全に間違っていたとしても、上司はアドバイスはするが、直接直してはいけない
署名をした記者が最終責任者で、直すかどうかを決める
もし間違いを犯したら、署名をした記者のせいだから、その記者はクビになるか、去っていくか、別のところに行くか、非常にシビア
名前を出すことによって、多くの責任を負うという意識がある
署名記事を始めている毎日新聞といえども、記者は、書いた原稿をデスクに投げてデスクが赤を入れ、それに対しては基本的に記者は文句を言えません
上の方の人はずっとそれで来ているから、当たり前だと思っていますが
だから、なかなか変わるのは難しいと思います」
ここでもまた、組織の問題が出てきました
確かに、長い新聞の歴史の中で、試行錯誤が繰り返され、このやり方がベストだということもあるのでしょう
だけど、それにかまけて問題を見ようとしないのなら、それこそが問題です
私の書く文章はつたない文章ですが、それでも自分が書いたものを他人に手直しされることは、耐えられません
でも、記者クラブに所属している記者たちは、自分の書いた文をデスクに直されるのは当然だという感覚なようです
私から見るとおかしいと思える感覚は、今までインタビュ−をした人も皆さん「別に何も感じない」と言い、私がフリ−だからフリ−特有の感覚なのかと自分の中で流していました
ところが、上杉さんが経験なさったことを聞いて、やっぱりおかしいと再確認しました
それは、
「僕も2ヶ月くらい前に朝日新聞の『私の視点』というコーナーに書いたけど、内容をずいぶん変えられました
だから、これは『私の視点』ではなくて『朝日の視点』で出したらどうですか、と言ったら、掲載まで1ヶ月くらいかかってしまいました
こっちは頼まれて書いて、しかも『私の視点』ということで顔写真も載せているのだから
僕の視点を書くのに、なんで朝日が変えてくるんだろう?と思いますよね
他の記事ならもちろん問題ありませんが、でも私は朝日新聞の記者ではないのだから、
それは、染み付いちゃっていることから、そんなことを言うと『なんだ、生意気だな』ということになてしまう
今、会社の上層部にいる世代は、そうやって仕事をしてきて、それがと思っています。
残念ながら仕方のないことだけど、比較をする方法を持っていなくて、それが正しいと思って4、50年来ているわけだから、そういう人たちがやり方を変えるということは、今まで生きてきた人生を間違っていたと、認めることになり、そこは頑なになってしまうのは仕方ないと思う」
こんな失礼な話はないと思います
閉鎖された世界にいるから、他人が書いたものを簡単に変更してもいいという感覚がおかしいと気づかないのでしょう
これは個人の資質なんじゃないか?という意見もあるかもしれません
アメリカでは、記者個人の責任で、ジャ−ナリストとしての活動をしているので、公の機関も大きな組織に所属しているからOKという見方ではないようです
個人がどういう人物であるのかを見極めた上で、会見に出席できる権利を渡すのです
「日本の記者クラブがおかしいのは、海外と比較してみるとわかりやすいと思います
ホワイトハウスにもクラブはあるが、それは親睦団体で
因みに『キシャクラブ』という言葉はそのまま英語になっています
向こうは権力側が主催した記者会見、例えばホワイトハウスなら大統領府が記者会見を主催するので、そこで入ってもいい人に大統領府がプレスカ−ドを発行する
それは、外国人であるフリ−の僕が行っても申請できます
ひとりひとりをチェックして、この人物はジャ−ナリストとして活動しているか、テロリストなどの経験はないかなど過去の経歴を確認してOKだったらプレスカ−ドが発行されて入ることができる
チェックの時間は、早い人だと3週間、1年かかる人もいます
一度カ−ドが発行されれば、いつでも入れます
日本の場合、例えば都庁は、都庁に入っている記者クラブが会見を主催していますが、
僕が都庁に申し込んで石原さんが『入っていいぞ』と言っても記者クラブがOKしないと入れない
日本だけは、記者クラブが同業者を排除するという点で海外と全然ちがうところ
最近オ−プンにしていると言ってる割には、『記者会見に入ってもいいけど、但し質問はしないでください、オブザ−バ−参加です』と言われてしまいます
一度、自民党の『平河クラブ』(記者クラブ)で中川昭一さんの記者会見に出て、無視して質問をしたら、その後呼び出されて、しばらく出入り禁止になってしまいました
質問ができないのなら行く意味がないから、バカらしくて行く気がしなくなるでしょう
都庁の場合で言うと、石原慎太郎さんが書いて欲しくないことがあったとして『お前はだめだ』というなら『石原都知事は私の取材を拒んだ』と記事に書ける
日本の場合、石原さんがいいと言っても、都庁の記者クラブがだめだと言うから記事とは関係ない
記者クラブが、アクセス権を妨害するのは、情報を独占するよりもっとひどい
それが何十年間も続いている
自分たちだけが情報を独占して、大した情報じゃないものだけをちょぼちょぼ出して、それで満足しているのが現在の日本の記者クラブ制度ではないでしょうか」
情報を独占するだけでなく、取材対象者へのアクセス権をも妨害する記者クラブ
そこまでして、当局との関係を保つことが必要があるのでしょうか
今までのインタビュ−でも、警察の記者クラブは、個人のプライバシ−を扱うので別だという話が出ました
上杉さんはどう考えるのでしょう
「プライバシ−の問題だと言うのは詭弁で、記者クラブが同業者を入れたくないだけと思う
例えば雑誌とかフリ−とか、ジャ−ナリストとして活躍している人なら、はっきり言って新聞社の新人よりも歴が長いわけだから、そんなル−ルは百も承知でしょう
縛りを解くとか、人命に係わることなら、誰でもル−ルを守るはずで
それを選ぶのは、権力側がすればいい
櫻井よし子さんだって立花隆さんだって、今の新人記者よりは歴は長いしきちんとやってきているのに入れない
それなのに会社に所属していれば新人記者でもスタッフでもは入れてしまう?それは会社の名前を使っているだけでしょ。マスコミ間で、会社同志で談合しているのが記者クラブだと思います
海外では、公権力とジャ−ナリストの健全な緊張関係の中での取材活動をしている
ニュ−ヨ−クタイムズの支局長のハワ−ドも、元はワシントンポストにいてニュ−ヨ−クタイムズに移ってきたが、ワシントンポスト時代に発行されたパスは、ハワ−ド・フレンチに対してのものだから、彼が行けばどこに所属していようが、あなたをジャ−ナリストとして認めているんだということで入れるのです
僕で言うなら、NHKにいたら入れたけど、今はもうフリ−なので入れないということなんですよね
そんなル−ル「クソ食らえ」と思って、無視して入っていますけど(笑)
全然無視して入って、回りの人も『こいつ入ってるな』と思ってるけど、誰からも『出て行け』と言われたことはないですね
友達もいるし『入るよ』と言ったら『ああいいよ』となるが、入るのと質問するのは別
記者会見で権力側が発表することなんて大したことないから、そこで何か大事なネタを言うなら、通信社から配信された記事を見てればいいやという感じになっています」
上杉さんは、「もういいや」と言うが、大物に質問したい場合は、記者会見の席でないと会うことができない人もいるでしょう
例えば小泉総理
フリ−の人間が、総理大臣に直接インタビュ−したいと言っても難しいだろうし、出待ちしてつかまえるというのも不可能だと思うのです
それで、上杉さんに「記者クラブはなくなっていもいいですか?」という質問をしました
「記者クラブはいらないというよりは、普通に開放すればいいと思います
談合は止めて、情報や公権力へのアクセス権を公平に与えればいいだけ
決められたメディアだけが独占的に情報を取るのではなく、フリ−も雑誌も海外メディアも同じ仕事をしているんだから、みんなでアクセスして、そこで自由に競争し合えばいいじゃないでしょうか」
やはり上杉さんも、今までインタビュ−を受けた方たちと同じ考えで、オ−プンにするのがいいと言います
そして上杉さんの口からは「海外メディアも」と他の方より一つ多いメディアが出てきました
どっぷり日本に漬かっている私は、忘れがちな海外メディアですが、彼らも日本の情報を欲しいと思い、日本で活動をしていることに間違いはありません
そもそも日本と韓国にしかない記者クラブですが、海外の記者たちは、その制度についてどう思っているのでしょうか
「FCCJ(外国特派員協会)は毎週2、3本の記者会見をやっているが、そこには日本の記者も入れている
日本の記者クラブへは、30年くらいに亘って『開放しろ』と決議を出しているが、相変わらずは閉じたままだ
FCCJのボ−ドメンバ−や役員の一部には、30年間もこんなことをやって変わらないのだから、相互主義ということでFCCJも彼らを締め出した方がいいんじゃないか、
我々も日本のメディア者を排除しようではないかう意見もあったが、最終的にはそんなバカらしい奴らと同じ土俵に乗る必要はない、
我々は世界と同じやり方でやろうということになったのです
結局、日本のメディアは、FCCJで行われる会見に入り、質問もできる
日本の記者たちはFCCJの中でこうした討論があったことを知らないと思う
だから、ずうずうしく来ては、我が物顔で『俺はFCCJで質問した』みたいなことができるです
海外のメディアでは、こうした日本の記者の多くははバカにされています
日本のカメラマンは別で、勇気があるということで尊敬されていますが、
例えば、沢田教一さんとかピュリツァ−賞を受賞した人はみんなカメラマンでしょ
だけど、日本の記者に対して『日本の記者は海外でも記者クラブを作る』という冗談があるほど、
日本のメディアだけみんな一緒に集団になってゾロゾロと歩くからで、それをメディアスクラムと言うのでしょうが、
海外の人たちは、みんなバラバラに活躍しているからお互いに友達になりやすいが、日本のメディアだだけは友達にならない
『なんだありゃ?』という感じで呆れて見ています
海外に行ってよく思うのは、最初に友達になるのは同業者だなぁと
どの世界でもそうだと思うけど、商社マンなら商社マン同士、外交官なら外交官同士という具合
海外の記者が日本に来ると、いちばんはじめに友達になるはずなのはジャ−ナリストなのだが、友達になれない
日本の記者たちは、記者クラブという既得権益を守りそこに入れてくれないから『なんだこの国?』と思っちゃう
それで、日本のイメ−ジはダウンすしているように思います」
同じ日本人として、ちょっと恥ずかしい気がします
FCCJの件では、海外の記者と日本の記者が、大人と子供という気さえします
日本の行政側としてはどうなのでしょうか?
「行政、権力側としてはは記者クラブがあった方が便利です
記者クラブの記者たちは安全牌だから、情報を渡しておけばいざとなったら守ってくれる
フリ−とかを排除してくれるというわけでしょう
そうした裏事情には知らん顔をして表向きは『私たちは来て欲しいんですけどね』と言う
二重構造になっているから、お互いにあったほうが都合がいいのです
ここ数十年、政治家のスキャンダルをテレビや新聞はほとんどスク−プしていません
ほとんど全て雑誌からはじまって、後で新聞テレビが『私たちもやっていました』と追っかけているだけだと思う。
以前NHKの記者と話していて聞いたことがある、、『そんなオイシイネタを取っているのにどうして書かないんですか?』するとその記者は『番記者だからねー』と答えた
例えば、自民党の森幹事長の番記者が、森幹事長の大スキャンダルをいっぱい握っているとして、それを書いたらその瞬間に森さんは失脚してしまうとなると、、結果書いた記者も一緒に失脚していまいます
森さんが総理になると、森さんと一緒に担当の記者も出世する
政治家の情報を持っていて、政治家のポストが上がると記者も社内で出世する
そうすると、記者は出世をしたいから悪い記事を書かなくなる
スキャンダルを書くことはマイナス
記者個人ではなく、そういうシステムになっていることがそもそもおかしいと思います」
当局と記者クラブの関係は、まるで時代劇の悪代官と庄屋じゃないですか・・・
その下にいる記者たちは気の毒です
「朝から晩まで待つことが仕事なんて、日本の記者クラブにいる人はかわいそうだと思う
この人にどうしても聞きたいことがあるのに、記者クラブのセクショナリズムがあるから、自分では聞けない構造になっています
例えば、町村外務大臣の番記者が、ガス田の関係でどうしても経済産業省の中川昭一さんに話を聞きたいんだという時は、同じ社の中川さんの番記者に聞いてもらうしかない
どうしても自分で聞きたい時は、中川大臣の番記者と一緒に行って、お伺いを立てる
あほらしいというか、かわいそうです(笑)
社として聞くか、記者クラブとして聞くしかなく、記者個人が単独では聞けない
それはジャ−ナリストなのかなという気がしないでもない
日本の記者クラブは、カルテル的な組織で自分たちの中は守るが、外は排除して独占しようとしているようにしか見えません
内部では内部なりの葛藤があるんだろうけど・・・
だから、上が決断して早くオ−プンにすればいいと思います」
記者クラブに所属している記者でも、組織に所属していることを武器にできないこともあるのですね
フリ−のジャ−ナリストなら、単独で誰にでも取材交渉することができます
記者クラブの制度は、現場にいる内外両方のジャ−ナリストにとって、厄介な制度なのかもしれません
上杉さんは、
「これは30年来の議論だから
議論でやってもだめだなので『あなたはいくら公権力からお金をもらっているの?』ということで取材したのが岩瀬達哉さん
『新聞がおもしろくない理由』(講談社)という本を読んだことがありますか?
光熱費、通信費、場所代を都道府県が払っているというのを全て調べて、
お金の面から突っ込んでいったから、それを受けて記者クラブもずいぶん動揺して変わってきました」
と言います
岩瀬達哉さんという人は、雑誌「Views」95年12月号〜96年5月号「新聞 正義の仮面の下に腐敗あり」と同97年1月から6月「株式会社朝日新聞の正体」を元に「新聞がおもしろくないわけ」という本を書かれています
そこには、「全国調査 記者クラブの便宜利益供与一覧表」と題して、日本中の記者クラブへアンケ−ト調査をした結果が掲載され、記者クラブの数の多さには圧倒されました
私は、日本に存在する記者クラブを全て網羅している機関がないことを今までの取材でわかっているので、このアンケ−ト調査に想像できないほどの労力が費やされたのだろうと理解できます
それに、便宜供与の具体的な金額が掲載されているわけですから、大きな問題提起になったのでしょう
この本の解説を書かれている上杉さんはその中で、この本は岩瀬さんからの新聞へのエ−ルだと言っています
今まで私がインタビュ−を受けた現役の記者さんは「官報接待は受けない」と話していました
通信費も登録している会社が会費を払って賄っている記者クラブも増えてきています
岩瀬さんのご苦労が実って、お金の面では随分改善されていると実感できますが、情報の独占という点では、古い体質のままとしか思えません
「警視庁の記者クラブもオ−プンにしたと言っていますが、質問ができないし、鎌倉も長野も実質は変わっていないと思います
石原都知事が知事になりたての頃『質問ができないなら意味がない』と秘書の方に文句を言ったら、それが原因かどうかわからないが、金曜日の定例会見とは別に、火曜日に知事主催の会見をするようになりました
そしたら、テレビから雑誌から女性誌からみんな集まった
でも、結局記者クラブから『情報が2回出る』との申し入れがあって、中止になったようです
所詮日本の記者はみな会社員だから、アメリカみたいに契約して、失敗したらクビなんていう危機感がないと思う。だがから、自分たちの仕事に係わることだし、上からもそう言われたら従うでしょう
会社が死ぬまで守ってくれるのならば、緊張感は出ない、書名がないのなら誤報を出しても誰が出したのかわからない状況ですし」
会社ぐるみでなぁなぁということなのでしょうか
アメリカのメディアは会社と個人の役割分担がはっきりしています
「誤報を出した場合、編集権は会社にあるから会社が責任を取って対応します
記事は記者が書くが、デスクや編集局長が記事をチェックします
それが間違いだったら、先ずはニュ−ヨ−クタイムズが責任を取って、訴訟の面倒も見てくれます
読者からら見れば、どの記者が間違いを犯したというのは一目瞭然だけど、彼を雇っているのは会社だからニュ−ヨ−クタイムズが責任を共有しまする
その記者をどうするかは、内部の問題で、この記者は大きな間違いを犯した、注意されたのに直さなかったということであれば、だいたいの記者は自ら去っていくのです」
一見すごく厳しいようですが、お互いを信頼しているから、自分の仕事もちゃんとできるという関係なのだと思います
それに比べて日本のメディアは、お互いの仕事を信頼しない前提でできている仕組みのような気がします
でも、それはメディアだけではなく、多くの日本の企業に言えることなのかもしれません
私たち日本の会社員は、何を恐れ、何を守っているのでしょうか
それは、間違いを犯すということではないかと上杉さんのお話から考えています
アメリカの記者の立場はすごくシビアで、誤報を出せば、責任を取ってその会社を去ることもあると聞きました
でも、たった1回のミスでクビとは厳しすぎませんか?
「人間だから間違いは必ず犯しますが、大切なのはなぜ間違えたのか、その根拠を自ら追究することだと思います
ニュ−ヨ−クタイムズはコレクションというペ−ジで毎日それをやっています
そのペ−ジには、訂正文を載せますが、毎日必ず訂正があり、訂正文の大きさも記事と同じくらい大きく掲載してひとつひとつ丁寧に間違いについて検証しています
間違えても検証すればいいのだ
いちばんいけないのは、間違えたことをごまかすことだという精神でしょう
嘘をついたり、盗用をやったら、その瞬間にその記者は業界に2度といられなくなります
それは、かつてピュリツァ−賞を取ろうが、どんな実績のある記者でもです
過ちを認めるか認めないかで、読者の見方が違ってきます
日本は一切の間違いを犯してはいけないが、間違いをごまかすことには寛容のような気がします
その点で、日本のメディアだけは、世界に於いて異質で、記者クラブはその最たる組織だと思います」
人間は間違いを犯すもの
間違った時に「ごめんなさい」と言うのは、当たり前のことだと思います(難しいことではあるけど)
間違った情報を流しておいて、それが間違いだと知ってもそのままにしている日本のメディアは、まともとは思えません
どうすれば良い方向に向くのか、上杉さんは2つ挙げられました
ひとつは世代交代です
「団塊の世代の層がいなくなってきているから、いまその下で海外へ留学したりして結構交流して、流石にこれはまずいだろうと気づいている人たちが上に行くと変わってくると思います
日本のメディアは、日本語という言語で守られていますが、現行の記者クラブは世界的には全く通用しない制度なので、もうそろそろ気づいてもいい頃じゃないかと思います」
もうひとつは、編集と経営の分離です
「日本のメディアは、現場にいた人がトップに上がっているが、アメリカでは有り得ないこと
アメリカの記者が理解できないのは、経営者が編集に口を出してくるということです
それは、経営者が元記者の先輩だから起きるのだと思う
アメリカ人記者にしてみれば、『彼らは経営の勉強をしていないのに、なぜ経営ができるのか』という感覚です
アメリカでは、記者が経営陣に入る時は、一度記者を辞めてMBAを取得するなど、経営者になるための準備をします
違う職業になるのだから、そこで記者のキャリアはなくなる
ジャ−ナリストが経営者になるのもおかしいし、経営者が編集について何か言うのもおかしい
それがちゃんと峻別されているから、編集の独立が維持されているのだと思います。
日本だと経営と編集が一緒になっているから、上が記者クラブを守りたいと言えばそうなっちゃうのでしょう。
先日、この点を質問してみたら、ニュ−ヨ−クタイムズの上海支局長は信じられないと言っていました。た
『ニュ−ヨ−クタイムズでそんなことが起きることは、想像だにできない
もし仮にそういうことがあったら、全員辞めるだろう
そんな新聞はは持たない』と
記者クラブのある日本だから持ってるんだと思う
これが日本語じゃなくて英語だったら、先ずいちばん最初にメディアがぶっつぶれていると思う
金融ビッグバンで銀行が潰れたりして財界は変わり、官庁もスキャンダルが報じられて変わった
唯一守られて変わらないのがメディア業界
メディアは、護送船団方式が唯一残っている業界で、最も先端だと言われているけど、実は最も古臭い体質を残していると思います
遠くない将来に、やっと放送ビッグバンが起こるんじゃないかと思っています
その時、記者クラブも生きながらえているのは難しいので、開放せざるを得ないという気がします」
先輩記者が経営者になる日本の会社組織を今まで疑ったことはありませんでしたが、言われてみればなるほどその通りです
記者が経営者になると、現場のことを知っている点で、良いこともあるでしょうが、経営面がよく破綻しないでやっていられるなと、今更ながら感心しました
上杉さんは、アメリカと日本を対比して、明確に日本の記者クラブの問題を実体験に基づいて話してくださいました
私は、アメリカ人を連想させる個人主義という考えは、あまり好きではありませんでした
でも、仕事ということで見ると、個人主義なのは当たり前だと思えます
日本人特有の奥床しさも、あらゆる面で美徳だとも思います
でも、最近特に感じているのですが、ジャ−ナリストとして何かを発信する時、奥床しさなんて必要ない
自分の責任に於いて、自分の考えをはっきり言うのがジャ−ナリストなんだと、身を持って感じている私です
自分の名前を言わずに発言することが、責任を取っているとは、とても思えません
日本のメディアはそれが当たり前になり、そのことは、私たち日本人の象徴であるように思います
個人の責任を問わないなぁなぁとした社会
読者が、無責任なメディアを許しているのは、自分も責任ある行動を取っていないからではないでしょうか
上杉隆さん プロフィ−ル(「田中真紀子の正体」草思社より引用)
1968年福岡県生まれ。都留文科大学文学部英文科卒業。在学中より富士屋ホテルに勤務。大学卒業後、テレビ局報道局に勤務し、その後、衆議院議員公設秘書を務める。
1999年7月よりニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者となり現在に至る。2001年には田中真紀子問題を精力的に取材、『週刊文春』を中心に執筆し、大きな反響を呼んだ。2002年春には、これらの報道で「第8回雑誌ジャーナリズム賞企画賞」を受賞。著書に『田中真紀子の恩讐』『石原慎太郎「五人の参謀」』『議員秘書という仮面』(いずれも小学館)がある。
<文責/泉 あい>
6/13 訂正 上杉さんの発言の中で、補足や語尾のニュアンスなど、上杉さんよりご指摘いただいた箇所に訂正を入れさせていただきました
<お詫び>
上杉さんとのインタビュ−の日、電車の中でトラブルに巻き込まれ、待ち合わせの時間に大遅刻をしてしまいました
そのために、お話を聞く時間が短くなってしまいました
上杉さんには、大変ご迷惑をおかけしましたし、読者の方には、ロスした時間があれば、もっと深い内容のお話が聞けたかもしれないと、申し訳なく思っています
余裕を持って出かけたつもりでしたが、遅刻したのは私のミスです
大変申し訳ありませんでした
次は、政治評論家の板垣英憲さんへのインタビュ−をUPします
今回の取材記でも、前回の取材記でも話題に上った団塊の世代の方です
毎日新聞社の記者時代には、数々の記者クラブへ所属なさっていました
それぞれの記者クラブでの裏話と、団塊の世代の言い分も聞いています
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コメント
とても読んでいて参考になりました。知らぬが仏とは良く言ったものです。今後も期待してます。
投稿: 某S | 2005年6月 9日 (木) 21時23分
あいさん、すごく!面白かった!
(なんかストレートな表現で芸もなくてすいません・・。)
あいさん自身の記事も(実感というか意志というか?を感じる文章っていうか)
どすっと?してて、良かったなぁ、なんか・・。
しかし「ジャーナリスト」とか「ジャーナリズム」だけの問題でもないのかもしれないですね・・・。
こういうのってマスコミに限らずありますもんね・・。うーん。
ともかく海外の目線っていうのはとても面白いですね。
逆に海外だと、日本に比べてどこらへんが問題なのかなぁ・・・。
やーなんか次号も楽しみだなぁ・・
投稿: ぼこ。 | 2005年6月 9日 (木) 21時39分
某S さん
私は、この歳で一度も海外に出たことがないんです
珍しいでしょ?
日本しか知らないから、すごく勉強になりました
ご期待に添えるようがんばりますので、応援してください
投稿: ぁぃ | 2005年6月 9日 (木) 21時47分
ぽこ。さん
ぃゃぁ、上杉さんのお陰です
録音を聞いてみても、私は「ほぉ〜」とか「はぁ〜」しか言ってません
上杉さんのお言葉をそのまま書き出すのがいちばんいいのかもしれないけど、私にもちっちゃいプライドがありますので
海外のことを知ると、日本のことがよくわかりますよね
>しかし「ジャーナリスト」とか「ジャーナリズム」だけの問題でもないのかもしれないですね・・・。
こういうのってマスコミに限らずありますもんね・・。うーん。
組織の中にいると、特にそう思われるのかもしれませんね
私もそうでしたから
「会社ってこんなんでいいの?」と思うことは多かったです
海外の問題にも興味あります
日本の良さもあるはずなんです
そこを見つけたいんですけどねぇ
投稿: ぁぃ | 2005年6月 9日 (木) 21時54分
記者クラブ制度に対しての批判はそうだよなって思うんだけど、ところどころにコンプレックスというか、ひがみみたいな部分が見えてちょっとガクンて感じっす。
日本のマスコミが基本的には6大学を卒業した人か、優秀な大学を卒業した人しか採らないというけど、優秀なら人材ならいいんじゃないの。きっとそういう大学に行こうと思う人は高校生の時からジャーナリスト志望だったりするんだろうし。新聞社受ける人数も他の大学の学生より多いから、受かる人が多いのもしょうがない気がする。
あと、「NHKの記者に『ネタを取っているのにどうして書かないんですか?』と聞くと『番記者制度だから』と言う」とあるけど、これは体験談かしらん?「たとえばそう聞けばそう答えるよ」っていう仮定の話?
あと、石原都知事が金曜日の定例会見とは別に火曜日にも知事主催の会見をしていたのに「結局記者クラブから『情報が2回出る』との申し入れがあって、中止になった」というのは本当だとしたら、絶対に許せない。
数多く指摘されてる日本マスコミの悪行の中で、これが最もひどい仕打ちだと思うのだけれど、ここだけ上杉氏はずいぶんサラリと語っているのは何故?「申し入れ」の事実は確認したのかしらん?それとも「多分そんなことだろう」的な話?都庁側からそういう説明を受けたのか?実は会見に来る記者が少なくてなんとなくやらなくなってった、てなことでは?
投稿: ちょっと一言 | 2005年6月10日 (金) 01時10分
>ぁぃさま
私も同じような感じですね。最近、九州に初上陸な人です。
>ちょっと一言なひとへ
最近の早稲田大学の学生とかを実際に見ていますが、みなさん優秀なんですかね?とクビをかしげます。一部の優秀な人がマスコミに殺到する時代でもないようですから、気にしすぎかと思います。
投稿: 某S | 2005年6月10日 (金) 21時11分
>フリ−や雑誌は1回だけの取材で済むかもしれませんが、記者クラブへ所属している記者は、毎日そこへ通わなくてはなりません
この考え方には賛成できません。
異動もあるし、何かあったら会社が守ってくれるサラリーマンジャーナリストと、フリーランスは違います。
フリーランスの名刺には自宅の住所と電話番号を刷らなくてはいけないのです。
多くのフリーランスは、専門分野がなくては生き残っていけません。サラリーマンジャーナリスト以上に人間関係や、自分の発言の重みが大きいのです。葛藤の大きさもサラリーマン記者以上だと思いますよ。
使い捨てライターに政治の記事を書かせてくれる媒体なんてありません。
投稿: フリー | 2005年6月14日 (火) 09時41分
ちょっと一言さん
コメントを返すのが遅くてすみません
NHKへの質問の話ですが、体験談ですょ
「情報が2回出るから」という理由の件は、そのお話を聞いた時、私も「なんで?なんでなんで?」と思わず何度も質問していました
上杉さんも「わからない」とお答えくださいましたが、2人の間には呆れたという空気が流れていました
だからサラリということではなかったです
表現が悪くて申し訳ありません
投稿: ぁぃ | 2005年6月16日 (木) 13時33分
フリーさん
全国紙の記者なら異動もあるでしょうけど、地方紙の記者は、ずっと同じ記者クラブに所属することもあると聞いています
>何かあったら会社が守ってくれるサラリーマンジャーナリストと、フリーランスは違います。
そのことは、私も充分理解しています
でも、どちらの記者も、葛藤や苦悩を抱えているのだと思います
そして、どういう立場でジャ−ナリストとしての活動をするのか、どう活動するのかは、個人個人の意志が決めることだとも思います
投稿: ぁぃ | 2005年6月16日 (木) 13時48分
CommentBack From GripForum
>石原都知事が知事になりたての頃『質問ができないなら意味がない』と秘書の方に文句を言ったら、それが原因かどうかわからないが、金曜日の定例会見とは別に、火曜日に知事主催の会見をするようになりました
そしたら、テレビから雑誌から女性誌からみんな集まった
でも、結局記者クラブから『情報が2回出る』との申し入れがあって、中止になったようです
知事主催の会見がどういう経緯で中止になったのか、東京都庁へお話を聞かせていただけるようお願いしました
随時ご報告します
投稿: 泉あい | 2005年6月24日 (金) 12時49分
あいさん♪
本当にお久し振りですっ☆
やっとじっくり読みに来れましたっ!
ジャーナリズムの様な影響力の
大きい世界では、その組織が
大きければ大きい程、色々と複雑な
状況も相俟って、記事内容に規制
がかかってしまう事もあるのでは
ないかなぁと思うキョウコノゴロです。
私自身、あまりアメリカのメディア
は好きになれません。
実際、ヨーロッパでの評価は、
「ホイ来た、またもやお涙頂戴
仕上げ」(BBC/ナイン・イレブン時)
という冷ややかなクリティークが
多かったです。
でも、やっぱり体を張って情報を
提供してくれるジャーナリストの
方々には感謝しています♪
これからも是非頑張って下さい☆
投稿: クネヒトアキコ(おさるっち) | 2005年6月30日 (木) 08時15分
クネヒトアキコ(おさるっち)さん
ぉ久しぶりですね
私は海外のことはとても疎いので、いろいろな情報を教えてもらえてるとありがたいです
ヨ−ロッパでは、日本についてどんな風に思われているんでしょう
日本についての報道って頻繁にあるものですか?
極東の出来事なんてあまり関心を持たれてないのでしょうか
投稿: ぁぃ | 2005年6月30日 (木) 12時19分
こんこんですっ☆
私の様な素人の意見で本当に
申し訳ないのですが、
ヨーロッパで日本がどの様に
取り挙げられているか、
私が分かる範囲に限られちゃうの
ですが、少しでもお手伝い出来たら
私も嬉しいです。0(*∩_∩*)0
さて、ここ2,3年ほどですが、
ヨーロッパでは日本ブームが
起きているんです。
例えば、ファッションとかを見ても
日本は真似される側になった
というワケなんです。
そんな影響もあってか日本の事
(愛知万博や新潟の地震情報など)
も普通に取り挙げられる様になった
気がするんです。ただ日本の場合、
やっぱりヨーロッパでも経済が最大
の関心事なので、経済番組の方が
よく取り挙げている様です。
ただ、一般のNEWS番組では、
あまり多くないですね。。。
日本でヨーロッパの情報を
取挙げる率と同程度です。
でも、ヨーロッパでは日本を
好意的に評価している国が
殆どだと思います。
私がイギリスに留学していた80年代
半ば頃は、まだ「サムライ」とか
「キモノ」という風なステレオ・タイプ的
な考えが支配している様な傾向も
あったんですが、今は柔軟性のある
若い人達を中心に、日本に対する
興味の輪が広がっている様です。
愛知万博に参加したスイス人が
スイス(仏語圏)のニュースで
「日本はとっても礼儀正しく親切で、
心が温かい人が多く、本当に素敵
な国。今度はプライベートで遊びに
来たい」とインタビューで言っていた
のを聞いて、これこそ日本の誇れる
アイデンティティなんだなぁ♪
って改めて思いました。
ヨーロッパでは、こうした日本の良い
風潮を重んじる方々に美に等しい
敬意を持つ人が多いんです。
逆に、アメリカに対しては
「今度は何?」という感じで、
冷たい反応が多いですね。。。
日本的な言い方をすると、
「もうそろそろ空気を読んでよ」
という感じです。(笑)
。。。と少し戯言が過ぎた様で
すみません。m(。≧ _ ≦。)m
私も久し振りに良い記事&会話が
できて本当に嬉しいです☆
これからも面白い記事を楽しみに
しています♪\(^▽^)/
投稿: クネヒトアキコ(おさるっち) | 2005年6月30日 (木) 18時24分
おさるっちさん
ありがとうございます
ヨ−ロッパでは、日本はアメリカの子分だとは思われていないのでしょうか
>例えば、ファッションとかを見ても
日本は真似される側になった
というワケなんです。
日本のアニメがヨ−ロッパで流行していると聞いたことがあるんですけど、アニメの影響もあるんでしょうか
日本では、相変わらずファッション誌がパリジェンヌの特集を組んだりしていますょ
私は素材が違い過ぎて参考になりゃしないと思って羨望していますの
いろいろ質問してごめんなさい
でも、私も久しぶりにおさるっちさんとおしゃべりできて楽しいです♪
投稿: ぁぃ | 2005年6月30日 (木) 21時55分