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2005年5月31日 (火)

記者クラブの表と裏 【取材記6回目】 

Takeuchi 5月26日取材

【取材記5回目】では、鎌倉市役所に「広報メディアセンタ−」が設置されたことについて、市役所の職員の方にお話を聞き、メディアセンタ−に登録している会社にも電話をして話を聞きました
でも、メディアセンタ−の設置前と設置後での違いや、鎌倉市と他の自治体との違いがあまりはっきりとわかりません
そこで、その政策を打ち出した竹内謙前鎌倉市長にお話を聞いてきました

とてもお忙しい方なので、短い時間で要点をつまんでの質問でしたが、お話を聞いて明確にわかったことは、私は、竹内さんに誤った期待をしていたということ
竹内さんが、広報メディアセンタ−の設置をなさったことは、鎌倉市長であるとうい前に、元朝日新聞の記者であったという点で、私は大きな期待をし、取材をはじめました
元記者さん視点から、記者クラブの変革を望まれてしたのだろうと考えたわけです
ところが、鎌倉市に行ってみると、鎌倉記者会という記者クラブは存続し、実情に大きな変化はなく、市の職員にも当事者意識がないと感じました
「画期的な試み」と当時のマスコミは取り上げているのに、実際には、記者クラブと広報メディアセンタ−の違いがはっきりしない
何が画期的なことだったのか、それを知るためのインタビュ−でした

竹内さんと話してみて、竹内さんは、ジャ−ナリストではなく、市長としてメディアセンタ−を打ち出したのだとわかりました
鎌倉市として、公のスペ−スである場所を鎌倉記者会のメンバ−だけに提供しているのはおかしい
公共のスペ−スだから、誰もが使える空間にしようというのは、竹内さんが市長としての仕事をしただけのことだったのです
その発想は、元記者だったから生まれたものなのかもしれません
竹内さんは、ジャ−ナリストとして気づいた部分を、市長として変えたということなのです
記者クラブへ問題提起をするとか、鎌倉市の報道が変わるんじゃないだろうかというのは、当時の雑誌やフリ−の人や私の勝手な期待
「あとは記者たちの問題」と竹内さんがおっしゃるように、記者会をどう運営して行くかは、記者たちの問題で、鎌倉市の職員さんに当事者意識がないのは当然のことなのかもしれません

疑問なのは、公共の場所だからオ−プンに提供しましょうという竹内さんの発想は、すごくまともだと思えるのに、多くの記者クラブがオ−プンにされていないということです
どうして省庁や自治体は、公の空間を開放しないのでしょうか

また竹内さんは、記者クラブの問題について、
「記者自身が動いたところで現状は何も変わらない
記者個人はとても弱い立場で、問題意識があったとしても、それを言うことはできない
問題があるのは経営陣だ」
ともおっしゃいます
私は、もちろん経営陣にも問題はあると思いますが、鎌倉記者会のように変わっていない実情は、そこに存在する記者個々の意識も関係があるような気がします

そこで明日の取材記は、現役の記者さんへのインタビュ−をUPします
記者クラブにについてどう考えていらっしゃるのか、記者クラブという空間がどういうところなのかも含めて聞いています

記者クラブとは別ですが、竹内さんがインタ−ネット新聞『JANJAN』の社長さんでいらっしゃるということで、『JANJAN』やネットジャ−ナリズムについても質問してみました
韓国の「オ−・マイ・ニュ−ス」の呉社長と会談なさっていることもあり、「JANJAN」が目指すものは「オ−・マイ・ニュ−ス」なのですか?という質問をしてみました
すると、
「国民性が違うので、それぞれのやり方がある」
というお答えで、その後のネットジャ−ナリズムに関する質問には、
「韓国人は、自分の意見をはっきり言う」
と竹内さんがおっしゃって、自分の考えを持って生きてこなかった私が、今はネットジャ−ナリズムの中で生きている
とても考えさせられる部分でした

    【 覚書 】

  • 竹内謙さんへのインタビュ−

    竹内 謙さん
    (たけうち けん)1940年生まれ、早稲田大学院修士。
    朝日新聞編集委員、鎌倉市長を歴任。
    現在は日本インタ−ネット新聞社代表取締役社長。
    早稲田大学、江戸川大学各客員教授
    『環境自治体共和国』(PHP研究所、1993年)、『地球人のまちづくり』(海象社、2001年)
    (「職業としてのジャ−ナリスト ジャ−ナリズムの条件1」より引用)

    Q.記者クラブについての問題は、一旦記者クラブから離れて感じたこと?
    A.中にいる時から。問題が多いってことは、中にいる時から感じていた。

    Q.記者の時代に「こんな問題があるぞ」と声を上げることはなかった?
    A.それはなかった。あんまりやらなかった。

    Q.それは言えない空気だから?
    A.言えないというよりは、やっても効果ないから。ひとりやふたりでやってみても、それは権力との癒着行為だから、そんなことはやっても効果がない。
    私は、記者クラブとは全然別に、勉強会を組織したりというようなことはやっていた。

    Q.その勉強会の中では、記者クラブについて考えることもあった?
    A.そうじゃなくて、自分たちが自主的に、取材をするような活動をしなきゃいけないんで、隷属的な組織だからおかしいわけで、だから自分たちが独立していろんなことをやっていたけどね。
    今の問題点は何かというと、公の役所から便宜を強要されて、そしてそこへ情報をたくさん持ち込まれてそれを処理するのにきゅうきゅうとしている実態。
    自分たちが独自に勉強するのは、差し支えない。そうするべき。

    Q.記者クラブの中にいると、問題を問題だと気づかないこともある?
    A.まぁ、そうでしょうね。

    Q.そういう方の方が多い?
    A.そうですね、気づいていても何もできないしね。
    新聞協会が何度も見解を変えながら、問題点はわかっているわけで、新聞協会が出した見解は大分良くなっている。
    それは、我々がいろんなことをやったこともあって、改善されて、その主旨は良くなった。
    ところが、問題は、新聞協会が出している主旨と、今の記者クラブの実態に乖離があり過ぎるということ。
    その見解通りにしさえすれば、そんなに問題はない。
    記者クラブは、自分たちだけのものではなくて、オ−プンにしなきゃいけませんよとか、FAXだとか何だとか便宜強要を受けてはいけませんよ、実費は払いなさいよとか、そういうことがみんな書いてあるから、その通りにやればいい。

    Q.鎌倉市についてですが、1996年の1月9日に「広報メディアセンタ−を設置する」という記者会見まで、1年間の検討期間があったと聞いているが、具体的にはどういう動きがあったのか?
    A.私が指示をして、内部で検討した。

    Q.鎌倉市の職員の方も、記者会見の後、竹内さんが随分苦しまれたようだとおっしゃっていましたが、記者の中には横柄な態度を取る方も中にはいた?
    A.当時のことはもう忘れちゃってるから、当時書いたものじゃないと。

    Q.具体的な態度までは、書かれていないと思うんですけど、ほとんどの記者の方がメディアセンタ−に反対した?
    A.そうですね。問題点がわかってないから。

    Q.鎌倉市では、記者とは文書だけでやり取りしたと伺ったのですが、記者と個別に口頭でのやりとりもあったわけですね?理解してもらうために試行錯誤した?
    A.そりゃありました。試行錯誤もしました。月刊文春(1996年6月号)に「クソもミソも一緒にするのか」という言葉が記者から飛んだというのがあったでしょ。

    Q.あれは、実際に記者の口から出た言葉ですか?
    A.そうそう。実際に出たから書いた。

    Q.じゃあ横柄な態度だった?
    A.そうですね。

    Q.鎌倉記者会は今も存続していて、結局のところ、広報メディアセンタ−の設置と後では、何が変わったの?
    A.記者会というのは、「自分たちの自主的な親睦団体です」と言ってるわけですよ。それをいくら作って活動やったって何の問題もないわけです。送別会であったり歓迎会や、酒飲み会やったり、そういうことを自主的にやっている分には何の問題もないわけです。そんなのは大いにやったらいい。
    だから、メディアセンタ−を作ったって、そのもの自身が存続しているのは当たり前のこと。
    それが、役所の公有財産を使う時が問題。
    そこを私はオ−プンにしなさい。全ての人が使えるようにしなさい。そういうル−ルが大事なんです。それだけのこと。
    公共の仕事だから役所の部屋を与えてもいい。与えてもいいけど、独善的に使うことはいけませんよ。オ−プンになっていればいいですよ。こういうことです。

    Q.タウン誌やFMの方が記者会見に出れるようになったということですが、メディアセンタ−が設置される前でも、個々で行けば情報をもらえることができたと鎌倉市の職員の方に聞いた。じゃあ、設置前と後と何が違うの?ということで、登録している会社に電話をして聞いてみると、メディアセンタ−という部屋も、記者会以外の人は使えていないというのが実情。使えないから困るということではないので問題にはしないが、オ−プンにしたと言っても部屋は使えない。だとすると、記者会見に出席できるということぐらいしか変わった点はないように思うのですが?
    A.記者会見に出席できる。記者クラブの部屋を利用できる。こういう原則が大事なんだ。

    Q.先ずはそこから?
    A.先ずはじゃなくて(笑)実態がそうなるかどうかは、それぞれの記者の利用の仕方が問題なのであって、役所の問題でない。役所として大事なのことは、そういう原則を作るということ。誰でも使えますという原則を作ることが大事なこと。後は使う記者の問題。

    Q.では、市民の知る権利という部分で、大きく変わったことは?
    A.市民の人たちは、誰でもメディアの人が使えるということになるんだから、それは間接的にはどのメディアからでも記者クラブを使って発信できるということだから。

    Q.鎌倉市の方に、メディアセンタ−設置前と後での違いについて聞くと、市民の方が発表してほしいことをメディアセンタ−に持って来れるようになったので、メディアと市民が近くなったということで、それは非常にいいことだなと私も思ったのですが、よく話を聞くと、それはメディアセンタ−設置前からできていたことで、市民にとって大きく変わったことはどんなことなんだ?
    A.それは別に変わりはない。良いル−ルはそのまま引き継げばいいので、良いル−ルを変える必要はない。

    Q.1996年4月20日の市民の集いで、「メディアの方々と市民が接近しやすい場にしていきたい」とおっしゃっていますが、当時はあまり近くなかったの?
    A.う〜ん、その点はあまり変わってないでしょ。
    あのね、記者クラブの改革っていうのは、元来はそれを構成している記者たちが考えるべき問題なんだよ。役所が考える問題じゃないんだよ。
    但し、1点だけ考えるべき記者クラブの問題がある。それは何かと言うと、公有財産を無償貸与しているわけでしょ。公有財産の使い方の問題。この点だけが役所が係わる問題なんですよ。
    記者クラブそのもの自身の問題は、記者クラブの構成員が考える話なんですよ。
    役所としてやるべきことは、この使い方が本当に役所の公有財産の管理として正しいやり方かどうかというだけなんだ。それだけのこと。
    だから私が考えたのは、ある決まった人たちだけが公有スペ−スを使っているのはおかしいから、オ−プンにしなさいと言った。それだけのこと。

    Q.朝日新聞の記者ご出身ということで、後輩である記者さんたちに愛の鞭というか、問題提起をしたかったということでは?
    A.それは、新聞協会がそういう見解に立っているわけ。オ−プンにしなさいと、ずっと前から書いてるわけだから、役所の方でもその通りにした。当たり前のこと。

    Q.では、他の自治体に問題提起をしたということになる?
    A.私が鎌倉市長であるというのは、私の権限が及ぶのは鎌倉市だけのこと。お隣の町や村には関係のないこと。私がやることは、鎌倉市だけのこと。それがいいと思えば他も真似すりゃいいだけのこと。

    Q.他の自治体から「お話聞かせてください」という申し出は?
    A.それは散々あった。

    Q.私が知っている限りでは、長野県と東京都(東京都は白紙に戻った)だけですが
    A.いやいやもっとありますよ。

    Q.報道されなくてもいっぱいある?
    A.結構あるよ。私が知っているだけでも20ぐらいある。

    Q.じゃあ問題提起にはなってますね?
    A.まぁ、ささやかにね。全体的に広がってはいないから。中央省庁なんか何も変わらないじゃん。

    Q.昨日現役の記者さんにお会いしたら、少しずつ良くしていこうという意識があるように感じたけど。
    A.まぁそういう意識はできてきてるでしょう、だんだんね。

    Q.時間はかかるかもしれないが、問題提起になったのでは?
    A.遅いよね。役所の行政改革を批判ばっかりして、自分たちの改革はちっともしていない。誠に遅い。
    全然だめだよ。政官財癒着なんていうことを批判してるんでしょ?自分たちだっておんなじじゃない。政官財癒着の象徴みたいなもんじゃない。談合批判してんだろ?橋梁の談合を批判してるんだろ?役所と建設会社がつるんで談合してるのがけしからんって言ってるんだろ?記者クラブ談合やってるじゃないか。あれは談合組織だよ。

    Q.それを変えていくためには、記者個人個人が問題意識を持って、動くしかないですか?
    A.もちろんそりゃそうだけどね、もっと悪いのは新聞社の経営者側の態度。
    だって、癒着の構造を認めているわけだから、そこがいちばんの問題。経営者が悪い。一階の出先の記者はなかなか言えないよ、そりゃあ、ひとりひとりの力は弱いんだから。
    だけども、間接的に見れば、「お前たち役所や経済連と癒着しとけ」と言ってるようなもんだよ、記者クラブはそういうもんだよ。それがいけない。象徴的な問題ね。

    Q.記者ブログをいろいろ見ていると、プレスリリ−スをそのまま流すのが精一杯で、なかなか足を使って取材をすることができないと書いてあるところもありますが
    A.それが実態でしょう。そのブログに書いている人は正直だと思う。
    でもね、出先の記者から直そうと思ったって、あまりにも構造が大きくなりすぎているから、やっぱり直りませんよ。それは、経営者の方がもっとしっかりしなきゃいけないと思う。
    それは、経営者が集まった新聞協会というところが見解を出せば、立派な見解ができるわけよ。その見解通りにすればいいだんよ。
    役所が作文書いてるのと同じ。作文じゃ立派なこと言ってるけど、政策は具体的にならない。

    Q.新聞協会のやっていることは役所と変わらない?
    A.変わらないねぇ。

    Q.変えて行くためには、読者が監視して声を上げなきゃだめ?情報を与えられて鵜呑みにしててはだめ?
    A.読者ねぇ、原則的にはそうだけど、読者もみんなもうわかっているから。
    今新聞に書いていることはどういうことか、テレビで流していることはどういうことか、少なくともメディアリテラシ−じゃないけいけれども、新聞を読み取る力がある人たちは、どういうことかみんなわかっている。
    だけどどうしようもない。なかなか改革ができないだけの話。

    Q.そういう意味でこちらの「JANJAN」を立ち上げられたの?
    A.もちろんそれもあります。

    Q.既存のメディアとは全くちがう?
    A.そりゃあ全然違います。

    Q.読者の声がダイレクトに聞こえるという点?
    A.読者というか・・・、新聞の読者がイコ−ルうちでの記者だからね。
    うちの主旨は、みんなが記者になって、ニュ−スを発信しましょうということだから、読者イコ−ル記者だから。読み手イコ−ル書き手だからね。
    そういうことができるようになったのは、インタ−ネットというすごいツ−ルが開発されて、普及されてきたから。
    今までの新聞とかテレビとかは一方通行でしょう?自分たちの情報を流すだけでしょう?それを読者なり視聴者は読んだり見たりするだけのことでしょ?発信するわけじゃないでしょ?
    それをインタ−ネットは、双方向性が可能になったから、だからみんなが記者になれる時代でしょ?ということです

    Q.参加型ジャ−ナリズムということ?
    A.みんながニュ−スを書けばいいじゃないですか、とこういうこと。

    Q.韓国の『OhmyNews』の呉連鎬(オ・ヨンホ)社長とも会談なさっていますが、目指すところは『OhmyNews』?
    A.いえ、『OhmyNews』を参考にしながらやったということ。
    日本と韓国では状況が違うから、日本は日本の考え方でやって行かなきゃしょうがないですよ。

    Q.『OhmyNews』と『JANJAN』の大きく違うところはどこ?
    A.筆者が違うでしょう。国民性も違えば国事も違うわけだからそりゃ当然違うものになる。

    Q.『JANJAN』は報道機関になるの?
    A.報道機関

    Q.私は、<市民記者コ−ド>に引っかかるが、そもそも市民記者コ−ドとは、市民記者の守るべきル−ルのこと?
    A.そうですね。

    Q.では、「1.記事は市民記者個人の責任で書きます。」は、『JANJAN』としては、ここに書かれていることに責任は負いませんよということ?
    A.まぁそういうことになる。

    Q.では、報道機関でありながら、ここに書かれていることは嘘かもしれませんよということ?
    A.そんなことはないけどね。
    大原則はこういうことで、これを約束してはじめて新聞記者に登録ができる、これを約束しないと新聞記者にはなれない。だから、そういうつもりで書いてくださいよという意味。
    それを掲載するのがうちですから、うちには掲載責任がある。
    だから、うちでもこの記事に間違いがないかどうかということについては、できるだけのチェックはしている。
    こんなことは記者として当たり前。今のマスコミの記者だって同じ。朝日新聞の記者だって、あくまで書くのは個人の責任で書く。それ以外誰が責任を取るの?個人の責任で書いて、社も掲載をする責任を持っているということ。こんなケ−スは、どこだって同じ。
    個人が盗作をすれば、その人が罰せられるんでしょ。それはニュ−ヨ−クタイムスだって朝日新聞だってみんな同じでしょ。同じことよ。

    Q.ネットジャ−ナリズムと既存のジャ−ナリズムですが、竹内さんご自身は、共存していくのがいいと考えているの?
    A.まぁそうでしょうね。共存していく時代になるでしょうね。
    それは、ツ−ルとしてはインタ−ネットがはるかに優れている。今新聞は、紙に刷ってトラックに積んで運んで、自転車に積んで毎朝配るでしょ?
    インタ−ネットは、茶の間に直接IT技術で飛んでいくんでしょ?
    これ比べてごらんよ。インタ−ネットの方が、通信の情報を伝達するツ−ルとしてははるかに優れているでしょう。
    じゃあだからと言って、紙のメディアがなくなるかと言ったら、なくなるとも思わない。
    紙は紙で必要な部分があるから。紙で訴える力という特性を持ったものは当然あるから。

    Q.それは信憑性ってこと?
    A.信憑性は関係ない。信憑性は両方あると思う。
    だって、紙に書いたものだって全然信憑性がなくて、捨てられていくものはたくさんあるわけ。インタ−ネットにだって、下らなくて見向きもしない情報もたくさんある。
    我々は、「これは信用できる情報だ」「これは参考になる情報だ」と選びながら使っているわけでしょ?そういう時代になるよね。
    おかしなものはたくさんあるよ、インタ−ネットも紙のたくさんあるよ。

    Q.一般的には、インタ−ネットの信憑性が低いと思われていると思うのですが、信憑性を高めるためには、そこで活動している人たちにかかっていると思う?
    A.インタ−ネットを開くと、無数の情報が出てくる。それは使い方の問題であって、その無数の情報の中で、どこを見ていくか、正にインタ−ネットを利用する人の目の問題。
    これが肥えてこないとインタ−ネットは上手に利用できない。
    だけど、紙だったらみんな信用できるのかと言うと、紙だって信用できないものはたくさんあると思う。
    それはやっぱり媒体の違いだからね。

    Q.これから読者によって淘汰される?
    A.淘汰されるかどうかはわからない。
    でも、無数にある中で「こことこことここを見よう」という選別は当然個人個人が既にしてる。しなきゃ利用できない。
    だから、ライブドアの堀江さんがやっている通信と放送の融合?こういうことは、時代の要請として当たり前のこと。
    放送とも融合しなきゃしょうがないし、放送とも融合して行かなきゃしょうがないし、それはもう当然そういう方向に行くことは間違いないです。
    で、だんだんバランスが変わっていく時代に突入してるんだろうと思う。
    それがどういう決着点に行くのかと言うと、それは見えない。誰もわからない。わからないけれど、融合が必要なことは間違いない。

    Q.アメリカでは、ブログの記者が記者会見に出たりしていますが、『JANJAN』の記者が記者会見に出れるように要請したりということはあった?
    A.それは今やってない。ライブドアは少しやってるでしょ?うちではやってない。

    Q.考えてもない?
    A.はい。

    Q.それほど記者会見は重要ではなく、それよりは独自に取材した方がいい?
    A.そう。他にたくさん情報はあるから。
    あんな政官財癒着の記者会見を聞いても、大して役には立たない。

    Q.今市民記者さんは何名くらい?
    A.2000名くらい。

    Q.実際に常時記事を書いていらっしゃる方で2000名?
    A.うん。

    Q.そんなにいらっしゃるの?みんな世の中に何か言いたいと思っている?
    A.そういう需要は当然あると思う。
    それを韓国と比べてみると、韓国の方が爆発的に多い。

    Q.それはインタ−ネットの普及率ということでは?
    A.いや、普及率はあんまり関係ないと思う。国民性の問題だと思う。

    Q.日本人と何が違うの?
    A.ものすごく自分の考えを言う。韓国の人は、自分の考えをものすごくはっきり言う。
    日本の教育は、そこが足りない。自分の考えを言うディベートという教育が足りなかった。

    Q.視点や切り口だけでなく、何を記事に選ぶのか、何を書くのかというところも記者の主観だと思うが、今の記者に主体性が欠けている人が多いと思う?
    A.う〜ん、主体性は持ってるんだろうねぇ。役所の言っている通りに書くっていうのも、ひとつの主観だからなぁ。(笑)
    そういうのに慣れきっちゃって、わかんなくなってる。

    Q.慣れてわからなくなっても、それは主観?
    A.でも、それがニュ−スバリュ−が高いニュ−スだというものの考え方になっちゃってるから。
    例えば、通産省がこういう政策を取りましたというのが、そもそもニュ−スバリュ−として高いと思ってるから官報になっちゃう。
    財務省がこういう風にしました、通産省がこういうことをやりますというのが、ニュ−スとしてのバリュ−が高いという観念に記者がなっているから、官報になっちゃう。
    そういうマスメディアの状況。
    一方テレビの方は、バラエティみたいなことばっかやってる。(笑)

    Q.マ−ジャン囲うことはあるの?
    A.昔はあっただろうけど、今はぁ〜、あんまりないんじゃないの?今は流石に減ったんじゃないの?

    Q.昔ってどれくらい昔?
    A.20年くらい前じゃないの?
    20年くらい前は、国会の中をこどもたちが見学してると、すぐドア越しにジャラジャラ聞こえてたよ

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コメント

今回、あいさんが何にこだわり、追求しようとされているのか
正直、いまひとつぴんとこないのですが……それでも竹内市長の談話は面白かったです。
ここから先は役所の問題じゃないっていうとこ。その通りだと思う。
田中知事の「脱記者クラブ」とは、まったく意味合いが違うんだね。今さらながら。

それよりも、この前の広報課長へのインタビュー、あのまま掲載する了承は得ているんですか?
大丈夫かなあ……と気になるんですが。
こういうスタンスがいけない?>私。

投稿: 美也子 | 2005年6月 1日 (水) 15時53分

メチャクチャ忙しいので短いコメントなんスけど・・・
個人的には竹内さんのスタンス
一見淡々とした印象があるけど
自分にはとても好感持てますね・・・。

それから、なんかこう、書き手の気持ちやスタンスが
色々ブレながら取材している過程を読めるのは、自分にはとても新鮮かな。
あちこちで目にするきらびやかな正解、ぽくなくて。

まとまってなくてすみません、時間取れたらまたお邪魔しますね(^−^)ゞ

投稿: ぼこ。 | 2005年6月 2日 (木) 00時05分

あいさん、はじめまして。
以下のサイトに2003年3月15日・外国特派員協会で竹内氏が行った会見の動画があります(無料)
これを見ていたので今回のインタビューはなんとなく物足りないかも・・・
http://www.videonews.com/fccj-kishaclub.html

投稿: 莫 | 2005年6月 2日 (木) 19時27分

美也子さん
いつもありがとうございます

私が追求したかったのは、広報メディアセンタ−が設置された鎌倉市と今まで通り記者クラブがある自治体とでは何が違うのかということです
その違いを明確にすれば、記者クラブの問題がはっきりすると思って、そこにこだわりました
でも、実際にお話を聞いてみるとはっきりとした違いが見えずに戸惑ってしまいました
そして出た答えは、竹内さんは市長としての仕事をしたのであって、記者として記者クラブを改革しようとしたわけではないということ

鎌倉市の広報課長さんへは、録音することを伝えていますし、「紙もオ−プンなものだから出してもいいです」と了解を得ましたょ

投稿: ぁぃ | 2005年6月 3日 (金) 13時26分

ぽこ。さん
お久しぶりですね
お忙しい中、読んでくださってありがとうございます

>色々ブレながら取材している過程を読めるのは、自分にはとても新鮮かな。
間違った方向に進んでいると感じた時には、読者の方に注意していただきたいと思っています
読者に(取材対象者にも)監視されながら動いているという意識はいつも持っていなくてはいけないと心がけています
厳しいお言葉をいただくと、確かに落ち込みますが、真摯に受け止めなくてはならない
私は、読者の方に育てていただいています
今回は、コメントを返すのが遅くなっていますが、いつもうれしく読んでいます
対応が遅れて申し訳ありませんが、これからもよろしくお願いします

投稿: ぁぃ | 2005年6月 3日 (金) 13時47分

莫さん
はじめまして

URL教えてくださってありがとうございます
動画、拝見させていただきました
2年経っていますが、竹内さんのおっしゃることは一貫していますね
私は、実際にお会いできたのですから、演説では聞けない個人的な感情なども引き出せたらよかったのにと私自身もちょっと悔しいです
短い時間の中で、何をどう引き出すのか、もっとご期待に応えられるように学びますので、これからもよろしくお願いします

投稿: ぁぃ | 2005年6月 3日 (金) 14時46分

>あいさん
そうだなぁ・・「間違った方向」というやつですが
それが本当にそうなのかっていうのは、自分には全然自信は・・。
どちらかというと「マスコミ」ではなく
一人の人間がその人らしく感じたり葛藤している姿を通して
自分が取材対象を真剣に読めるのがいいんですよね、なんだか・・・・。
普通に報道されている「あの記事」といったように、ひとくくりにせず
その文章に取材した人間の気持ちのひだ(とでもいうのか・・)を感じられるというのが
私にはとても新鮮なんです。

誤字や脱字は確かに直していったほうが良いと思います
ただ是非はともあれ、やっぱりこれだけ精力的に取材しながら
あれだけの文章を起こすのって正直大変だと思うし
お体の具合も全開ではないようですから
くれぐれもお体にだけは
気をつけてください・・やっぱ体が資本ッスから。。


ネットのやりとりは神経も使うし
普通のやりとりよりもずっと骨身に沁みる事が多いと思うんですが
そういう事へ苦心して色々考えたり書いている姿も含め
気になってつい寄ってしまうのかなあ・・・。

なんだろうなぁ・・・ひらきなおっちゃえ、とかいうのではなく
時に自分の心の揺れそのものも大切にして欲しいなって思う・・
世間の「報道」ってものへの視線は厳しいものがあると思うけれど
あいさんはあいさんであり、だからそれでいい時もあったりするかな。と。

だんだんあいさんに書いているんだか、自分に書いているんだか
わからなくなってきたかな。笑。

さて〜ではわたしもそろそろ仕事に戻ります・・・。

はぁ。ワーキング・ウーマンは辛いよ・・。笑。

投稿: ぼこ。 | 2005年6月 3日 (金) 23時08分

(PS.返信書かねば!等、そこらは取材記書き終わってからでいいですからねー! 
実に私的なお手紙ですので。。
こんなのに返信するよっか
スイミンかキジに時間費やしてくださいネ(^−^)ゞ)

投稿: ぼこ。 | 2005年6月 3日 (金) 23時13分

ぽこ。さん

あったかい方ですね
私は、反日のテ−マの時に、ぽこ。さんからコメントいただいて、自分の友達が書いてくれたんだと思って、「ありがとう」ってメ−ルしたんです
そしたら「何のこと??」ってレスが来ましたw

このようなコメントをいただけると、読んでくださっている方のことイメ−ジしやすくて、「がんばらなくっちゃ」って気になります

お仕事の合間に書いてくださってありがとうございます
みんな大変な想いをしながら働いているんですもんね
そう思ったらがんばれます

投稿: ぁぃ | 2005年6月 5日 (日) 03時50分

お友達、びっくりしたでしょうね〜!笑。

ところで、取材記のスタイルのエントリの件ですが
是非焦らず自分なりの答えを・・。 
間違ったら直せばいいんだし!だいたい間違いなんて
時間が経たないとわからないと思うし・・・

過去の様々な記事読み返しましたが
あいさんが当時反省したりしている記事だって
「今」読み返すと、私にとって
当時では思いもかけなかった感情や読み応えに出会う事もあります。

ネットに関わっているうちに
自分の中に育ってくる色々な感情に惑わされず
組織に属さぬからこそ持てる強みを
マイペースに、最大限に、活用してください!(^−^)ゞ

応援しています。


組織の中で働く女性より。笑。
ではでは。。 

投稿: ぼこ。 | 2005年6月 6日 (月) 20時42分

ぽこ。さん
>だいたい間違いなんて時間が経たないとわからないと思うし・・・
本当にそうですよね
Q&Aが長すぎて読まれていないんじゃないかとは、薄々気づいていたのは確かです
でも、続けてUPして、はじめて見直さなきゃっていう気になりました
それでは遅いんですょね

組織で働かない自由さ
自由になると、意外とどうやって動いていいかわからないってことがあります
どう歩いて行けばいいのか、コメントでご指導していただけることに感謝しています
ありがとうございます

投稿: ぁぃ | 2005年6月 7日 (火) 11時09分

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