クリック募金に見る善意とは?
インタ−ネット上にある募金ボタンをユ−ザ−がクリックすると、その人に代わって企業や個人が募金をしてくれるクリック募金
スポンサ−がクリックに応じて募金をしてくれるので、ユ−ザ−は画面の前にいながらにして、無料で寄付ができるという画期的なシステムです
はじめにクリック募金に出会った時、とても不思議な感覚になりました
ただクリックをしただけで、社会に貢献できる
通っていた高校で教えられるままに「愛と奉仕」を唱えながら、いろいろな場所で体を使ってボランティア活動に参加した経験のある私にとっては、すばらしいシステムだと思う反面、違和感も感じました
「クリックするだけでボランティア活動をしたと満足してしまっていいものなの?」
クリックすれば援助を必要としている人の元へ募金が届くという素敵なシステムなのに、私の胸に生じたもやもや
それを解消すべく取材をはじめました
取材日3日目にして、そのもやもやは解消されることになります
クリック募金のスポンサ−企業である株式会社ジャパンエナジ−さんは、「ジャパンエナジ−は知らないけどJOMOは知ってるわ」とよく言われるそうですが、その社名を知ってもらうことと、スポ−ツを支援している企業だと一般の人に理解してもらうためにクリック募金は役立っています
「じゃあクリック募金は所詮広告か?」と思う人もいるでしょう
もちろん企業は、広告だと認識しています
クリック募金が広告までに留まるか、それともユ−ザ−自身が社会貢献活動に参加できるか
その境界は、クリックをするペ−ジにあると思います
ユ−ザ−は、普段なら開かないペ−ジを「募金できるなら」という気持ちから、ほんの少しの手間をかけてペ−ジをクリックします
そして、開いたペ−ジを見てユ−ザ−が何かを考えたとすれば、クリック募金は広告以上のものだったと言えないでしょうか
援助を必要としている人たちを知ること
そこから何かがはじまると私は考えます
そのきっかけをくれるとすれば、クリック募金は社会貢献活動と言えると、JOMOさんに教わりました
ユ−ザ−が何かを感じるためには、そのペ−ジに工夫が必要です
根底にあるのはユ−ザ−さんの善意なわけですから、リアルタイムにクリック数を表示し、具体的な金額や寄付先などの情報を明瞭にするのは言うまでもありません
その他に、ユ−ザ−のイメ−ジが広がる工夫が不可欠だと思います
援助を必要としている人たちの暮らしぶりや声などをユ−ザ−に伝えることも、寄付の情報公開と同様に意味があり、主催者側の義務だと言えるのではないでしょうか
ユ−ザ−がクリックするのを躊躇しないために、「企業の性質を見極めることが大切」と特定非営利活動法人 ハンガ−・フリ−・ワ−ルド(HFW)の広報担当者はおっしゃいます
企業の特色と寄付先を結びつけることによって、イメ−ジアップはより効果的です
ユ−ザ−が継続してクリックすることも重要なので、毎日開いても飽きないペ−ジ作りも必要でしょう
気軽にできるクリック募金は、主催する側にとっては気楽でないと感じます
個人でクリック募金をはじめてトラブルを起こしてしまったペ−ジもあるようです
機能的なシステムだからと善意ではじめたことが、クリック募金全体の評価を下げることにもなりかねません
ユ−ザ−の顔が見えなくても、1回のクリックには、ユ−ザ−ひとりひとりの心があることを忘れてはならないのです
街頭に置いてある募金箱より、ずっとイマジネ−ションが広がる素敵な募金にできるかどうか、私たちユ−ザ−にもその責任が委ねられている気がします
ただクリックするだけでは募金をしていることにはならない
クリックをして、そのペ−ジを見て、何かを考えることによってはじめて募金をしている
本当のクリック募金とは、何かを知ること、そして考えることだと、取材を通して知りました
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