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2005年4月16日 (土)

中国人に問う「あなたは反日ですか?」 【取材記2回目】

取材を受けてくださる中国の方が、なかなか見つかりません
私自身が中国語も英語もできないのが最大の弱点ではあるのですが、中国の方は自分が日本についてどう考えているをあまり話したがらないと、取材交渉の中でわかってきました
「中国人として日本についてこう思います」とはっきり語ることは、日本人には理解できない中国の方同士の何かがあるようです
日本語上級者で、なおかつ日本や日本人についての自分の考えを語る中国人を見つけるのは、至難の技なのかもしれません

しかしながら、向き合ってお話を聞くのが私の仕事、めげてる暇はありません
今日は土曜日なので、お休みのところが多いだろうと、土曜日もやっている可能性の高い日本語学校を中心に電話をかけまくりました
大学の留学生会にも当たってみましたが、、留学生たちが自主的に行うサ−クル活動のようなものなので、ほとんどの大学はそういう会が自分のところにあるのかさえ把握していません
日本語学校なら、生徒だけではなく講師の中にも中国の方がいらっしゃるかもしれないと、期待して電話をかけました
ところが、ほとんどの学校が話も聞いてくれず取材拒否です
「反日運動が盛んなこんな時だから仕方ないか・・・」とめげずに次々と電話をかけると、中には熱心に話を聞いてくださる方がいらっしゃいました

突然の取材の申し込みの電話にも拘わらず、普段中国の方と一緒に仕事していらっしゃる日本人のお話を聞くことができました
「普段から中国人とか日本人とかを意識しているわけではなく、ひとりの人として接しています
私たちは、一緒に仕事をしているので、中国の方たちとうまくやって行きたいと思っています
ですから、テレビ等で報道されていることには、触れないようにしているんです
『みんながあんなじゃないよね』と言うことはありますけど・・・
実際中国人がみんな日本人を憎んでいるかと言えば、そんなことはないと思うし
今、日本のテレビ局は、自分のスネに傷を持ったところが多いですから、中国のことをトップに持ってくるのだと思いますよ」
このお話を聞いた時、私の脳裏に昨日の「報道ステ−ション」がちらつきました

そして、たった今上海にいる友人から電話があったというお話も聞きました
昨日は北京から、今日はデモが行われた上海から電話がかかってきたそうです
興味津々で上海の様子を聞くと、
「『テレビのニュ−スとは全く違い、上海の街はいつもと同じ光景だった
日本人だからって何かされるわけでもないし、騒いでいるのは日本のマスコミだけだよ
北京なんて静かなもんだし』と言ってましたけど、私もそうだと思ってましたよ」
と平然と答えが帰ってきて、話の内容と予想通りという反応の両方にびっくりです

すぐに注目しているブログを開いてみようと思いました
実は「広州に行きます」というおんなのこのブログを見つけていて、「大丈夫かいな」と見守っていたんです

LOVE*ROAD」 2005/4/10より

中国人に石を投げられたらどうしよう。そしたらそっこうでベトナムに逃よう。
それにしても、東京にはあんなに大きい石はどこにも落ちてない。どこから持ってくるんだ中国人?道路はがして投げようとしてたぞ。
(中略)
親は日本人って言わないようにしなって言ってるけど、絶対ばれると思う。コワイよー。

私がこれを読んだのは4月13日で、「週末上海や広州でデモが・・・」というニュ−スを見た時だったので、どこの誰だか知らない彼女のことをまじめに心配しました

出発前夜に書かれたエントリ−もありますが、彼女はものすごく葛藤しています
そして、彼女は広州に到着したようです

LOVE*ROAD」 2005/4/14より

中国の広州に着きました。交易会をしているそうで、宿代が普段の5倍です。そして中国人は思ったより親切でおもしろいです。油断して石を投げられないように気をつけます。

前日あ−だこ−だもがいてくせに、到着したら案外楽しそう
そして更にこんな中国情報専門のポ−タルサイトで、上海に滞在していらっしゃる方のコラムを見つけました

中国情報局」より
上海緊急レポート:反日抗議なく、いたって平穏
あるコンサルタントの出張記−マーケティングという視点
 

2005/04/15(金) 田中豊

「へえ〜ッ!日本ではそんな騒ぎになってるの?」

  「日本の家族や会社から、大丈夫か?生きているか?ってメールや電話が殺到して返事に困っているんですよ」

  「家内が自宅で、日本の衛星放送を見ていたら、なんか怖くなってきた、と言ってるんだけど・・・」

  これは、上海に駐在する人たちの生のコメントです。

  今回、出張のため、折りしも、日本を発ったのが、北京で1万人規模という反日デモが起こった翌日(4月11日)でしたから、誰からも「気をつけてね」などと、普段言われることのないような気の遣われ方をしたのでした。

  しかし、現実の上海の街は、予想通り、いたって平穏。いつものとおりです。

  今回は、上海の小売事情をはじめとするマーケティングリサーチが目的でしたから、まさに、中国人の反日感情は私の大きなテーマにもなりました。

  現地では、百貨店バイヤー、商社、物流、広告代理、ジェトロ、銀行、自治体事務所、県人会、コンサルタント、ホテル、メーカーなど流通、商業に携わる日本人駐在員、中国系関係者の方々と実に精力的に面談しました。

  さながら、他流試合を申し込むような気分で、情報交換を挑んだのですが、上海にいる方々は一様に困惑しています。

  だって、「こちらの予測に反して」うろたえようもないからです。街を歩いていても、中国の市民の中にまぎれても特に危険を感じることはありません。

  デパートやスーパーなどでは、日本人の奥様方も、ベビーカーなどを引いて買い物などをしています。

  確かに、各地で騒ぎになっていることは、皆知っています。

  また、上海でも今週末にも集会やデモが起きるんじゃないかという情報はあるようです。

  しかし、日本人、日系企業だからといって今、上海で排斥されるような動きは目立っていません。

(中略)

出会った上海市民と対日感情の事でいろいろ聞いてみた時のこと。

  その年配の彼いわく、「確かに、僕らは、日本や日本人の何を憎んでいるのか、ハッキリしていないんだよね」とポソリと言っていたのが印象的でした。

  昨日も、いつものようにスモッグに覆われ、精力的な中国人たちがうごめく上海でした・・・

日本のメディアが伝えていることとあまりにも温度差があって、私は、本当にほっとしていいのか戸惑っています
このコラムを書かれた田中 豊さんは、ご自身のブログの中で、こうも書かれいます

ニッポンを売る!」より

対日感情については、
今後長期間は、いかなる条件・方法をもってしても
根本的な解決はありえないと考える方が自然であり、
それを前提としたアプローチを目指すべきだろう。

ただ、ハッキリとしておかなければならないことは、
この種の事態は、
これからも起きる可能性があり続けると同時に、
もう日本商品が売れなくなるとか、
日本人が現地でビジネス出来なくなるという事は
まったくないと言うことである。

中国と30年近くも付き合っていると、
この辺の感覚がなんとなく分かってくる。

昨年来、講演の機会があるたびに訴えているのだが、
中国特需だからといって、北京オリンピック、上海万博までは
ビジネス天国だとばかりに舞い上がり、
反日デモや人権問題、汚職や格差といっては
嫌悪感や差別意識が支配する。
どちらに振れても、日本人は中国に対して熱くなりすぎて極端なのである。

おそらく日本のような安定した平均社会を前提として
中国に過大な期待を寄せているからなのではないだろうか?

とにかくビジネスマンたるもの、
冷静にチャンスを窺(うかが)おうではないか。

反日を訴えてデモをする中国人は確かにいます
でも、それ以外の人もいることも知る必要があるのだと思います
それが冷静だということで、国際社会での常識と言えるのではないでしょうか

日本にいる日本人の私は、日本にいる中国の方へ「本当に反日ですか?」と質問すると同時に、「日本のメディアが伝える報道についてどう思いますか?」という質問しなければならないだろうと考えています
だけど、アポイントはひとりも取れていません・・・

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コメント

トラックバックありがとうございました。

泉さんの問題意識は、たいへん勉強になります。私は、中国をフィールドにして仕事をしていますから、好き嫌いで判断していてはプロとは呼べません。
天安門の時もSARSの時も、現場に足を運ぶとやっぱり報道とは違うのです。中国には光と影があるとよく言われますが、どちらか一方にだけ視点を当てても真実は見えてこないように思われます。
これからの取材に期待しております。

投稿: ニッポンを売る! | 2005年4月17日 (日) 03時04分

あいさん、こんにちは∈^0^∋
日本がとにかく冷静でいてくれることを祈るだけです。ぼくの知り合いで、中国人ご夫婦で、日本におり研究をしている人がいますけれど、日本のことは好きですよ。まあ、好きだから、日本にいるのですけれど。あまりにも騒ぐこと自体、心配ですね。後怖いのはデマが飛ぶこと。
 くまさんでした。ではでは(^.^)/~~~

投稿: くまさん | 2005年4月17日 (日) 18時14分

ブログ開設当時から、いつも取材記興味深く読ませていただいています。

中国の方と一緒に仕事をする機会が結構あり、最近の中国でのデモのニュースをどきどきしながら見ています。
特に日本で仕事をされている中国の方には、いろいろと複雑な感情があると思うので、取材は大変だと思います。僕なんかもそうですが、一部にはそっとしておいて欲しい人もいるのではないでしょうか。
それだけに、今回の話題でのぁぃさんがどんな取材記を書かれるのか期待しています。

TBさせていただいたのですが、間違って2つも送ってしまいましました。お手数ですが、ひとつ削除してください。すみません。

投稿: くろん | 2005年4月17日 (日) 20時37分

初めまして。TBさせて頂きました。

このブログのことは、一時休止になってから知ったので、読み始めたのは最近なのですが、とても面白い試みをされているし、レポートもしっかりしていて楽しく読ませて頂いています。

中国に対する日本での報道には疑問がありました。が確証がなかったのですが、このエントリーを読んで「やっぱり」という感じでした。

中国人の本音と言うところですが、私は先月まで中国外交部(外務省にあたる部署)の研修生と一緒に大学でゼミを受けていました。
その中では、アカデミックな場と言うことで、ある程度本音で話してくれていたのですが、中国人の方の多くは、日本について学ぼうと日本に留学・在住すると、むしろ日本を嫌いになる人の方が多いとのことでした。

なぜ上のような状況になるのかはよく分かりませんが、アポイントが取れない背景には、もしかしたら「報道については疑問を感じるけど、上海でのデモについては賛成する」という意見の多さもあるのかもしれません。
もしかしたら、日本もアメリカのように「なぜ自分たちが世界中から嫌われるのか」ということを真剣に検討する必要があるのかもしれません。

投稿: ハーミット | 2005年4月18日 (月) 01時42分

何億の経済効果があったらしい韓流も、私の周りにはただの一人も興味を持った人間がいなかった。
それと同じ事だと思います。<現地
一千万を超える上海市の人口の数万って、1%にも満たないことを心に止めておく必要があるんじゃないでしょうか?

投稿: 横 | 2005年4月18日 (月) 12時34分

こんにちは!
マスコミって怖いですね〜。
私はダンナの従姉妹(双子)が「アン○○バボー」に実験のため出演したときの話を聞いたとき『TVってやらせなんだ〜!』とつくづく思ったんだ。
全部を放送してるわけでは無いから最近テレビをあまり見なくなった。

友達のご両親が中国に仕事で行ってますが平和だと聞きました。
お互い依存してるのに仲良く出来ないのは、まだ日本人に残る差別意識もあるのだと思います。

投稿: miho | 2005年4月18日 (月) 16時52分

ニッポンを売る! さん
おっしゃる通り、日本人がいろいろな思考を持つのと同じように、中国の方にもいろいろな考えを持った方はいらっしゃるはずです
デモをしている人ばかりに焦点を当てるのは危険だと感じています
取材の時、デモを行っている方は、中国の中でどういう位置にあるのかという質問をしてみようと思っています

くまさん
私も同じ危機感を持っています
冷静さを保っていても、毎日毎日中国での過激な反日運動だけを見せられると、そろそろ嫌になっちゃいませんか・・・
日本人が常識範囲外のことをしないためにも、いろいろな思考を持った中国の人がいることを伝えなければならないと思います

くろんさん
私も取材交渉でかなりの数電話をかけ、「そのことには触れないようにしています」とおっしゃる方がほとんどなので、「そっとしておいて欲しい」というお気持ちはよくわかります
でも、本音を聞かなければ、相手のことを正しく理解できません
相手の本音を知ることで、私たち日本人自身のことを知ることができると思います
本音を探り出すのは容易なことではないでしょう
そのためには、慎重に取材しますし丁寧に主旨を説明し、決して無理強いはしません
正直、テ−マを選択している時は、こんなにも取材交渉が難航するとは予想していませんでした
中国の方が、日本についてとてもナイ−ブなのは、注目すべき点だと感じています

ハーミット さん
私もハ−ミットさんと同じように、今回のテ−マを取材することは、世界の中の日本の位置付けを知ることができると考えています
「日本人は嫌われている」とよく聞きますが、どうしてなんでしょう・・・

横さん
私も、上海でのデモに参加した人の数をどう捉えたらいいのかわからなくて、戸惑いました
やはり少ないと捉えて正しいのでしょうか?

mihoさん
マスコミ全てがこわいわけではないと思いますょ
すばらしいドキュメンタリ番組を見る機会は多いですし、信念を持って取り組んでいる方もいらっしゃいます
視聴率重視の番組が、それを優先に考え、伝えるべきことは何なのかを見失う場面もよく見ます
それを変えられるのは、私たち視聴者だと思います

差別意識を持つ人は、きっと相手のことを知らないんだと思うんです
だから、いっぱい中国の人とお話して、お伝えしたいと思っています

投稿: ぁぃ | 2005年4月18日 (月) 23時37分

数で見れば多く、割合でいけば少ない。私はそう思います。

中国は確か国定教科書だったはず。
そこで起こったデモに、1%の人口すら集まらなかったのは正直言って少ないと感じます。

ただ、「百人のうち一人が横を向いても誰も気にしない。しかし、一億人のうち十万人が横を向けば、みんながそちらを見る」って感じのことはよく言われます。
いろんな意味で、集団であるってことは怖いことなんでしょうね。

ちなみに、差別と区別の違いってのはとても難しいんですよ。
「事実に基づいて判断することを差別と言うのはちょっと違うんじゃないか」って思いませんか?
例えば、いつも人の悪口を言う人との付き合いを避けたからって、それを差別と言われるのは心外でしょう?

で、中国人の日本における凶悪犯罪・軽犯罪共に桁違いな発生率なのは事実。
それに基づいて中国人との付き合いに腰が引けることを区別と取るか、差別と取るか・・・
一概に決められますか?
中国人にいい人がいるのは事実。
でも、それでもって中国人を信用するのは、上の差別・区別と同じだと言われたら反論できますか?

つーか、日本の教科書が複数あることすら、多額のODAを貰っていることすら知らない人間によるデモだって、一種の差別って言えるんじゃないですか?

定義が曖昧だと、共通の認識がないと、話ってのは難しいとつくづく思う春の夜でした。

投稿: 横 | 2005年4月19日 (火) 03時08分

横槍すいません。
横さんのコメントに対してコメントさせてもらいます。

悪口を言う人を嫌うことは個人の感情や好き嫌いだからそれは個人間の事なので差別とは言えないと思います。
でも、その悪口を言う人が中国人だったからと言って、中国人=悪口を言った人の人格、と同列視して嫌うのは差別じゃないかな・・・
そのレベルで他者を分けると分かり合えないと思います
どうでしょう

投稿: 英 | 2005年4月19日 (火) 03時22分

この記事へのコメントは終了しました。

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