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2005年3月23日 (水)

クリック募金に見る善意とは? 【取材記3日目】 

クリック募金について考える私には、いつももやもやがくっついて来ました
クリック募金について書かれている個人のブログは山のようにあって、どこを見ても、
「いいことをした」
「善意だ」
「みんなもやってください」
と書かれています

確かに、支援を受けたい人の元へ、私たちに代わって企業が支援をしてくれているのだから、とてもいいことだと思います
だけど、クリックで終っていいの?
ただクリックをしただけで、それで「良いことしたぞぉ♪」と気分を良くしていいのかともやもやしている私はひねくれ者なのでしょうか

もうひとつ引っかかることがあって、クリック募金は、企業にとってはバナ−広告であるということです
結果としては、救いが必要な人の元へ経済的援助が届くから、ものすごく良いことなんだけど、募金という人々の善意が、ビジネスツ−ルとして使われているという現実に、「それってどうなの?」という気分になってしまうんです
すごく機能的なシステムだけに、これからブ−ムの予感がするし、これがどんどん流行ったら、ユ−ザ−はクリックすることで満足し、ボランティア活動に参加する意義を忘れてしまったりしないかしらと不安になったりもするのです

今日は、2社のクリック募金を行っている企業へ、私のこれらのもやもやを正直にぶつけてみました
1社のお答えは、正直そこまで考えていなかったということでしたが、集められたお金は、確実に有意義に使われているという信念を持っているということ
ユ−ザ−さんが気持ちを込めて1クリックし、支援団体がその気持ちを受け取った後、そのお金をどう使っているのかを明確に提示するという信頼関係の上にクリック募金が成り立っているというのです
クリック募金で利益を得ている仲介業者については、地球規模で生活レベルのサポ−トができるこのシステムを応援するという気持ちがあるので、クリック募金が動かなくなってしまわないようビジネスとして成立してほしい
そのためには、スポンサ−がもっと増えたらいいと考えていらっしゃいます

もう1社は、普通の募金にはない利点をクリック募金に見出しています
いろいろなお店や街頭に設置してある募金箱に募金をしても、そこで終ってしまう
クリック募金ならば、HP上でいろいろなことを伝えることができます
例えば、掲示板を設ければ、クリックしたユ−ザ−の想いを伝えることができ、共感する多くの仲間がいると知ることができます
企業が寄付をする支援団体が開催するイベントの告知にHPを利用することもでき、クリック募金で、従来の募金にはなかった別の世界が広がるのです

ほとんどの人が、クリックをしてそのまま立ち去ってしまうかもしれません
でも、ひとりでもクリック募金をしたことによって、何かについて考えたり、何かをはじめるきっかけになったとするならば、お金には代えられない大きな意味のあるものとわかりました

私のもやもやはずいぶんすっきりしたけど、募金を受け取っている支援団体は、どう考えるのかも聞いてみたいです
明日は、支援団体から見たクリック募金についてお話をうかがうために行ってきます

    【 今日の覚書 】

  • クリック募金をしている企業の担当者へ話を聞いた

    クリック募金をはじめることになった経緯
    2001年の末に近い頃、社長がクリック募金の仲介業者の訪問を受けて、内容的におもしろかったので、担当者である自分に話がに回ってきて検討してみた。
    会社の業態が一般的ではないし、メディアを使って宣伝をしていなかったので、会社の存在を一般の方にはあまり知られていなかった。
    当社の業務を知ってもらえる上に、社会に還元できるという点がとてもいいと思い、はじめることとなった。

    クリック募金をはじめてからのメリット
    書籍を出版したこともあり、会社の知名度が上がったことに直接クリック募金が関係しているかどうかはわからない

    デメリット
    クリック募金を懸念なさっている人がいらっしゃるのか、いたずらメ−ルが来ることがあるので、善意ではなく、おもしろがってクリックする人がいるのかなと思うこともある。
    面白がる人もいるかもしれないけど、本当に必要としている人もいる。
    サイトを見たことがきっかけで、うちの存在だとか業務内容とかを知られた方がたくさんいらっしゃるわけだから、便利でしかも会社として社会に協力できるというシステムなので、特にデメリットは感じていない。

    現状
    参加してからは、このシステムの仕組みについてや見せ方などは、仲介業者から報告を受けているが、基本的に運営をお任せしている。
    クリック数は右肩上がりに増えているが、許容範囲なので、そのまま参加させていただいている。
    社内でクリック募金について論議をしたり、別のことに変えようかということは全く考えていない。
    会社が存続できていれば、許容できる範囲は続けていこうと認識している。

    今後のこと
    はじめにある程度の金額の限度を超えたら、当社の方で判断をするということにしていたが、超えた時点で仲介業者から連絡が入った。
    他にメディアを使った広告活動をしていないし、関連会社の中にエコロジ−関係の会社も多数あり、そういうところでは募金と通じるところがあるので、そのまま続けていくつもり。

    ビジネスツ−ルとして使われていることについて
    クリック募金で、地球規模での生活レベルをサポ−トし合えるというシステムを応援する気持ちがあるので、仲介業者のビジネスとして成り立ってもらわないと、このシステムが動かなくなってしまう。
    仲介業者をしっかり大きくしていただくことが大切なことだと思っているので、スポンサ−が増えてもらいたいと思っている。
    仲介業者もサイトに目をひきつけるような工夫をするなどの努力をしているので、できるだけ応援している。
    最初にコミュニケ−ションをしっかり取っているので、信頼関係が成り立っている。

    ユ−ザ−に望むこと
    自分が募金をする時、その行き先をしっかり理解しておかないといけない。
    そういう意味では、当社が寄付している支援団体からは詳細の連絡があり、実際に何に使われているのかがよくわかる。
    当社のサイトでも、募金した後の支援した先の状況を出すともっと良いと思う。

  • 株式会社ジャパンエナジ− 社会貢献担当に話を聞いた

    クリック募金をはじめることになった経緯
    2004.4.15にスタ−トしたアテネの日本選手団応援募金がきっかけ。
    NPO法人 日本パラリンピック支援機構の応援事務局から、JOMOの店舗へ募金箱設置のご要望があったが、JOMOステ−ションは別の法人になるので、お金の回収という流れが難しい。
    でも、それでお断りするのはさみしいので、何か応援できないかと考えた時に、クリック募金を知っていたので、どれくらいの規模になるかはわからないけど、そのレベルでよろしければ、一緒にやらせていただけないかと逆提案させていただいた。
    先方もクリック募金はあまり認識されていなかったが、やってみましょうということになった。
    そして、クリック募金を運営しているデイ・エフ・エフさんにコンタクトを取り、スタ−トということになった。

    スペシャルオリンピックス(SO)の支援
    SOでは、現物での協賛を当たられていて、例えばレンタカ−ならトヨタさん、複写機ならゼロックスさん、ユニクロさんはユニフォ−ムなど、会社の特徴を活かした依頼があった。
    当社には燃料の協賛をしてほしいと依頼があって、SOもパラリンピック同様認知が低いので、パラリンピックでの実績があったことだし、クリック募金でも支援ができるかもしれないと考えて、受けさせていただいた。
    燃料協賛をしても、したことがなかなか認知されにくいし、大会が開かれることがあまりメディアにも出ていなかった時期で、クリック募金は効果があるのでやってみましょうということで昨年の11月1日からはじめた。
    大会に向けて盛り上げてやっていこうというスタンスなので、大会終了で一旦切りますという形にしている。
    4月1日からはパラリンピックの冬の大会の支援をはじめるということで、今は準備中。

    どうして障害者スポ−ツを支援するのか
    当社は、Jリ−グのオフィシャルスポンサ−になったり、女子のバスケットのサンフラワ−ズというチ−ムがあったりと、元々JOMOのブランドのひとつのコンセプトの中に、躍動感というスポ−ツのイメ−ジがある。
    障害者の方でもスポ−ツというキ−ワ−ドは同じで、金銭的に厳しい環境にあると自分自身も知らなかったので、パラリンピックの選手が経済的な困難を抱えているのを知ってもらうために、クリック募金を役立てる。
    JOPMOとしては、スポ−ツを支援している会社だということを一般の方に理解していただけるのは、私たちもハッピ−だし、やることに決めた。

    クリック募金をはじめてからのメリット
    仕組みとしては「募金してください」という声を受けてやっているので、メッセ−ジがついたお金という意味では、企業がぽんと出して終わりという形ではない。
    そういう意味では、募金を受けていただく方にとっても非常にいい形だと思う。

    アンケ−トや掲示板の設置
    パラリンピックを支援している期間には、アンケ−トを取った。
    「パラリンピックの選手が置かれている境遇を知らなかった」
    「JOMOに対して好感を持てた」
    という回答があり、好印象を持っていただけるということでは、金額以上の効果があったし、アンケ−トの結果をフィ−ドバックしながら社内の理解も深めていくことができた。
    SOの時は掲示板を設け、アスリ−トの方へ応援メッセ−ジをいただくために、クリックすると掲示板に書き込めるような形にした。
    「小学生ですが、学校の黒板にHPのアドレスを貼って紹介しました」
    「妹が障害者なので・・・」
    「ボランティアの声がかかったけど、どうしても行けないのでクリックだけでも」
    「ドラマの金八先生を見て、何かできることはないかと探して来ました」
    「家族に知的発達障害を持った者がいるが、彼女がいるからみんなをしあわせにしてくれる」
    などのメッセ−ジを拝見すると、すごくうれしいし、また、若い人たちが見てくれているのだと思った。
    本当にあたたかい気持ちを寄せていただいたので、アスリ−トやファミリ−にも気持ちが伝わるのではないか、掲示板をやってよかったなと思う。
    クリックしに来てくれて、見てくれて、感じてくれるというのは、ネットの世界のおもしろさだなと思う。
    単なる募金だとそこから伝えるのはなかなか難しいが、クリック募金だと世界が広がる。
    ユ−ザ−はお金がかからないから申し訳ないと、
    「次からJOMOでガソリンを入れます」
    とメ−ルをくださる人もいて、期間中全部クリックしてくださっても100円にもならないのにガソリンを入れてくださるなんて、こんなにも好感を持ってくださって、お気持ちに感謝している。

    普通に寄付すれば、単純に倍の金額が寄付できるのでは?
    社内でも同じことを言われる。
    その通りなのだが、募金箱を置いても、お店に来ていただかないとなかなか気がついていただけないし、企業ができることは、企業がサポ−トした大会の意義を知らない方に伝えることだと思う。
    そういう意味では、クリック募金をやってみて更によかったと思う。
    デイ・エフ・エフさんは月次で丁寧な報告をいただいている
    デイ・エフ・エフさんの工夫もあるし、その部分で倍払ってるじゃないというのはあるけど、ただクリックするだけだった人が、また来てくれて何か変わればいいと思う。

    今後のこと
    スポ−ツの大会はいっぱいあるので、それだけでいいのかというのもあるが、パラリンピックの夏・冬とスペシャルオリンピックスの夏・冬で支援ができればと計画している。
    そうすると毎年必ずひとつのテ−マができるので、大会の盛り上げに寄与できればと思っている。
    今度はトリノということで、夏に冬の大会をどう引っ張るか工夫しなきゃとデイ・エフ・エフさんと話している。

    当社のHPでは、月間200万から300万のペ−ジビュ−があって、その中でクリック募金までしてくださる方は30万ちょっと。
    HPに来てもクリック募金をしてくれない人もいるだろうし、クリック募金があることに気づかない人もいるだろう。
    クリック募金をしてくれた人の中の一握りの人が、更に人に伝えようとしてくれたり、何かできないかと考えてくれたり、続けていく中でそこに踏み込もうという人がいてくれるかなと思う。
    だから次は、友達に紹介する仕掛けを入れようと考えている。
    小学生が「黒板にアドレスを貼って」と言ってくれると、30人くらいには広まったかなと思い、その気持ちがとてもうれしい。
    クリック募金は、小学生でもお小遣いを減らさないで参加できるので、そういう良いい流れができてくれればいいと思う。

    支援団体さん自身がクリック募金をしようとしても財源がないし、ネット上での信頼性も企業を通せば応援なんかも書きやすいのかもしれない。
    そういう点で、企業がクリック募金をやっている意義があるかもしれないと思っている。
    当社としては、社員のボランティアの支援もしたいので、更に踏み込んで、選手との係わりができればと思っている。
    しかしながら、なかなかそこまではできていないので、もっと社内に向けてはメッセ−ジを出していきたい。
    一般の方に向けては、クリック募金に参加していただきやすいものを考えたい。

    以前、障害者のバスケットの大会があったが、大会自体はとても面白いし、入場無料だし、いい体育館でやっているのに、見に来ているのは関係者ぐらいしかいなかった。
    クリック募金のサイトで告知をしたら「行ってみようかな」という人がいるかもしれない。
    普通は、障害者のバスケットのサイトを見に行かなきゃ知ることができないが、クリック募金に来たついでにそういう大会があると知ってもらえば効果があると思う。

    クリック募金することで完結してしまってはいないか
    今やるけどいつかやるかもしれないと思っている人にとって、人のために何かをして気持ちよかったという体験は必要だと思う。
    「お金も出さなきゃクリックしただけじゃん」と言っても、一瞬そのことについて考えるということでは、全く考えない人よりは意味のあること。
    そこから変わる変わらないはその人の感受性などによって全然違うと思うが、365日毎日クリックするというのも結構大変なこと。
    結果として、知ってもらってそこからどうつながるかは、その人その人の有り様だから企業としては何も言えない。
    でも、物足りないと感じる人がてくれれば・・・
    掲示板の中にも、
    「何かしたいけれども今は何もできないので、クリックしたけど、何かしたいな。
    でもどうしたらいいかわからない。」
    というメッセ−ジもあったが、知的障害者と係わってスポ−ツをしたことのない人は、ボランティアとして求められていないけれど、クリックすることが重要だと思うからクリックで参加するというのは充分なことだと思う。

    クリック募金をビジネスツ−ルとして活用する企業が増えることへの懸念は?
    デイ・エフ・エフさんがやられているクリック募金のメニュ−の中で、障害者スポ−ツは今までなかったので、新鮮に感じていただいたし、評価していただけた部分もあった。
    「いや、私は環境に募金したい」という人がいてもいいと思うので、メニュ−が増えることの意義は充分にあると思う。
    企業として、こういうものを支援するというだけではなくて、インタ−フェイスのように、ここからがボランティアの入り口になるよう、支援団体さんとつながればいちばんいいかな。
    少し時間はかかるかもしれないけど、そういうようなつながりを魅力的に見せられるようにやっていけたらいいと思う。
    例えば、大会の告知に使ってもらったりとか、いろいろやりたいと思っている。
    ウェブの良さっていうのは、形を変えれば毎日来ていただけて、それを見ていただけるので、お店での募金箱もそれはそれでいいけど、そのお店に行かないといくらになったのかはわからなかったりする。
    サイトに見に来てくれれば、自分がやった以外にも一緒にやった仲間がいて、これだけの人が応援してるんだとわかる。

    企業はクリック募金を広告として考えている。
    費用対効果はどうなの?と求められるが、単純なバナ−広告と違うところは、社会的は意義がある活動として活きてくるという点。
    商品の購買に直接はつながらないかもしれないけど、計りにくいが、企業イメ−ジの向上であったり、企業の効果としては期待するところがあってやっている。
    ビジネスツ−ルとして、多くの企業がやりはじめたとしたら、企業の特色を考えたりと、デイ・エフ・エフさんも提案をしていかなければならない。
    当社の場合は、福祉とか国際協力とはちょっと特異でおもしろいですねと言っていただいたりもしているので、ちょっと分野を変えてアプロ−チしてみるのもいいだろう。
    そこにいくら来てもらうかというのは、企業側も努力するべきだし、基本的には広告と同じ考え方。

    ユ−ザ−に求めるもの
    広めていただいて、誰かひとりにでも伝えてほしい。
    JOMOは知ってるけどジャパンエナジ−を知らない人はまだたくさんいると思う。
    スポ−ツとJOMOを一緒に考えてもらうというイメ−ジはポジティブだと思うので、そうなればうちとしては御の字。
    パラリンピックやSOは非常にいいことだから、お金が足りないなんてイメ−ジわかない。
    そういうことを知ってもらったり、「大会があるのが近くだから行ってみようかな」と思ってもらったり、知ってもらう気づいてもらうことに意義がある。
    それで、あわよくばJOMOとスポ−ツをくっつけてイメ−ジしてもらって、
    「何となく元気良さそうなガソリンスタンドなので、今度行ってみようかな」
    と、そこまで行けば理想かな。

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コメント

 私は何気にBlog上でクリック募金について紹介した1人なんですが、こうやってクリック募金をしている企業と受け取っている支援団体の意見を調べて頂いて、大変ありがたいです。当初はHP上の内容を読んだだけで理解していたつもりなんですが、こういう企業側のメリットがわかってよかったです。
 ボランティアに関しては基本的に「広く浅く間口を広げていけばいい」と思っているので、日ごろボランティアに縁のない人を複雑な活動に巻き込むまでは難しいだろう・・と考えています。その点ではクリック募金のような窓口は一定の効果はあるんじゃないでしょうか。もちろん、それ以降の活動への関心を継続させる方策も考えないといけないとは思いますが。

投稿: ハマスタの☆浜風 | 2005年3月24日 (木) 12時58分

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