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2005年2月18日 (金)

ニ−トってなに? 【取材記5日目】

ニ−トの定義を知らなければ、どういう人にインタビュ−したらいいのかわからない
それで、今週1週間は誰にもお会いするというところまでには至らず、資料にどっぷり浸かった1週間になりました

ニ−トという言葉はイギリスで誕生したので、先ずはイギリスの事情を知る必要があります
何日か図書館に通いましたが、イギリスのニ−トに関する文献はずっと「利用中」になったままで、私が手にすることは残念ながらできませんでした
仕方なく、片っ端から雑誌を読み漁ると「青少年問題 12月号」(平成16年)の「イギリスのNEET(ニ−ト)と、コネクションサ−ビス」で井田敦彦さん(国立国会図書館調査及び立法考査局 社会労働課)が書かれているものを見つけました
「イギリスでNEETの問題が明らかになったのは、政府の社会的排除対策本部の報告書によってである。」
社会的排除というのは、
「特定の者が、社会に利害関係者として関わっておらず、のけ者にされてしまっている状況をいう。」
例えば、貧困家庭、エスニック・マイノリティ(少数民族)、障害者等など社会的弱者が社会的に排除される危険性が高く、犯罪や薬物乱用との関係も指摘されるというようなことが書かれています
日本に於いて、民族的な階級の問題は考えにくいので、日本版ニ−トというものが存在しているようです

Voice 平成16年12月号」の精神科医の斉藤 環さんと玄田有史さん(東京大学社会科学研究所助教授で「ニ−ト フリ−タ−でもなく失業者でもなく」の著者のひとり)の対談「ニ−トは世間の目が怖い」にイギリスと日本の決定的な違いが書かれています
斉藤さんの発言では、
「BBC(英国報道協会)の記者から聞いたところでは、彼らはニ−トという言葉を日本に来て初めて聞いたそうです。本家イギリスではまったく大衆化していない。」
日本では、ニ−トという言葉がひとり歩きしているのではないか・・・もしかして、私は今週1週間ニ−トという言葉に踊らされちゃったんじゃないの?という気がしてきました

ニ−トという言葉を日本に持ち込んだのは玄田さんなのだろうと思っていた私は、この対談の中で、
「イギリスのニ−トを最初に紹介したのは、小杉礼子さんのグル−プです」
とはっきりおっしゃっているのを見つけて、少し意外に思いました
その小杉さんは、ニ−トを4つの分類に分けていますが、その分類の説明書きを読んでも、実際にどんな人だという実感は湧きません
そして、玄田さんも対談の中で、
「僕自身まだ正確に定義をつくりきれてはいません。」
と断言しています

ニ−トの定義なんてなかった

私が、必死に探していた答えはどこにもなかったんです
笑っちゃいますよね
定義のない言葉について考えようとしてたなんて、おかしくて涙が出そう
「ひきこもりはニ−トには入りません」の言葉からはじまったニ−トの定義探しでしたが、入るとも入らないとも言えないのです
元々あった「ひきこもり」という言葉をニ−トの中にわざわざ入れることに意味があるのでしょうか

上記の斉藤さんと玄田さんの対談は、精神科医と経済学者という違う分野の人が話しているというところが興味深いです
「ひきこもり」の存在が、他のニ−トな人たちと区別されて語られているような気がします
その区別は、他のいろいろな資料を読んだ時にいつも感じることなんですけどね

私が釘付けになったのは、精神科医である斉藤さんの発言です
精神科医にとってはニ−トという言葉は非常に便利な言葉なんだとか・・・
「精神的に見るとほぼ健常者と変わらない人たちが、「ひきこもり」という言葉につられて病院に来られても、じつは対処のしようがない。そこにニ−トという便利な言葉ができた(笑)。これからはわれわれ精神科医も『お子さんはニ−トですから、若者自立熟に行ってみてください』といえるわけです(笑)。」
これを読んで、背筋がぞっとするのは私だけでしょうか
ニ−トという言葉は経済的な観点から定義するのか、それとも精神的な面で定義するのか、そこんとこを明確にしないで、気軽に使っちゃだめなんじゃないの?

玄田さんは、
「ニ−トの定義つについて考えれば考えるほどわからなく部分もあります。」
とおっしゃっています
東大の先生がわからないことなのに、私がわかるはずもなかったのかとほっとしながらも、
「考えれば考えるほどわからないものをとりあえず問題提起しちゃったんだ
これって結構えらいこっちゃじゃん」
と、ドキドキしながら明日の記事のことを考えています

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コメント

確かにニートという言葉が一人歩きし既製の概念のようになっていることが気になりますね
小生精神障害者の社会復帰施設の運営に携わっていて見ての実感です
 先日もテレビで放映していました
 精神障害者なのか単なる怠け者なのか自立拒否者か少なくとも恵まれすぎていたための社会現象ではありますね
 不足または欠乏することを知らない世代の病弊だと思いますね

投稿: 木戸 壽 | 2005年5月 6日 (金) 15時55分

こんにこんに
はじめまして。
私は韓国のりー ゆりと申します。
日本語を勉強してますが。。。。
勉強の途中 二ートって新語がでて
意味が知りたくて〜〜〜ここまできました^^
語源〜イギリスでしょうか〜
これを読んで二ート よくしりました。
いい文です。^^〜〜〜〜

投稿: LEE YURI | 2005年12月15日 (木) 14時12分

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