« 2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会−長野がはじまるよ!! 【取材記3日目】 | トップページ | 2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会−長野がはじまるよ!! 【取材記5日目】 »

2005年2月24日 (木)

2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会−長野がはじまるよ!! 【取材記4日目】

今日伺ったのは、財団法人 日本ダウン症協会
事務局長さんと、「500万人のト−チラン」に参加なさったダウン症のお子さんをお持ちのお母さまのお2人にお話を聞きました

意外だったのは、ト−チランに参加するまでスペシャルオリンピックスをご存知なかったとおっしゃるお母さまです
同じダウン症の方のご家族もご存知なかったということで、改めてスペシャルオリンピックスの知名度の低さを感じました

ト−チランに参加なさったご本人も、最初は何のことだかわからない様子だったそうですが、走っているうちに、最後まで走ろうと気分になっっちゃいました
でも、お母さまの方が着いていけなくなって、区分2つ分走ったところで止めたそうです
「この日走ったことが、テレビで見るスペシャルオリンピックスへつながっているんだという会話もできるし、学校でも走りたいという気が出てきました
走ること以外のことへのとっかかりになるかもしれないし、いい体験ができたと思います」
とお母さまが、お子さんと一緒に走ったト−チランを振り返りました

そして、
「スペシャルオリンピックスで、皆さんにダウン症について知って欲しい」
とお2人で何度もおっしゃいました
「ダウン症の子供が声を上げるのを見て、こわがって逃げる人がいるんですが、『危害を加えることはないんですよ。声をかけてくれれば喜びますから』と今では言える立場になりました
障害を持っている人でも頑張っている姿を通して、偏見がなくなればいいなと思います
昔に比べたら随分良くなりましたけど、親から子供に伝えて欲しいです」
とお母さまは、まだまだ日本の社会で偏見があると感じていらっしゃいます
ダウン症の障害が具体的にどう現れるのか、人ごみで大声を出す時、その心の中がどういう状態になっているのか、みんながもう少し知れば、その行動も理解でき、普通に社会の中へ溶け込めるのだと私も思います

事務局長さんは、
「大会開催中は注目されても、終ればまた元に戻るのでしょうね」
とおっしゃいます
スペシャルオリンピックスをどう取り上げるか、マスコミの責任は重大だと考えます
開会式や閉会式だけを取り上げるのでは、単にイベントとして伝わってしまうかもしれません
「NHKも教育だけではなくて、総合で、そして民放のテレビ局でも競技を放送してもらって、スペシャルオリンピックスもパラリンピックのように浸透してくれればいいなあって思いますね」
と、この言葉もお2人から発せられました
競技はタイムを競い合うものでないし、とても難易度の低いもののように見えてしまうかもしれません
でも、誰が勝っても全員で喜びを分かち合うピュアな姿を見たいと、私は今から期待しています

「見て欲しい、知って欲しい、参考にして欲しい」
という言葉とは裏腹に、テレビや雑誌に我が子を出すのを拒むご両親もいらっしゃいます
「主人の会社の人に知られたくない」とか、親戚の立場を考えて子供を隠してしまうご両親が10年前まではとても多かったそうですが、最近では、前向きな人が増えたと事務局長さんは実感なさっています
「どうして10年前から積極的なご両親が増えたのか、理由はわからないんですけど・・・」
と事務局長さんは首を傾げますが、お母さまがポツリとおっしゃいました
「親の会や支援団体ができて、他のダウン症のお子さんが頑張っている姿を見れるようになったのが大きいのではないでしょうかね
以前に比べて出る場が多くなったので、自分の気持ちも表へ出せるようになりましたし、情報が多くなって親も安心できるようになったと思います
私自身も生まれて1年は、自分自身だけで育てようと思っていました
隠すつもりではなく、会なんか必要ないって性格的に思ってしまったんですね
別に何かきっかけがあったわけじゃないんですけど、会に入った時に、そこの会長さんの『みんなで育てましょうね』という一言があって・・・」
自分ひとりが苦しいんじゃないってこと、協力してくれる人がいるってことを知って、ふっきれることってあるのだと思います
「テレビでスペシャルオリンピックスを見たら、『うちの子もやらせなきゃ!やればできるのよね』という期待感が持てるので、どんどんテレビでやって欲しい
スペシャルオリンピックスは、他のオリンピックと違ってタイム重視じゃなく楽しくできるので、親の方も気を張らずに希望が持てますよね」
療育していく上で将来のことを考えると、不安も多い親の立場としてスペシャルオリンピックスが起爆剤になればと考えていらっしゃるのでしょう

事務局長さんは、学校を卒業した後に活動の場が狭くなってしまうことを嘆いていらっしゃって、アスリ−トとしての大きな目的ができることは、活動の場が増えることになるという点でとても良いと考えていらしゃいます
健常者と同じように、障害を持っていても、いろいろな場所でいろいろな人と接し、いろいろな経験をしてみることが、大切なんだとお母様は実感していらっしゃって、ホ−ムタウンプログラムについても大賛成のようでした
6歳の頃からスキ−教室などの行事に参加して、ご両親以外の人との時間を持たせるようにしているのは、いずれ親は先立つからと悲しい現実もあるのですが、海外のホ−ムステイについても積極的に考えていらっしゃいます
2泊、3泊する行事に参加して、最初はホ−ムシックになってしまって、お迎えに行ったこともあったそうです
でも、回数を重ねるごとにとても楽しみにするようになって、ボランティアの人の協力で、お子さん自身が他人とどう接すればいいのか、何をやらなきゃいけないのか、体で覚えて帰ってきます
「その都度その都度成長したなぁと感じるんです
お手伝いをしてくれたり、『えっ?そんなこともできるの?』と思うようなことがあるんですよ
こういうことを体験するのとしないのとでは、雲泥の差がありますよね」
ダウン症の子供たちでも、経験によって成長する部分がとても大きいのです
でも、そのためには、周囲の人の理解や協力が必要です

また、事務局長さんは、
「意外と親が足引っ張ってることも多いんですよ、子離れできなくて」
とおっしゃって、そういう人こそ親の会に参加して、他の人たちの体験談を聞くのがいいそうです
お話を聞かせてくださったお母様のご主人様も、あまり会には参加なさったことがなかったので、最初は我が子がよそへお泊りすることに抵抗がありました
でも、帰ってきた姿を見て、「こういうのも必要なんだね」とおっしゃったそうです

いろいろな経験が子供たちを成長させるのに、高校を卒業して入る作業所や福祉園の数が足らなくなっているでそうです
今はまだ毎日通えますが、今後人数が増えると、交互に3日行って2日お休みという態勢をするという案も出ているそうで、子供たちのやる気がなくなってしまうのではないかという心配が出てきます
ダウン症の方でも、学校を卒業してできるだけ早い時期に、就労先が見つかればそういう不安も減ってくるのでしょう

そのためには受け入れ先が必要で、やはりダウン症がどういうものなのか知る必要があります
ここ数日取材をしているだけで、障害があってもできることがいっぱいあるんだと私自身実感しています
スペシャルオリンピックスでの競技を見れば、一目瞭然だと思うので、ぜひニュ−スのスポ−ツコ−ナ−の時間だけでも、たっぷりとアスリ−トの姿を映して欲しいと願っています

|

« 2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会−長野がはじまるよ!! 【取材記3日目】 | トップページ | 2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会−長野がはじまるよ!! 【取材記5日目】 »

コメント

こちらには、知的障害者の通う中学校と一般の中学校との交流も定期的にあって、私も新聞の仕事で取材に行ったことがあるのですが、写真を掲載できないことが多いです。
障害を持つ子の親御さんからクレームがついたことがあるようで、特別な配慮が働いてしまうのですね。
一般の子供たちの写真掲載には許可が求められません。むしろ歓迎されて、掲載写真をくださいというリクエストも結構あるんです。
(話はずれますが、昨今の子供を狙った犯罪の増加から、写真や名前の安易な新聞掲載は考え物だと私は思っています。地方ではまだまだその辺の意識はルーズです)
ゆとり教育の見直しで、交流活動自体がこれからは縮小される可能性が大きいです。その点でも、今回のスペシャルオリンピックスの意義は高いと思うのですが、やはり注目度がイマイチですね。
私もこれから、あいさんの取材記事で勉強させていただきたいと思います。

投稿: 水島美也子 | 2005年2月25日 (金) 09時17分

私の親友が「健康は奇跡」って言いました
私もそう思うんです
誰もが、一生健康なまま終れるはずがないって・・・
だから、健康な人の中に障害を持った人がいるっていうのが当たり前だと思うんですよね
学校を分けたりすることって、何か違うんじゃないの?って気がします
知的発達障害というのは個性であって、ある意味健康なのかもしれないとも思います

スペシャルオリンピックスでは、教育プログラムもあります
長野の子供たちの反応を見るのが楽しみです

投稿: ぁぃ | 2005年2月26日 (土) 03時09分

この記事へのコメントは終了しました。

« 2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会−長野がはじまるよ!! 【取材記3日目】 | トップページ | 2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会−長野がはじまるよ!! 【取材記5日目】 »