ニ−トってなに? 【取材記1日目】
ニ−トという言葉を去年くらいから聞くようになって、インタ−ネット上で検索をかけるとおそろしいくらいヒットします
三省堂提供「デイリー 新語辞典」より
〔Not in Employment, Education or Training〕
無職の人。無業者。職業にも学業にも職業訓練にも就いてない(就こうとしない)人のこと。
〔イギリスの労働政策において用いられる語。近年,国内でもこのような若者の増加傾向が指摘されており,問題視されている〕
辞書には簡単な説明が載っているけど、「ニ−ト」と略された言葉の裏には、いろいろな社会問題が絡みついているように思えます
トラックバックしようかしらと思ったって、各々書かれてあることにそれぞれ「なるほど」と思ってしまい、次から次にトラックバックされていていくら時間があっても足りません
それで思ったのだが、そもそもニートってこれまで家事手伝い、俗に言う「カジテツ」って呼ばれていた女性の生き方と同じじゃねーのか。あるいは「仕事もせず学校にも行かず職業訓練もしていない」って、それ専業主婦のことじゃねーの?そういえば女性のニートって、今まで聞いたことないし。
そっか、要するに結婚してない無職男性がカジテツって自称できないからニートなんだね。女性は結婚せず仕事もしなくてもカジテツかよ。男でもカジテツって呼べよ!とか思うのは僕だけだろうか。
つまり、僕がニートという言葉に何かもやもやしたものを感じていた理由というのは、この言葉自体が「いい年した男性は結婚して働いているべきだ」という社会的偏見をたっぷりと含んでいるからじゃないのか。
「R30::マーケティング社会時評」さんは、若年層での女性と男性の社会的役割について書かれていて、若い男性の中には、ニ−トになりたいと思っている人が意外と多いんじゃないかとおっしゃっています
時代によるものもあると思います。
たぶん、昔からそういう人はいたはずです。でもね、まぁ私の主観だけれど、なんにもしないで(仕事もせず勉強もせず家事もせず)そういう不安感に耐えていける人間なんてそうそういないんですよ。
だから昔の人たちは、ギャンブルや飲酒に溺れて、わかりやすく崩壊する。そういう場合は家族も親族も、比較的、態度を決定しやすいじゃないですか。
でも今はもっとローコストでわかりにくくしかも熱中できる娯楽がたくさんあるでしょう。ネットとかゲームとか。特に他の娯楽に比べても、ネットはかなりローコストだし際限がない。社会的な接触に対する欲望も満足させられるし。ただ食費と光熱費(といっても同居であればその差はわかりにくい)にプラスアルファ程度で、借金をしてくるわけでもなく暴力を振るうわけでもなく、となれば、それがいいことかどうかは別として、たとえば親はその状態を続けていくことは可能でしょう。ちょうど今の30才前後のニートの、親の世代は、その経済的余力がある可能性も高く。しかもそれと対になって、そんな複雑な状態をどうこうできるような時間や精神の余裕がない可能性も高い。
ブログぞうのあちゃぞうさんの言葉を読んだ私は、「物が豊かになったのもいいんだか悪いんだか」となんだかもやもやした気持ちになりました
そのもやもや感は、私の回りにもニ−トな人たちがいるからで、私は彼らを理解しようとし、応援したいと思っています
だけど、赤の他人の私が彼らの生活に首を突っ込むことでもないし、人のことを心配していられるような経済状況でもないというのが現状です
もう何年もニ−トな状態にある彼らを見てきて、私が思うことは「働いたら負けかな」とは決して考えていないということです
あちこちで取り上げられている「ニ−ト君」が「ザイ−ガ」さんにも載っていましたが、私は彼の出演していた番組を見ていないので、彼の本心を想像することすらできません
ただ、私の周囲にいる無職の人は「働きたい」とは思っていながら、具体的には全く動いていません
精神科に通ったりして生活を改善する気持ちはあるようで、口ではあ-だこ-だ言うんですが、職探しの実行に移る気配は全くなく、見ていて悲しくなってしまいます
「ニ−ト」という言葉を聞いた時、「ああよかった、他にもそういう人がたくさんいるんだ」とほっとしちゃったくらいです
しかしながら、「ニ−ト」という言葉は新しい
無職の人を支援している団体はかなり少ないし、その言葉の枠さえも何だかはっきりしていないようです
ひきこもりを支援するある団体に電話をしてみたところ、
「ひきこもりはニ−トには入りませんよ。誰がそんなこと言ったんですか?」
と言われ、
「小杉礼子さんという人が、ニ−トを4つに分類していて、その中にひきこもり型というのがあるとインタ−ネットに出ていたんですが」
と言ってみましたが、
「ひきこもりの人は、社会とどう係わるかというところで、まだ仕事というところまで達していません」
という回答で、ひきこもっている人の中に、無職の人はいるだろうにと思うけど、ニ−トの中にひきこもりは入らないと考えている人もいるようです
私の知り合いのように、両親はもう他界してしまい、行政にパラサイトする以外に生きていく方法がなくて、いつホ−ムレスになってもおかしくない状態で、そんな自分の状況をどうにか変えようと考えてはいるけど、一歩踏み出すことができない
周囲も、経済的に援助できるはずもなく、かと言ってひとりの人間のプライドを砕くようなことも言えない
そんな人は「働かざる者食うべからず」という言葉でざっくり斬られて終わりなのでしょうか
「今は、大学新卒でも、派遣社員が当たり前ですからね」
これが現実なんだけど、だからってニ−トを放置していていいとは、私は思えないのです
1週間で、こんな大きな問題について答えを出せるとは到底思えませんので、先ずは、ニ−トを知ることからはじめてみます
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コメント
初めまして。
「ニート」という言葉初めて知りました。
実はわたしにも、結婚はしてるんですけど
ひきこもり気味の無職の弟がいます。。
今はお嫁さんの収入でなんとかやりくりしてるみたいだけど…
ひきこもりとは違うということですが
これからのあいさんの取材、見解
楽しみにしてますね。(*^-^)
投稿: Rika | 2005年2月16日 (水) 01時38分
Rikaさん はじめましてぇ♪
そうですかぁ・・・
私の周囲にも何人かいるのですが、その内のひとりが私の知らない間にアルバイトをはじめていたそうで、ちょっとうれしいです
Rikaさんのご意見もお話ししてもらえたらうれしいです
これから仲良くしてくださいね♪
投稿: ぁぃ | 2005年2月17日 (木) 03時06分
はじめまして。 私は社会人となって今年で7年となります。 営業の仕事で日々ノルマに追われています。 私は仕事がらよく様々なお宅の家庭事情をみていますが、実際に二−トとみられる状態の子供をみかけますよ。 話をする機会があるんですが、皆さん総じて精神的(考え方)に幼いというか思春期の子供にと話している印象をうけますね。 社会を恐れているような人(家族以外)と接するのを恐れているようなそんなかんじです。 自分に対しての自信が極端にないのが原因だとおもいますね。 自信ていうものはあり過ぎてもなさ過ぎても駄目だから難しいですけど。 自信なんて結局は少しずつ自分に対して積み上げていくしかないから、駄目もとでがんばってほしいですね。
投稿: グジャマン | 2005年3月12日 (土) 00時24分
ぉ仕事をはじめて7年目というと、そろそろいろいろなことを考える時期ではないでしょうか
単純に自分がそうだったってだけなんですけどね
ノルマに追われる仕事ってしたことないんですけど、実際ノルマを達成できないと、どうなっちゃうんですか?
投稿: ぁぃ | 2005年3月12日 (土) 02時22分
知り合いの彼氏がニートだっていうから検索してみました。
ニートって夢を追いかけて・・例えば、ミュージシャンとかお笑いとかスポーツ系とかで、
なっている人も多いんでしょうかね?
でもそういう人たちはアルバイトしながら・・の人も多いかな。
私も毎日、休みがないくらい仕事仕事の日々でプライベートがすごく寂しい生き方してます。
これってどうなのかな。仕事が生きがい・・といえばカッコいいけど、
正直イヤになることももちろんあるし。
でも仕事している以上、イヤになって他を犠牲にしても、
仕事優先でやり続けなきゃいけない時もあるから辛いよね。
やはり社会で仕事するって相当厳しく、辛いことなんだ!
そこから逃げたい人がなんだかんだ理由つけてニートになっているんだな。きっと。
投稿: みぃ | 2005年6月12日 (日) 15時22分
みぃさんのおっしゃる通り、誰もがニ−トになる可能性を持っていると思います
仕事以外に自分の時間を持っていたいと、私は日曜日は完全オフにしています
もちろん仕事は充実していて楽しいけど、仕事以外にも充実した時間を持っていたいですよね
私は、一度仕事から逃げた経験がありますけど、ここを離れている時も気になって仕方がありませんでした
それで、もう一度ここに戻ってきて、今も仕事優先の生活だけど、絶対に逃げないと決めています
つらい時は、ちょっと離れてみる
完全に仕事から離れた時の自分が、何を欲しがっているのかを自分自身で見つめなおしてみるのもいいかもしれませんょ
投稿: ぁぃ | 2005年6月16日 (木) 13時10分